表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

379/380

379.大学に潜むアレ③

 丸っこい影はピザを持ってかくわえてか、器用に走っていく。


(なかなかの速度……!)


 そして影は走っていって、茂みの角を曲がった。そこから先はごく小さな公園、緑の区画になっている。


 区画の広さは普通の家程度……。

 

 セリスとフォードたち(ルルはセリスに抱っこされている)も少し遅れて茂みを曲がる。


「……あっれー?」

「いませんね」


 ふたりとも首を傾げる。

 おかしい。


 緑の区画には芝生と数本の樹木があるだけだ。


 しっかりと追ってきたはずなのに、丸っこい影はいなくなっていた。


「どこかの茂みに入ったのかなぁ?」

「うーん、音はしませんでしたよ」


 丸っこい影はルルに近いサイズ。

 あの速度で茂みに突入すれば、必ず音がするはず。


 だが、耳にも集中していたセリスはそのような音を捉えていなかった。


「きゅきゅい」

「ピザの跡もない? 確かに……」


 茂みに入ったのなら、ピザのチーズやら欠片やらが痕跡としてあるのではというルルの指摘だ。


 それはその通りで、茂みの周囲にピザを引っ掛けたような後がなかった。


「あの影はどこに行ったのでしょう……」

「きゅーい」


 セリスとルルがうーんと唸る。

 緑の区画にはあと樹木が数本あるだけで、丸っこい影は消えていた。


「……あ」

「どうかしましたか?」

「あそこ! 上にいる!」


 フォードがずびしっと緑の葉が生え始めた樹木を指差した。


 そこにはこんもりとした丸っこい影……が、もにもにと動いている。

 どうやらをピザを食べているらしい。


 絶妙な光加減で影の正体はわからないが、そこにいた。


「ま、まさか木登りを?」

「きゅーい!」


 びっくりー!

 と、ルルは頬をむにむする。


 丸っこい影がびくっと反応して……動きを止めた。ピザを高速で食べ切ったらしい。


(木登りもできないこともありませんが……)


 山のウォリス育ちであるセリスは、ある程度の運動神経を持っている。


 この程度の木登りなら可能――しかし、角から消えて目を離した10秒ほどで丸っこい影は登っていたのだ。


 さすがにそこまでの速度は出ない。間違いなく丸っこい影のほうが木登りは早いだろう。


「くぅ……」


 丸っこい影は少し震えると、枝の上をぽふぽふと走っていった。

 向かう先はすぐ近くの樹木の枝。


「あっ……!」


 ぴょーん。ほんのわずかな距離ではあるが、影は跳躍して隣の樹木へと移っていく。


 そのまま影はさらに進んでいき、どんどんと樹木の枝伝いに闇の中へと消えていった。


「……行っちゃった」

「ですね。まさか木登りから枝から枝へとジャンプできるとは」

「いいの?」


 ふむ、とセリスはフォードの黒髪を撫でた。


「大丈夫です。謎の動物が捕まえられなかった訳が、少し解明できましたから。これは前進なのです」


 えへん、とセリスは胸を張った。

 大人の成果としては充分である。


「きゅーん」

「……うん、モグラじゃなさそうだよね」

「候補はかなり減りましたね」


 もしあの影が精霊だとして。

 魔力らしきものはほとんど感じなかった。


 今、セリスの腕のなかにいるルルよりも弱い。


 精霊のパワーは魔力に比例する。

 あの魔力では身体能力を大幅に無視した行動は不可能だろう。


 つまり元になった動物タイプもまた、木登りが可能だということだ。

 

 成果はあった。影は取り逃がしたが、報告書に書ける内容(報酬に関係する!)は掴めたのだ。

【お願い】

お読みいただき、ありがとうございます!!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、

『ブックマーク』やポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、とても嬉しく思います!


皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになります!!!

何卒、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ファーーwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