# 第二部 第一話 新魔王グランの恋愛は難易度SSSでした
# 第二部 第一話 新魔王グランの恋愛は難易度SSSでした
魔王城。
新たな魔王となったグランは、
豪華な玉座に座っていた。
本来なら。
威厳たっぷりに座るべきだ。
だが――
「書類多すぎるだろぉぉぉ!!」
机の上には山のような書類。
予算。
街づくり。
税金。
住民相談。
魔王の仕事は想像以上に大変だった。
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「魔王って戦うだけじゃないのかよ……」
机に突っ伏すグラン。
すると扉が開く。
「失礼します」
秘書になったミアだった。
以前より大人っぽくなっている。
「次の予定です」
「まだあるの!?」
「あります」
「ですよね……」
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そこへ。
ドアが勢いよく開いた。
バァン!!
「グラーン!」
リリスだった。
今日も元気である。
「なんだ?」
「デートするわよ!」
「は?」
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部屋が静まる。
ミアも固まる。
護衛たちも固まる。
グランも固まる。
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「今なんて?」
「デート」
「いや仕事中なんだけど」
「仕事は逃げないわ」
「逃げないな」
「でも青春は逃げるのよ!」
「魔族にも青春ってあるんだな」
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リリスは腕を組む。
「それに」
「?」
「この前の返事を聞いてない」
グランは思い出した。
戴冠式の日。
婚約の話。
あの時は誤魔化した。
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「えっと……」
珍しくグランが困る。
戦う方が楽だった。
ベルゼヴァルの方が楽だった。
恋愛は難しい。
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その時。
システムが現れた。
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緊急クエスト発生
【初デートを成功させろ】
成功報酬
超レアスキル
失敗
リリスが不機嫌になります
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「失敗が怖い!」
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リリスは首を傾げる。
「また変な顔してる」
「なんでもない」
「怪しい」
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数時間後。
魔界最大の商業都市。
グランとリリスは変装して歩いていた。
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「意外だな」
グランが言う。
「何が?」
「こういう場所好きなんだな」
リリスは少し笑う。
「好きよ」
そして。
小さな声で続けた。
「好きな人と来るのも」
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グランの脳が停止した。
完全停止。
魔王業務も停止。
思考も停止。
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その頃。
物陰から怪しい影が見ていた。
ルシオン。
レオン。
セドリック。
である。
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「なぜ尾行してるんだ?」
レオンが聞く。
「気になるからだ」
ルシオン即答。
「お前暇なのか」
「暇じゃない」
「絶対暇だろ」
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魔界最強クラスの男たちが、
新魔王のデートを尾行していた。
とても平和だった。
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しかし。
その平和は長く続かなかった。
突然。
空が光る。
巨大な魔法陣。
見覚えのない紋章。
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ゼクトが青ざめた。
「まさか……」
「どうした?」
グランが聞く。
ゼクトは震える声で言った。
「人間界だ」
「え?」
「人間界の勇者が来るぞ!」
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会場が静まり返る。
魔界。
人間界。
千年以上続く因縁。
そして。
転移門から現れたのは――
金髪の美しい少女だった。
彼女は真っ直ぐグランを見て言う。
「見つけました」
「魔王グラン」
「私があなたを倒します」
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リリス
「……へぇ」
グラン
「いや、待って?」
リリス
「女ね」
グラン
「そこじゃない!!」
## 次回予告
**第二部 第二話『勇者は美少女でした』**
魔王VS勇者!?
しかし勇者はなぜかグランを知っている!?
さらにリリスの嫉妬が大爆発!
恋も戦いも大混乱の新章開幕!




