久しぶりの会話は……
今日は一学期の終わり。
終業式の日。
だけど私にとってはそれだけじゃない。
私は帰りのホームルームが終わった後、友達とお喋りしながら昇くんとの約束の時間を待った。
そう、昨日昇くんから連絡があって、私達は今日ようやく話ができることになった。
玲旺くんは……鞄を置いたまま、早々にどこかへ行ってしまった。
今日の玲旺くんは、雰囲気がいつもと違っている。朝からずっと、なんだかピリピリしてる感じで、何かあったのか気になったけど、結局聞けずじまいになってしまった。
それはたぶん私が玲旺くんに、今日昇くんと話し合うことを言っていないことも影響していたのかもしれない。
だって玲旺くんには、終わったよ、って伝えたかったから。
美涼さんには、昨日のうちに伝えてある。
ちゃんと言うべきだって思ったから。
私達はきっとお互いの気持ちをわかってる。
直接的なことは何も口にはしていないけれどね。
わかった上で、私はあの日、抜け駆けしてしまった。
昇くんとのことをしっかり終わりにできたら、玲旺くんに伝えたいことがあるって。
怖さもあったけど、気持ちが抑えられなかった。
美涼さんはすごく驚いたと思う。裏切られたと思ったかもしれない。
けど、昨日連絡したら、私のことを応援してくれた。
本当に優しいヒト。
だからこそ私は―――、ううん、これはまだ早すぎるわね。
私から一歩を踏み出したのだから、まずは私が玲旺くんに気持ちを伝えないと。
それにすべては玲旺くん次第だもの。
約束の時間が近づいてきたから、私は指定された場所に向かった。
なぜか昇くんは鞄を持って先に教室を出て行ってしまったけど、すっぽかされたりはしないはず。
そうしてやって来たのは空き教室。
毎日のように生徒会室で昼休みを過ごしていたのに、こんな近くに空き教室があるなんて知らなかった。
中で待っていると、すぐに引き戸が開いた。
そして、昇くんがキョロキョロと左右を見ながら、サッと教室に入ってきて、私に背を向けて引き戸をすぐに閉めたのだけど、なぜかそのままその場で立ち尽くしていた。
「どうかしたの?」
なんだか挙動不審な気がして、つい訝しむような目を向けてしまう。
「あ、いや、なんでもないんだ」
私が声をかけると、昇くんは一瞬肩をビクッとさせて、私の方を向き、どうにも不自然な笑みを浮かべたかと思えば、すぐに視線を下げて俯き気味になってしまった。
さっきから様子がおかしいけれど、緊張、しているのかしら?
確かに、話をするのも久しぶりだものね。
そう思った私は昇くんの態度を気にしないことにした。
「今日は私と話す気になってくれてありがとう」
「ああ……、話…、話ね……」
「ええ。メッセージでは私が一方的に自分の気持ちを伝えてしまったから、今日は昇くんの話をきちんと受け止めたいと思ってるわ」
それで、お互い気持ちを整理できたなら―――。
まだ何も話していない今、言うべきことではないから言わないけれど、願わずにはいられない。
「俺の話を、受け止める、だって?……望愛はさぁ、どこまで俺を馬鹿にすれば気が済むんだ!?望愛がそこまで身勝手でふざけた女だったとはな!」
怒声が教室内に響く。
それと同時に顔を上げた昇くんの表情もまた怒りに満ちていた。
お読みくださりありがとうございます。
今回の投稿がかなり短くなってしまい申し訳ございません。完全に力量不足です……。
ストックはとうになく、日にちが空こうと、書き溜めてからある程度の分量で投稿するか迷ったのですが、幸いなことに、本作を毎日お楽しみいただいている読者様がいらっしゃるので、できたところまで投稿を続けようと思い、本日も投稿した次第です。
一日の執筆量を増やせるよう努力していきますので、これからもよろしくお願いいたしますm(__)m
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