# 第二部 第三話 魔王と勇者の共闘
# 第二部 第三話 魔王と勇者の共闘
「魔王と勇者が協力するだと……!?」
その知らせは、
わずか一日で魔界中と人間界中に広まった。
当然、大騒ぎだった。
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魔界側。
「勇者なんて信用できるか!」
「昔から敵だぞ!」
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人間界側。
「魔王と組むだと!?」
「頭がおかしくなったのか!?」
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しかし。
境界線に現れた黒い軍勢は、
そんなことを言っている余裕を与えなかった。
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空を埋め尽くす魔物。
巨大な戦艦。
黒い竜。
そして。
ベルゼヴァルの残党たち。
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『世界を滅ぼせ』
『混沌を取り戻せ』
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数は数十万。
絶望的だった。
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魔王城。
緊急会議。
グラン。
リリス。
エリス。
ルシオン。
レオン。
セドリック。
人間界の将軍たち。
全員が集まっていた。
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「戦力差は?」
グランが聞く。
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将軍が答える。
「最悪です」
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「どれくらい?」
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「普通に戦えば負けます」
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「正直だな!」
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部屋が重い空気に包まれる。
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その時。
エリスが立ち上がった。
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「なら」
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「普通じゃない方法で勝ちましょう」
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全員が彼女を見る。
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「魔界軍と人間界軍」
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「共同作戦です」
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沈黙。
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数秒後。
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「無理だ!」
「反対!」
「絶対揉める!」
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大反対だった。
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だが。
グランは立ち上がる。
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「やる」
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全員が驚く。
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「千年前から争ってきたんだろ?」
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「なら」
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「今度くらい協力してもいいじゃないか」
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静かになる会議室。
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リリスが笑う。
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「私は賛成」
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エリスも頷く。
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「私もです」
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ルシオンも肩をすくめた。
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「面白そうだ」
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レオンも笑った。
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「魔界初だな」
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こうして。
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史上初。
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魔王軍と勇者軍の共同作戦が始まった。
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しかし。
平和な時間は続かない。
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会議終了後。
廊下。
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リリスとエリスが向かい合っていた。
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笑顔。
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でも目は笑っていない。
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「勇者さん」
リリスが言う。
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「なんですか?」
エリスが答える。
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「グランに近すぎるわ」
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「気のせいです」
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「昨日腕組んでたわよね?」
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「転びそうだったので」
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「ふーん?」
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バチバチバチ!!
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また火花である。
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その時。
通りかかったグラン。
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「あ」
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リリス
「グラン」
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エリス
「グラン様」
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「え?」
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二人同時。
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「私と訓練して」
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グラン
「なんで?」
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リリス
「私が先」
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エリス
「私です」
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リリス
「私」
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エリス
「私」
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「子供か!!」
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その頃。
魔王城の外。
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黒いローブの男が笑っていた。
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「なるほど」
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「これが新しい魔王か」
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男の顔には、
ベルゼヴァルと同じ紋章。
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そして。
恐ろしい魔力。
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「面白い」
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「ならば遊んでやろう」
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男の背後に現れる無数の軍勢。
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ベルゼヴァル四天王。
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その一人。
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《絶望の魔将ギルガス》
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彼の登場によって、
戦争はさらに激しさを増していく。
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## 次回予告
### 第二部 第四話
# 「絶望の魔将ギルガス」
ベルゼヴァル四天王襲来!
圧倒的な力の前に魔界軍が崩壊!?
そしてグランをかばったリリスが重傷を負う――!
怒れる魔王と勇者。
最強タッグがついに覚醒する!




