破壊力が半端じゃねえ
「玲旺くんはどういう水着が好きかしら?」
「どーゆーって言われもな。やっぱビキニか?正直、女ものの水着なんて、よくわかんねえよ」
前世は女子と海とかプールに行ったことねえし、玲旺もこれまで水着になんて興味がなく、その下の体が好みかどうかってだけだったからな。
「そう……。わかったわ!」
俺の言葉を受けて、望愛が水着を選び始める。
店内には、すごい狭い範囲だが、男性ものも売っていてちょっと意外だった。
試着するなら、店内に男一人でいると不審者みたいになっちまうし、店の外で待ってるって伝えようか?
いや、もしかして、この場で服の上から合わせて、感想を求められるんだろうか。
もしそうだったら、望愛なら大抵のものは似合うだろうし、申し訳ないが、同じ言葉を繰り返すだけになりそうだな。
俺がそんな風に思っていると、望愛は、それぞれ色や形状の違う水着をいくつか手に取った。
一つ、とんでもない水着があった気がするんだが……。
「さ、玲旺くん。色々試着してみるから、行きましょう?」
望愛が意気揚々と俺の手を引っ張る。
……はい?行きましょう、って俺も試着室エリアに入るってことか!?
「おい、ちょっと待て望愛!?行くって試着室にか?男の俺が入ったらマズいだろ!?」
「ふふっ、問題ないわよ。水着はどちらかと言えば洋服と一緒だもの。彼氏連れの人って結構いるのよ?」
言われてみれば確かにそうかもしれない。
海でもプールでもそのまま歩いてる訳だしな。
「いや、けどな―――」
だが、今店内には俺達しかカップルがいないんだよ。
本当に入って大丈夫なのか?
入った瞬間、他の客に悲鳴を上げられたりしないだろうな!?
「いいから。ほら、早く行くわよ」
望愛の手を振り解く訳にもいかず、強引に引っ張られる形で俺は試着室エリアに入ってしまった。
そこは結構広い空間で、試着室であるスペースとカーテンの仕切りが四つ並んでいる。
俺達の他に女性同士で来た客が一組いて、片方が水着になって話をしていたが、彼女達は俺の姿を見ても、何の反応も示さなかった。
こんなところ、絶対男は立入禁止だと思っていたが、マジで問題ないようだ。
結局俺の気にし過ぎってことだが、今まで一度も経験したことがなかったため、カルチャーショックと言えばいいのか、かなりデカい衝撃だった。
「それじゃあ、着替えるから少し待っててね」
そう言って、望愛は試着室の一室に入り、カーテンを閉める。
って、ここで一人になるのはめちゃくちゃ気まずいぞ!?
俺が落ち着かなくてソワソワしていたら、先にいた女性客の一人と目が合って、小さく笑われちまった。
すっげーハズい。
それからは、閉じたカーテンの方を向いて、じっと待つことにした。
すると、十分もしないうちにカーテンが開いた。
「お待たせ、玲旺くん。どうかしら?」
柄もなく、シンプルな黒のビキニを着た望愛。
「ああ。似合ってると思うぞ」
なんとなくイメージとは少し違う気がするが、これはこれでよく似合っているのは間違いない。しかもシンプルだからこそ、望愛のスタイルの良さがこれでもかと際立っている。胸元なんて今にもこぼれてしまいそうだ。
「そう?ありがとう。じゃあ、次を着てみるわね」
「ああ」
再びカーテンが閉まる。
それからも望愛は、色や柄の異なる、フリルがついたもの、リボンのついたもの、肩ひもじゃなくて首の後ろで結ぶものと様々なビキニを試着した。
一口にビキニと言っても、こんな色々るんだなぁと感心してしまったくらいだ。
ただ、俺は自分で予想したとおり、いいんじゃねえか、悪くねえと似たような言葉を繰り返すことになってしまったが……。
「次が最後よ。これは特別だから楽しみにしててね?」
「おう」
ん?待てよ?流れで軽く返事をしてしまったが、望愛が持ってた中で、まだ着ていないのって、俺でも見た瞬間わかったあのとんでもない水着じゃないか?
そんなことを考えていたら、望愛がカーテンを開けた。
「ど、どうかしら?」
恥ずかしそうに顔を赤くしている望愛にツッコむ余裕もなく、俺の目はその水着姿に釘付けとなった。
「……ヤベえ。すげーいい。すげーいいんだが……頼む。それだけは外で着ないでくれ」
「も、もちろんよ!マイクロビキニなんて玲旺くん以外に見られたくないもの。だから言ったでしょう?特別だって」
そうか。これがマイクロビキニってやつなのか。
今までのと比べても布地が極端に少なく、隠れているのは本当に大事な部分だけというか、大事な部分以外ほぼ出てしまっている。
スタイル抜群の望愛と組み合わさると破壊力が半端じゃねえ。
眼福過ぎて、ありがとうございます!とお礼を言いたいくらいだ。
これを俺のためだけにわざわざ着てくれたなんてよ。
「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。……めちゃくちゃエロくて今すぐ抱きたくなっちまった」
後半は、わざとニヤッと笑い、望愛にしか聞こえないように声を潜めた。
望愛の反応は劇的で、赤かった顔がさらに真っ赤になってしまう。
「そ、そう!?でも、今はダメよ。そ、それじゃあ着替えるわね!」
「くくっ、ああ」
慌てた様子でカーテンを閉める望愛。
自分から大胆なことをしておいて、激しく動揺する望愛がなんだかおかしくて、思わず笑い声が漏れてしまった。
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