初めての告白
その後、望愛が制服の乱れを直し、俺達は昇を置いて、空き教室を出た。
ちなみに、望愛はシャツのボタンを外されてはいたが、下着が丸見えになっていた訳じゃなく、インナーとして着ていたキャミソールが見えていただけだ。
もし、望愛がブラジャー姿にされていたら、問答無用で昇を殴り続けていた自信があるからな。
閑話休題。
慰めているのだろうか、美涼が望愛に寄り添うように歩いているから、俺は聞こえない程度に少し離れて二人の後ろをついていく。
聞かれてたら本音で話せないこともあるだろうし、そもそも女同士の話に男の俺が割り込むべきじゃないだろうからな。
そうして向かったのは俺と望愛の教室だ。
だが、鞄を持って教室を出たところで、美涼が立ち止まった。
「どうした?」
次は美涼の教室へ鞄を取りに行くと思っていた俺は首を傾げる。
「私、ちょっと用事を思い出したから、二人は先に帰ってくれるかな?」
「ん?それなら待つぞ?」
「ううん。今日は色々あったしさ、早く帰った方がいいよ。玲旺君は望愛を送ってあげて?ね?お願い」
そう言って美涼は透き通った笑みを浮かべた。
「……わかった。今日はありがとな、美涼。マジで助かった」
なぜかその笑顔を見たら、それ以上何も言えなくなっちまった。
「美涼さん。ありがとうございます」
丁寧に頭を下げてお礼を言う望愛。
「うん。二人ともまたね」
手を振る美涼と別れ、俺と望愛は二人並んで学校を後にしたのだった。
途中、大きな公園の前で、望愛がちょっと寄っていきたいと言ったため、俺達は今、公園のベンチに座っている。
「玲旺くん。助けに来てくれてありがとう」
望愛があらためてお礼を言ってきた。
これを言いたくて公園に寄りたいと言ったんだろうか?
「いや、あんなギリギリになっちまって悪かった。それに、あの場所がわかったのは美涼のおかげなんだよ」
「そうだったの。美涼さんにも感謝しかないわね。でも、あんなよくわからないメッセージだけで、玲旺くんがすぐに来てくれて、あんなに怒ってくれて、私、本当に嬉しかったのよ。玲旺くんはすぐに私が危ないって察してくれて、必死になってたって、さっき美涼さんから聞いたわ」
「ハズいからやめてくれ。美涼もなんでそんなこと言っちまうかな。……嫌な直感があってよ、そんなことでって思うかもしれねえが、気が気じゃなかったんだよ。それに望愛のあんな姿見てキレるなって方が無理な話だ」
「その直感のおかげで私は助かったんだもの。そんなことだなんて思わないわ。それとね、ずっと抱きしめてくれたのもすごく安心できて本当に嬉しかったの」
「……安心したのは俺の方だけどな」
さっきから本音がぽろぽろと出てきちまうのを止められねえ。
自分のことではあるが、気持ちを自覚しただけで、こうまで変わっちまうものなのかよ。
「ふふっ、玲旺くんも同じ気持ちだったのね。……ねえ、玲旺くん。前に伝えたいことがあるって言ったこと覚えてる?」
「ああ」
「よかった。それをね、今、話したいのだけどいいかしら?」
「……いや、悪いがその前に、俺から言いたいことがある」
ここまで本音が出るってことはまあ、そういうことだ。
なら、最後まで言っちまうしかない。
漫画では望愛を寝取る悪役の俺に、こんなこと言える資格があるのかはわからねえ。
何せ、望愛を破滅させる張本人だからな。
けど、今の俺は漫画とは違う。漫画の玲旺のように、自分の気持ちからも、望愛からも逃げたりしない。
だから―――。
「何かしら?」
望愛が小首を傾げる。
俺はそんな望愛に体を向けると、真っ直ぐ望愛の目を見つめた。
心臓が爆発するんじゃないかってくらい煩いが、そんなこと知ったこっちゃねえ。
「俺は、望愛が好きだ。だから俺のおん……、俺と付き合ってくれ」
俺は望愛に、前世と玲旺、両方の人生を合わせても初めての告白をした。
だが、しまらねえな。俺の女になってくれって普通に出そうになったが、今までのような遊びじゃなく本気だって伝えたくて言い換えちまった。
ダセえ……。
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玲旺くん人生初の真面目な告白です。ですが、告白だけでは終わりません!まだこの日は続きます!
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