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# 第三話 魔界一の落ちこぼれ

# 第三話 魔界一の落ちこぼれ


「君みたいな雑魚が魔王を目指すのかい?」


広場が静まり返った。


魔王候補レオン。


銀髪のイケメン。


高い魔力。


華やかな笑顔。


まさに絵に描いたような人気者だった。


そのレオンが、グランを見下ろしていた。


周囲の魔族たちもクスクス笑う。


「終わったな」


「相手が悪い」


「グランじゃ勝負にもならない」


そんな声が聞こえる。


だがグランは拳を握った。


「雑魚で悪いか」


「ん?」


「今は雑魚でも、いつか魔王になる」


一瞬。


会場が静かになった。


そして次の瞬間。


大爆笑。


「ははははは!」


「無理だろ!」


「夢見すぎ!」


レオンも苦笑した。


「面白いね」


しかしその目は笑っていなかった。


「なら試験で証明してみなよ」


---


その日。


魔王候補認定試験が始まった。


試験内容はシンプル。


魔獣の森に入り、


魔石を持ち帰ること。


ただし――


森には危険な魔獣がいる。


毎年脱落者が出る難関試験だった。


「開始!」


試験官の声と同時に、


候補者たちは森へ走り出す。


レオンたちは余裕の表情。


グランだけ少し緊張していた。


「絶対に合格してやる」


すると。


頭の中でシステムが鳴った。


---


【緊急クエスト】


困っている者を助けよ


報酬:好感度ポイント


---


「またそれか!」


戦闘系じゃない。


本当に魔王育成システムなのか怪しくなってきた。


---


森の奥。


グランが歩いていると、


助けを求める声が聞こえた。


「た、助けて……」


駆け寄る。


そこには一人の少年魔族がいた。


足を怪我している。


試験参加者だった。


「大丈夫か!?」


「魔獣に襲われて……」


魔石を探すどころではない。


普通なら置いていく。


競争相手だからだ。


だがグランは迷わなかった。


「背中に乗れ」


「え?」


「一緒に帰ろう」


「でも試験が……」


「そんなの後だ」


少年は目を丸くした。


---


好感度+30


友達2人目達成


---


「また増えた!」


---


その頃。


レオンは順調だった。


強力な魔法で魔獣を倒し、


すでに魔石を手に入れている。


誰もが優勝候補だと思っていた。


しかし。


森の最深部。


突如として地面が揺れた。


ドォォォォン!!


巨大な咆哮。


現れたのは。


本来いるはずのない魔獣。


黒い巨体。


赤い瞳。


巨大な牙。


「まさか……ブラックベアロード!?」


試験官たちも青ざめる。


A級魔獣。


新人では勝てない。


会場は大混乱になった。


候補者たちは逃げ出す。


レオンも表情を変えた。


「まずい……!」


---


その時だった。


逃げ遅れた少女が転んだ。


魔獣が迫る。


誰も助けられない。


誰もが終わったと思った。


だが。


一人だけ走る影があった。


「危ない!!」


グランだった。


「お前、逃げろ!」


少女を突き飛ばす。


直後。


魔獣の爪が振り下ろされた。


ドォン!!


グランは吹き飛ばされる。


体中が痛い。


息も苦しい。


それでも立ち上がる。


「まだだ……」


その姿を見た魔族たちは驚いていた。


弱い。


強くない。


イケメンでもない。


それなのに。


誰かを守るためだけに立ち向かっている。


その時。


システムが激しく光った。


---


条件達成。


《勇者の心》を確認。


隠しスキル解放。


【魔王の魅力】


人の想いを力に変換します。


---


「え?」


次の瞬間。


グランの体から黒い光が溢れた。


会場中の魔族たちの視線が集まる。


そして――


ブラックベアロードが、


初めて恐怖の表情を見せた。


## 次回予告


**第四話「初めての覚醒」**


好感度が力になる!?


グランに宿った謎の能力!


そして魔界最強クラスの魔獣との戦いが始まる!


レオンも驚く、グランの本当の才能とは――!?

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