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エロ漫画に登場する最悪のクズ男に転生にしたけど、漫画のような鬱エンドは見たくないとヒロイン達を救うことにした  作者: 柚希乃愁


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約束は必ず守る

「今日は楽しかったよ。ありがとう、玲旺君」


「俺の方こそ。今日は付き合ってくれてありがとな」


 美涼は()んだ瞳で真っ直ぐ俺を見つめてきた。

 俺の言葉の続きを待つように。

 もう心は定まっているとでも言いたげに。

 けど、俺としてはそう簡単に諦めきれない。

 だから俺は、高い壁に挑むような気持ちで美涼の目を見返した。


「美涼。あらためて言うぞ」


「うん」


「俺はお前が好きだ」


「……ありがとう。だけどね、昨日も言ったとおり、その告白は受けられない。二股なんて最低だ。そんなのダメ人間のすることだよ?」


 満面の笑みを浮かべたかと思えば、(あき)れ顔になり、俺の胸を人差し指でトントンと(つつ)きながら美涼はダメ出ししてきた。


 当たり前の正論過ぎて、ぐうの音も出ねえ。

 俺だってそんなことはわかってんだ。

 でも…、でもよ―――。


「それは……わかってるつもりだ。けど俺は……、美涼が他の男と付き合うところを見たくねえんだ!美涼が俺から離れちまうなんて考えたくもねえ。美涼にも、望愛にも、俺の(そば)にいてほしい。俺の傍で笑っていてほしいんだよ」


 俺は美涼に、情けなくて、身勝手で、傲慢(ごうまん)な本心をぶつけていた。

 いつの間にか、望愛だけでなく、美涼のことも離したくないと思っちまってたんだ。

 そこに、ここが漫画の世界だとか、ヒロインを助けたいとか、そんなのは関係ない。

 ただ、二人のことをマジで好きになっちまったから。


「なっ!?きゅ、急に何を言い出すかと思えば、めちゃくちゃじゃないか。そんな子供の()(まま)みたいな……。私は()()玲旺君のモノじゃないんだよ!?」


「本当にな。自分でもそう思うぜ。けどよ…………まだ?」


 美涼の(もっと)もな言い分に対して言葉を続けようとしたが、そこで違和感に気づいた。

 まだ、と美涼は言ったのだ。

 今のは完全に失言だろう。

 だって、それの意味するところは―――。


 だが、美涼らしいとも言えるのかもしれない。

 いかにもできる女って雰囲気なのに、焦るとこうして時々、ポンコツっぷりが顔を出す。

 本当、出会った頃から変わらないな。


「え?あ!?ち、違うよ?今のはそういう意味じゃなくて―――」


 俺が繰り返したことで美涼も気づいたんだろう。

 顔を赤くして、慌てて否定しようとしてきた。

 俺は落ち着いてほしくて、今日半日ほど繋いでいた美涼の細い手を包み込むように握った。

 美涼の身体が一瞬震える。


「美涼。俺はお前が好きだ。美涼は俺のことどう思ってる?」


「…………好きだよ。私は玲旺君のことが大好きだよ。決まってるじゃないか。そうでなきゃ、今日デートなんてしてないよ」


 俺が美涼の目を真っ直ぐ見つめて訊くと、美涼は逡巡(しゅんじゅん)するように目を泳がせた後、俺の目を見つめ返して、気持ちを答えてくれた。


 俺の心が歓喜に震える。

 ようやく気持ちを教えてもらえた。しかも俺にとって最高の言葉を。

 だが、まだだ。

 ここで終わりじゃない。


「ありがとな、美涼。俺はさ、確かにダメ人間だ。王子様みたいに助けたお姫様を…、お姫様だけを一生幸せにするってのはできそうにない。そもそも王子様って(がら)でもないしな」


「玲旺、君?」


 美涼が悲しそうに瞳を揺らした。

 だが、待ってくれ。俺の言葉には続きがあるから。


「けど、美涼のことをこれからも守りたいと思ってる。美涼に幸せだって、ずっと思ってもらえるように大切にしたい。そのために俺は全力を尽くす。最低なことを言うダメ人間だが…、いや、だからこそ、その覚悟はあるんだ。だから、美涼。俺と付き合ってくれ。俺も美涼が大好きなんだ」


「っ…………約束できる?」


「ああ。でなきゃこんなこと言えねえよ」


「…………望愛のことは?」


 美涼が(うかが)うように訊いてきた。


「望愛も同じだ。守りたいし、大切にしたいと思ってる。ずっとな」


「……今のはちょっと減点だね。玲旺君がしようとしてることを思えば、今は私のことだけ考えてくれてもいいんじゃないかな?」


 まさかのトラップ!?

 美涼から望愛の名前を出して訊いてきたのに、答えちゃいけなかったのか!?

 望愛は関係ないとか言えばよかった?

 でも、そんなことは嘘でも絶対に言えねえぞ!!?


「いや、俺はどっちとかじゃなくて、本気で美涼と望愛、二人のことが―――」


「ふふっ、冗談だよ。むしろ、今望愛のことは関係ないとか言われてたらそっちの方が幻滅してたかも。だって、そんな人が同時に二人を大切にするなんてできるはずないから」


「美涼……」


 俺が安堵(あんど)していると、美涼が俺の指に自分の指を(から)ませてきて、恋人繋ぎのような形になった。


「好きだよ、()()。約束、ちゃんと守ってね?」


 美涼が最高に可愛らしく、それでいて綺麗な笑顔を見せてくれて、俺は思わずドキッとしてしまった。


「っ、ああ。もちろんだ。必ず守る。大切な美涼との約束だからな」


 こうして俺は美涼とも付き合えることになったのだった。

お読みくださりありがとうございます。

ついに玲旺が美涼に受け入れてもらえました!もう少し二人のデートが続きます。


面白い、続きが気になるなど思ってくださった方、画面下の☆☆☆☆☆から応援していただけると嬉しいです!

【ブックマーク】や《感想》、《イチオシレビュー》も本当に嬉しいです!

モチベーションがとんでもなく上がります!

何卒よろしくお願い致しますm(__)m

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