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# 第五話 魔界中が俺を知っている!?

# 第五話 魔界中が俺を知っている!?


翌朝。


グランは町へ出た。


すると――


「いた!」


「グランだ!」


「ブラックベアロードを倒した奴だ!」


人だかりができた。


「え?」


昨日まで誰も見向きもしなかった。


それなのに。


今日は違う。


「握手してください!」


「すごかったです!」


「応援してます!」


次々に声をかけられる。


グランは完全に混乱した。


「な、なんで!?」


するとシステムが表示された。


---


知名度:急上昇


好感度:312


称号


【期待の魔王候補】


獲得


---


「好感度三百!?」


昨日まで一桁だった。


人生で初めての人気者である。


---


しかし。


そんな時。


広場の大型水晶に映像が流れた。


魔王候補ランキング。


第1位 レオン


第2位 セドリック


第3位 シオン


観客は大歓声。


そして。


第15位


グラン


---


「低っ!」


思わず叫んだ。


ブラックベアロードを倒したのに。


十五位だった。


「現実は厳しいな……」


だが。


去年は圏外だった。


それを考えれば大躍進だ。


---


その時。


背後から声がした。


「落ち込んでるの?」


振り向く。


リリスだった。


黒髪。


赤い瞳。


今日も圧倒的に可愛い。


周囲の男たちが振り返る。


しかしリリスは真っ直ぐグランを見ていた。


「別に落ち込んでない」


「嘘ね」


即答だった。


「顔に書いてあるもの」


「そんなに分かりやすいか?」


「うん」


リリスは少し笑う。


そして。


爆弾を落とした。


「じゃあ私の婚約者になる?」


「ぶふぉっ!?」


飲んでいたジュースを吹き出した。


---


「な、なななななに言ってるんだ!?」


「そのままの意味だけど?」


リリスは平然としている。


周囲は騒然。


「婚約者!?」


「聞いたか!?」


「リリス様が!?」


魔族たちがざわつく。


グランは顔面蒼白だった。


「待て待て待て!」


「落ち着いて聞いて」


「落ち着けるか!」


当然である。


相手は魔界四天王の娘。


自分は平凡な下級魔族。


住む世界が違う。


---


リリスは少し真面目な顔になる。


「実はね」


「?」


「私、婚約者を決めなきゃいけないの」


「は?」


「父が勝手に候補を集めてる」


グランは嫌な予感がした。


「候補って?」


「レオン」


「うん」


「セドリック」


「うん」


「シオン」


「うん」


全員イケメンだった。


さすが魔界。


ぶれない。


---


「でも嫌なの」


リリスはため息をつく。


「みんな私じゃなくて家柄を見てる」


その表情は少し寂しそうだった。


グランは黙る。


「だから」


リリスは言った。


「あなたに興味がある」


「俺?」


「うん」


「なんで?」


すると。


リリスは少しだけ笑った。


「あなた、誰かのために戦うでしょう?」


グランは返事に困った。


そんなの当たり前だと思っていたから。


「魔界には少ないのよ」


その言葉は意外だった。


---


その夜。


グランは家へ帰る。


だが。


家の前に誰か立っていた。


フードを被った謎の人物。


不気味な気配。


「誰だ?」


男はゆっくり顔を上げた。


そこには――


赤い瞳。


そして。


額に刻まれた古い魔王紋章。


「やっと見つけた」


男は笑った。


「《魔王の魅力》の継承者よ」


グランの背筋が凍る。


男の魔力は。


今まで出会った誰よりも強かった。


「お前は何者だ?」


男は静かに答える。


「かつて魔王に仕えた者だ」


そして。


次の言葉にグランは息を呑む。


「その力を使えば――」


「お前は世界を支配できる」


## 次回予告


**第六話「伝説の魔王の秘密」**


魔王の魅力の正体とは!?


伝説の魔王が残した力。


そして明かされる魔界最大の秘密!


さらにリリスがグランの家に押しかけてきて大騒動!?


恋も冒険も加速する!


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