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# 第四話 初めての覚醒

# 第四話 初めての覚醒


ブラックベアロードが後ずさった。


A級魔獣。


数々の冒険者を恐怖させてきた怪物。


その怪物が――


グランを警戒していた。


「な、なんだ……?」


グラン自身が一番驚いていた。


体が熱い。


力が溢れてくる。


頭の中にシステムの声が響く。


---


【魔王の魅力】


応援してくれる者。


信頼してくれる者。


想いを寄せる者。


その感情を力へ変換します。


現在の力補正


+300%


---


「さんびゃく!?」


思わず叫んだ。


だが確かに違う。


今なら走れる。


戦える。


負ける気がしない。


---


「グランさん!」


助けた少女が叫ぶ。


「頑張って!」


すると。


体がさらに光った。


---


好感度エネルギー流入


能力上昇


---


「増えた!?」


「なんなんだよこのスキル!」


意味が分からない。


だが。


今は考える時じゃない。


ブラックベアロードが突進してきた。


ドゴォォォォン!!


巨大な爪。


まともに受ければ終わり。


しかし。


グランは横へ飛んだ。


避けた。


今までなら無理だった速度。


「いける!」


初めてだった。


強くなれた気がした。


---


「おおおおおっ!」


落ちていた剣を握る。


全力で振る。


ガキィィィン!!


火花が散る。


完全には通らない。


だが。


魔獣の肩に傷がついた。


「傷が!?」


観客席がざわつく。


試験官たちも驚いていた。


「馬鹿な……」


「下級魔族だぞ?」


「ありえん……」


---


一方。


レオンも目を見開いていた。


「なんだあいつ……」


今まで見下していた。


弱者だと思っていた。


だが違う。


グランには何かがある。


そう感じ始めていた。


---


ブラックベアロードが怒り狂う。


咆哮。


衝撃波。


木々が吹き飛ぶ。


地面が砕ける。


グランは吹き飛ばされた。


「ぐはっ!」


苦しい。


痛い。


やっぱり強い。


A級魔獣は化け物だ。


心が折れそうになる。


その時。


聞こえた。


「グランー!」


バルドだった。


森の入り口から叫んでいる。


「負けるな!」


「お前ならできる!」


さらに。


助けた少年。


少女。


試験参加者たち。


みんなが叫び始めた。


「頑張れ!」


「立て!」


「諦めるな!」


---


好感度エネルギー急増


能力補正


+500%


+700%


+1000%


---


「増えすぎだろ!?」


ツッコミながら立ち上がる。


体が軽い。


力が溢れる。


今なら。


今なら勝てる。


---


「うおおおおおおっ!!」


グランは駆けた。


ブラックベアロードも突進する。


正面衝突。


普通なら自殺行為。


だが。


グランは止まらない。


「俺は!」


一歩。


「魔王になるんだ!」


二歩。


「みんなを笑顔にする魔王に!」


三歩。


剣を振り上げる。


そして――


全力で振り下ろした。


ドォォォォォォン!!


眩い黒い光。


衝撃波。


静寂。


やがて。


ブラックベアロードはゆっくり倒れた。


大地を揺らしながら。


完全に沈黙する。


---


勝者


グラン


---


森中が静まり返る。


誰も信じられなかった。


最弱と呼ばれた少年が。


A級魔獣を倒したのだ。


そして。


最初に拍手したのは――


リリスだった。


パチ。


パチパチ。


「へぇ」


赤い瞳が細くなる。


「思ったより面白いじゃない」


その笑顔は、


今までより少しだけ優しかった。


---


その頃。


誰も知らない場所。


魔界の最深部。


巨大な玉座に座る影が、


静かに目を開いた。


「魔王の魅力……だと?」


闇の中で赤い瞳が輝く。


「なぜ今になって現れた……」


その声には驚きが混じっていた。


グランはまだ知らない。


自分が手に入れた力が、


かつて魔界を統一した伝説の魔王だけが持っていた力だということを――。


## 次回予告


**第五話「魔界中が俺を知っている!?」**


試験後、一夜にして有名人になったグラン!


だが人気者への道は甘くない!


そしてリリスから突然の誘いが――


「私の婚約者にならない?」


グラン、人生最大の大混乱へ!?


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