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リオンとアメリア(仮)  作者: 絶対守護天使ちゃん
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第7話 16歳のお嫁さん

 午前の柔らかい日差しが差す中、俺とアメリアの結婚式は行われた。


 場所は屋敷内にある小さな教会であり、神父の立つ壇とそれに向けられるように置かれいた長椅子が左右に2脚あるだけだった。

 大きさでは俺の家にあった教会の方が大きかったが、煌びやかさではこちらの方が数倍上なのは確かだ。何もかもの小物がシンプルながらも素材の良さはわかった。そして、極め付けは正面にあるステンドガラスだ。一面全てがガラスで覆われているくらいに大きく、芸術を超えたそれは神秘としか言えない程に極まっていた。


 それを背にした神父が、前に並んだ俺とアメリアに問う。


「汝リオンは、この女アメリアを妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」


「はい」


「汝アメリアは、この男リオンを夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」


「はい、もちろん」


 二人の誓いの言葉を聞き届けた神父は最後にの祝いの言葉を口にする。


「お二人の上に神の祝福を願い、結婚の絆によって結ばれた このお二人を神が慈しみ深く守り、助けてくださるよう、祈りましょう。


『主よ、あなたはご自分にかたどって人を造り、夫婦の愛を祝福してくださいました。今日結婚の誓いをかわした二人の上に、満ちあふれる祝福を注いでください。二人が愛に生き、健全な家庭を造りますように。喜びにつけ悲しみにつけ信頼と感謝を忘れず、あなたに支えられて仕事に励み、困難にあっては慰めを見いだすことができますように。また多くの友に恵まれ、結婚がもたらす恵みによって成長し、実り豊かな生活を送ることができますように』


わたしたちの主 によって」


神父の言葉とともに、ここにいる全員で神への祈りを捧げた。俺とアメリアに神父、そして、執事とメイドの5人で。


 こうして、俺とアメリアの結婚式は小さく行われた。


「どう?疲れた?」


「やっぱり、見るのとやるのは違いますね」


 式を終えた俺とアメリアは教会の長椅子に座っていた。神父は部屋に戻って行き、ロートンとメイドはこの後のパーティーの準備のために戻っている為、この場はアメリアと二人きりだった。


 屋敷からは離れて建てられている。なのでここは、屋敷の中からの音も届かず、聞こえてくるのは殆どが野鳥の声だ。二人しかいない事がさらに、静けさに拍車をかけた。


「服着替えたい?」


「そうですね、慣れない服は疲れます」


 俺は今着ている服に目を向ける。


 俺とアメリア、二人とも結婚式に合わせた服を着ていた。俺はいつもの一丁羅とほぼ同じだが、アメリアは淡い白色のドレスに身を包み、髪には薄いヴェールが添えられている。


「でも、だめよ」


「知ってます」


 この後のパーティーも同じ服で出ることになっているので、まだ脱いではいけないとロートンから言われていた。そして、脱げないことを知ってるアメリアがからかってくる。でも、この整った雰囲気を味わっておくのも悪くないだろう。一生に一度のことだし。


 「そうだ」


 隣で座っていた、アメリアが席を立ち上がる。立つとともに髪に飾られたヴェールが揺れた。


「リオン、いい所があるの移動しない?」


「はい?」


 アメリアに手を引かれて俺は教会から出た。日は真上から、さんさんと光を降り注いでいた。


「勝手に移動していいんですか?ロートンは待つように言ってましたよ」


「すぐに戻れば問題ないわ、さぁ、早く」


 アメリアは屋敷の方ではなく、教会の裏側に回っていった。土を固められただけの簡易なものだが、道がそこには出来ている。俺らはそれに沿うように進んでいく。


 「アメリア、ドレスが汚れます」


 「私がこんな所で汚すわけないでしょ」


 「そうですか?」


 「そうよ」


 道は、教会の裏手を抜けて、更に横の丘に向かって伸びていた。登り坂になると木で出来た階段が所々伸びている。俺は服を汚さないようにと、なるべく慎重に歩いた。


 登り始めて、少ししたところで道とは違う方向にアメリアが進み始めた。


 「どこへ、向かうんですか?」


 「それは、行ってからのお楽しみよ」


 目的地を聞いた俺に、アメリは微笑みと共に返事をした。アメリアは当然ながらここは慣れいているようで、道が無くともすいすい進んだ。


 「ここよ」


 今いるのは丘の中腹といったところだ。そこでアメリアは止まった。アメリアの後ろをまだ歩いていた俺は急いで彼女のところに駆け寄る。


 「いったい、ここになにが?」


 アメリアに近づいたところで、彼女に聞いた。


 「私じゃなくて、あっちを見て」


 アメリアから目を外らし、丘とは反対側に顔を向ける。


 「これはキレイですね」


 「そうでしょ、ここは私のお気に入りの場所だもの」


 今、丘から見下ろすように町全体が見渡せた。


 実際には声が聞こえては来ないが、何処も賑やかな事が分かった。ここは町の様子を肌で感じることができる。不揃いな道にデコボコに立っている建物、そんな全てが町が生き物であると証明しているようだった。だからこそ、キレイであり、アメリアは気に入ったと思う。


