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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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369.大学の不思議な

 2月に入り、大学の後期が始まった。エミリアはルールーからの資料を参考にしつつ乗り切っていく。


 もちろん大学講師としての仕事自体は、軌道に乗れば多くない。

 ので、魔術ギルドの仕事も並行ではあるが……。


 そんなある日。ギルドの事務所へ精算に行くと、フローラから応接間へと呼ばれたのだった。


「妙な依頼が来たのよね」

「ほうほう」

「大学でモノが――食べ物がなくなるという噂は聞いているかしら」

「はい、まぁ……あの大学ならあり得るかなぁと」


 イセルナーレ魔術大学の敷地は広大で、茂みも林も人の立ち入りが少ない建屋もある。


 なにせ馬も飼っているんだし。

 うっかり食いしん坊な動物が住み着いても不思議ではないだろう。


「それがどうも精霊なんじゃないかって」

「……精霊? 大学に通っていますが、精霊の気配はなかったような」


 とはいえ、エミリアの感知力も万能ではない。

 あまりに小さい精霊ならすり抜けることもある。


「そうよねぇ。エミリアさんが察知できないとなると、相当に小さい精霊よ」


 紅茶をひとすすりして、フローラがカップを置く。


「依頼というのは、その謎の食いしん坊を見つけることなの。見つけてどうするかは、その時次第。まずは調査ということらしいわ」

「大学で調べないのでしょうか」

「結構、依頼料が安いのよね」


 ……なるほど。

 大学の正規職員の給料からしたら、見合わない。


 だから外部に安く調べさせよう、ということか。


(大学の運営費は寄付や税金からだから、しっかりしているなぁ……)


「精霊関連かもとなるとやれる人が限られるし……」

「ふぅーむ……。今の大学に詳しいのも少ないかもですしね」

「そうそう。だから声がけをしたのだけれど」


 フローラの口振りからして、エミリアが断ってくることもすでに含んでいそうだ。


 エミリアはそこでひとりの顔が思い浮かんだ。


「……セリスはどうでしょうか?」

「彼女? 確かに……精霊魔術も習得しているわ」

「あとは動物が大好きなので。喜ぶと思います」


 セリスならどういう動物が相手でも真剣に、やれるところまで調べるだろう。


 調査料との兼ね合いは、当人が考えることとしても。


「初夏までに色々とやらなくてはいけなくて……」

「――雲を掴む依頼でもあるし。エミリアさんも後期で教えるのは初めてだものね」



 そして後日。

 エミリアの家にセリスが勢いよくやってきた。


「あの依頼、譲って頂いてありがとうございました……!」


 セリスは感動しながらぶんぶんとエミリアの手を握り、振っている。


「いえ、むしろ押し付ける形にはなっていないかしら……。私が断ってしまった結果でもあるのよ」

「そんな、全然です! いいじゃないですか、謎の動物……もしかしたら精霊なんて!」

「精霊と決まったわけではないのよ?」

「しかし普通の動物なら、さすがに捕まるような……。大学の精鋭からも逃げ続けているのでしたら、精霊かもです!」


 そこでフォードが読んでいる本から顔を上げた。


「どんな精霊なんだろー」

「きゅーい」


 ルルがふにっと羽を掲げる。


「きゅっ」

「食いしん坊なら、お仲間かも……? うーん?」


 そこまではわからない。

 ただ、今のところつまみ食いと隠れんぼ以外の行動はしていないようだ。


 果たして精霊なのかどうか、セリスの調査に期待するしかないだろう。

つまり、これは新しい――。

乞うご期待ください!


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― 新着の感想 ―
犯人自白されとります。 早急に捕まえたってつかぁーさい。 きゅ〜い
食いしん坊な精霊って… あのー正体わかっちゃったんですけど…?
エミリアもピザを持って行かれてますしね。
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