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# 第十話 みんなで掴む勝利

# 第十話 みんなで掴む勝利


「行くぞ!!」


グランが叫んだ。


その声と同時に、


魔界最強の五人が飛び出す。


---


先頭はルシオン。


黄金の翼を広げ、


空を駆ける。


「天翼王剣!!」


ドォォォォォン!!


巨大な斬撃がベルゼヴァルの胸を切り裂く。


今までと違う。


傷が深い。


---


「効いてる!」


レオンが叫ぶ。


グランの《王の祝福》によって、


全員の能力が大幅に上昇していた。


---


セドリックが冷静に分析する。


「右腕に魔力が集中している!」


「ならそこを狙う!」


リリスが飛ぶ。


黒い翼が空を裂く。


「魔王黒炎!!」


轟炎。


巨大な黒い炎がベルゼヴァルの右腕を包む。


---


『ぐおおおおおっ!!』


初めて。


ベルゼヴァルが悲鳴を上げた。


観客が歓声を上げる。


「いける!」


「勝てるぞ!」


---


だが。


ベルゼヴァルは笑った。


『愚かだ』


その瞬間。


胸の中心が開く。


そこから現れたのは――


巨大な黒い核。


---


アークスの顔が変わる。


『まずい!』


「どうした!?」


グランが叫ぶ。


『奴は自爆する気だ!』


---


全員が凍り付いた。


その威力は。


魔界の半分を消し飛ばす。


千年前。


アークスが止められなかった最後の技だった。


---


ベルゼヴァルは狂ったように笑う。


『私が負けるなら』


『世界ごと消えるがいい!!』


黒い光が膨れ上がる。


空が崩れる。


大地が裂ける。


---


「くそっ!」


ルシオンが攻撃する。


だが止まらない。


レオンも。


リリスも。


セドリックも。


届かない。


---


その時。


グランの前にアークスが現れた。


『最後の試練だ』


「最後?」


『お前は何のために魔王になる』


---


グランは答える。


迷わず。


「みんなを笑顔にするためだ」


『そうか』


アークスは優しく笑った。


『なら、お前はもう立派な魔王だ』


---


その瞬間。


システムが激しく輝いた。


---


最終条件達成


【仲間を誰一人見捨てない】


確認


---


継承完了


---


称号獲得


【真の魔王】


---


グランの体から、


眩い紫色の光が溢れる。


今までとは比べ物にならない。


優しい光。


温かい光。


---


ベルゼヴァルが震えた。


『なぜだ……』


『なぜそんな力が……』


---


グランは剣を握る。


そして笑った。


「簡単だ」


仲間たちを見る。


バルド。


ミア。


リリス。


ルシオン。


レオン。


セドリック。


そして観客たち。


みんながいる。


---


「俺は一人じゃないからだ」


---


好感度エネルギー


限界突破


測定不能


---


「うおおおおおおおっ!!」


グランが飛ぶ。


世界中の想いが集まる。


光が一本の剣になる。


---


『そんな馬鹿なぁぁぁぁ!!』


ベルゼヴァルの叫び。


そして――


閃光。


---


次に目を開けた時。


空は青かった。


黒い雲は消えている。


ベルゼヴァルもいない。


戦いは終わった。


---


静寂。


そして。


誰かが拍手した。


パチ。


パチパチ。


やがて。


大歓声になる。


---


「グランー!!」


「魔王様ー!!」


「最高だー!!」


---


その日。


魔界中が知った。


最強だからではない。


イケメンだからでもない。


仲間を大切にした一人の少年が、


真の魔王になったことを。


---


そして数日後。


新魔王戴冠式。


王冠を被ったグランの前に、


リリスが立つ。


「おめでとう」


「ありがとう」


「それで」


リリスは真っ赤な顔で言った。


「婚約者の話だけど……」


---


グランは笑う。


「考えておくよ」


「なっ!?」


「嫌じゃないから」


---


リリスの顔はさらに真っ赤になった。


会場は大爆笑。


こうして――


魔界一モテなかった少年の、


世界一賑やかな魔王人生が始まるのだった。


# 第一部 完




## 次回作


**『新魔王グランの恋愛は難易度SSSでした』**


魔王になった後の恋と日常を描く第二部へ続く!


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