 そんな、キレイな町を見下ろす、アメリアが俺には一番綺麗だった。青空に映える白のドレス、そして、愛でるような優しい瞳をする。一陣の風が吹き、ヴェールが飛ばないように手を当て抑えた。そのまま、アメリアは俺の方に目を向けた。


 「あぁ、本当に綺麗です」


 「リオンなら、そう言ってくれると思った」


 二人でしばらく町を見ていた。町は何処を見ても物語があり、しばらく見ていたかった。しかし、この後の用事がある俺とアメリアは少ししたところで丘を下った。


 結婚式も小さければ、パーティーも小さいものだった。アメリアの後見人コーサスすらも来ていなかった。参加者は誰もこの屋敷内で働いている人たちだけだった。だからこそ、俺はゆっくり、このパーティー楽しむことが出来た。



「それで、不慣れなお酒を飲み過ぎたと」


「はい、すみません……」


 そして、数時間後俺はベットの上でうなだれていた。


 今まで、農民だった俺は良いお酒というものを飲んだことがなかった。今日、初めて美味いと思うお酒を飲んだのだ。最初はゆっくりと味わうようにしてきたが、良いが回ってくればそんな事を気にすることは出来なかった。


「アメリア、もう、俺は寝ますから。部屋に戻ってもらって大丈夫です」


「なにを言ってるの?リオン、あなた酔っているようね」


「酔ってますけど、もう思考は落ち着いて……」


 会場で酔い潰れた時から、少し自分のベットで休むことが出来た。休んでから、そろそろ小一時間たつので、頭もだいぶ鮮明になってきた。


「だって、今日から本物の夫婦なわけだから、寝室も同室になるに決まってるじゃない」


 どうやら、アメリアも酔いがまわっているらしい。アメリアがこれからは一緒に寝るの様な事を言っている。


「アメリアも酔ってます?流石に今日からは急すぎません?」


「私はお酒強いから、あの量では何も変わらないわ」


 確かにパーティーは俺と同量くらいは飲んでいた様に思うがアメリアに終始変化は見られなかった。だとすると、本当に俺はまだ酔いが回っている状態なのかも。


「え?本当に一緒に寝るんですか?」


「夫婦ってそういうもんでしょ。だって、お父様もそうだったもの」


「いや、それでも……」


「もうなんなの?私と寝るのは嫌?」


「いえ、そんなのとは無いです」


「じゃあ、いいじゃない」


 これは酔いと言うよりかは、お互いの価値観の違いが問題なのかもしれない。アメリアは特に思うこともない様だが、俺は言いたいことばっかりだ。それに、今日はお酒も入っていて自分を制御できる自信がない。


「もう、今度はなんなの?悩みこんだりして」


「あ、アメリア、夫婦が一緒のベットで寝るのは、れるだけではない事知ってます?」


「……も、もちろん知ってるわ」


「口づけとかでは無いんですよ?」


「私だって、貴族!キスから先の事も知ってるわよ……お姉さまに教えてもらったもの……って、もう!何、女の子に言わせてるの⁉︎」


 「え?」


 「だから、私そんなに世間知らずにみてるの?それぐらいの覚悟はあるわよ!」


 そう言い放って、俺の唇に柔らかいものが触れた。俺の顔にアメリアの頭が覆いかぶさっている。そう、まさにこれが口づけというものだろう。俺の皮膚の薄い所とアメリアの皮膚の薄い所が触れ合い、アメリアの熱をダイレクトに感じる。


 アメリアのキスには驚いた。でも、その前から俺は驚いた状態だ。それは、彼女がキス以降を知ってる事でもあるが、もう一つ、アメリアにーー『お姉さんがいる』その言葉に驚愕したのだ。


 二人しかいない、部屋のドアを誰かが開け放った。


 「やほー!お姉ちゃんだよ!アメリア、結婚したんだって?おめでとう!!!え!!!!?」


 そうして、俺とアメリアキスをしているところに、姉と名乗る人物が部屋に入ってきたのだ。


 


 


 


これで、ようやくホンモノの夫婦になれました。

次はお姉ちゃんの事を知ります。

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