求め合う二人
告白した直後から俺がそんな風に内省していたら、見開いた望愛の目から一筋の静かな涙が流れ、彼女の頬を濡らした。
「望愛!?」
俺は思わず驚きの声を上げる。
まさか泣かれるなんて思ってもいなかった。
望愛自身、そこでようやく自分が泣いていることに気づいたようで、手で頬に触れ、慌て始める。
「え?あ、ごめんなさい。これは違うの。そういうのじゃなくて。私、嬉しくて……」
「望愛……」
俺は心底安堵した。
漫画のように望愛を傷つけたりしないと決めたはずなのに、いきなりその誓いを破っちまったのかと思ったぜ。
すると、望愛が俺の首に腕を回して、勢いよく抱きついてきた。
「私も玲旺くんが好き。大好き!」
「ありがとよ」
俺も強く抱きしめ返す。
一応、周囲に人がいないことを確認もした。
こんなの完全にバカップルだからな。
「私、玲旺くんと付き合う。彼女になるわ!」
「ああ。これからよろしくな、望愛」
「ええ!」
それからしばらく俺達は抱き合っていたんだが、そろそろ限界が来そうだった。
「なあ、望愛?一旦、離れねえか?」
「嫌!」
望愛が体を押し付けるように腕の力を強めて、言葉だけじゃなく態度でも意思を示してきた。
ヤベえ。俺の望みとは裏腹に、今までよりもさらに身体が密着しちまった。
望愛の温もり、匂い、柔らかな感触、それらすべてが俺の性欲を否応なく刺激してくる。
マジで、きつい。
これまではどれだけ密着してても耐えられないほどじゃなかったってのに。
「いや、えっとな?すっげー言いにくいんだが、ちょっともう我慢できそうにねえんだわ」
「我慢?」
ぐっ、本当にわかってなさそうだな。
「……お前が欲しくてたまんねえんだよ」
俺が正直に話すと、望愛の肩がピクっと震えた。
抱き合ってるからその反応がダイレクトに伝わってきて、つい苦笑が漏れる。
「けど心配すんな。無理強いはしねえからよ。これでも俺は望愛のこと大切にしたいと思ってっから」
言いながら望愛の背中をポンポンすると、望愛は腕の力を緩め、至近距離から見つめてきた。
「玲旺くん……」
かと思えば、そのまま顎を少し突き出し、目を閉じた。
意味は、わかる。
いいのか?なんて聞くのは野暮だよな。
俺は望愛に、壊れものにそっと触れるようなキスをした。
玲旺が今まで遊びの女としてきたような、自分の欲望を満たすためだけの荒々しいものとは何もかもが違う、そんなキスを。
唇を離し、俺達はくすりと小さく笑い合う。
そして、望愛が熱い吐息を漏らしながら、「もっと」と囁いたのをきっかけに、啄むようなキスを繰り返した。
「……少しは落ち着いた?」
望愛が恍惚とした表情を浮かべながら訊いてくる。
こいつ、マジで言ってんのか?
どうしてキスをして落ち着けると思ったのか逆に聞きたいんだが。
「それはさすがにありえねえよ」
「そ、そう。……ねえ、玲旺くん。明日から夏休みよね?」
「ん?ああ、そうだな」
今の流れで、急になんでそんなわかりきったことを確認した?
「玲旺くんはこの後、それに明日、何か予定ある?」
「いや、ねえけど……」
これ、まさか?いやいや、んなバカな。
「私もね、今日も明日も予定は何もないわ」
潤んだ瞳で見つめてくる望愛。
そんな望愛を見て俺は腹をくくった。
間違ってたら、そんときはそんときだ。
「なあ、望愛。それならよ、今から俺ん家来るか?」
「っ、う、うん。ただ、その……いつまで?」
返事をした望愛だったが、不安そうに瞳を揺らしながら、もっと明確な言葉を求めてくる。
「明日までいてほしいと思ってる。いいか?」
望愛は、頬を染めながらもしっかりと頷いた。
どうやら間違っていなかったようだ。
俺達は、今まで曖昧な状態でスキンシップを重ねてきたからな。
もしかしたら俺達は二人とも、今日明確な関係を築けて、気持ちを制御できなくなっちまってるのかもしれない。
その後、望愛が母親にメッセージを送って泊まりの承諾を得て、俺達は二人で俺のアパートへと行き、今まで抑えてきた全てを互いにぶつけ合うように、相手を求めた。求めまくった。
そして、玲旺としての経験値のおかげか、前世童貞と処女であるにもかかわらず、とてもそんな風には思えないほど、熱く激しい初めての夜を俺達は過ごしたのだった。
お読みくださりありがとうございます。
長い一日が終わりました。玲旺と望愛は完全に朝までコースですね(笑)
ですが、二人が結ばれてお終い、という訳ではありません。
美涼がいますからね。
ということで、これからもお楽しみいただけたら幸いですm(__)m
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