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氷点下を操りし剣聖  作者: 氷菓
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8/16

ランキング戦 《開幕》

午前5時30分

入学初日に学園側から支給されたデバイスにあらかじめ設定しておいたアラームが鳴った。

「はぁ~、もう今日か」

楓はベッドから身を起こし学園に向かう準備をする。

家を出て学園に向かう途中でティナに出会った。

「お、おはよう」

「おはよ」

「(勢いで挨拶したのはいいけど気まずいな)」

そのまま数十メートル無言の時間が続いた。

やがて痺れを切らしたティナが話しかけてきた。その口から出てきた言葉は思いがけないものだった。

「今日のランキング戦お互いに頑張りましょうね」

「え、今なんて?」

しかし、ティナは何事もなかったかのように足早にその場を去っていった。楓もその後をおった。

学園に着き教室に入った楓を襲ったのは山城のラリアットだった。しかし楓はそれをギリギリでかわした。

「危ないだろ!」

「いやな、ランキング戦当日だから緊張していないかって気になってな」

「そういう山城君が一番緊張してたけどね」

「片山、てめぇ!」

そんな山城を無視して楓は結斗に挨拶をした。

「結斗、おはよう」

「楓、おはよっ」

そこに正装をした先生が教室に入ってきた。

「はーい、皆席に座って」

その一言でぞろぞろと生徒が座っていく。

最後の一人が座ったところで先生が話し始めた。

「これからランキング戦の開幕式が始まります。ひとまず全員、ランキング戦専用アリーナに案内するからついてきて」

楓たちは先生についていった。


アリーナに着いた楓たちはその大きさに驚いた。

「これはすごいね」

結斗がそう言ったのが聞こえたがそう思うのもわかる。

中央に100m四方のフィールドがあり、それを囲うように観客席が七段にもなっている。1000人ほどなら余裕で座れそうだ。

「それじゃあ出場しない子はどこでも座ってきて。席に指定はないから」

そう言われると何人かの生徒がちらほらと座っているが規則性は全くなかった。

「で出場する子はこっちに」

先生は手招きをして五人を自分の方に呼んだ。

全員が来たことを確認して選手控え室に向かった。

選手控え室には五人分のボディスーツと専用の武器が用意されていた。

「先生、なんで普通の剣じゃないんですか?前はそうだったのに」

「あれはテストみたいなものだったの。個人の能力さえ把握出来れば学園側から個人専用の武器を渡せるようになるの。勿論、ランキング戦が終わっても使うことは構わないけどクラスで模擬戦をする時は普通の剣を使ってね」

そう言って先生はにっこり笑って楓たちに武器とボディスーツを渡した。

楓が渡されたのは鞘に入れられた少し長めの片手剣だった。

剣を抜いてみると刀身は蒼白く輝いていた。

「その剣、綺麗だね」

剣に見とれていると結斗が話しかけてきた。

「あぁ、まるでこの世の物じゃないみたいだ。結斗はどんなの?」

「これだよ」

結斗が見せてきたのは手のひらにのった小さな箱のような物だった。

「これは何?」

「これは武器をしまっておくホルダーだよ。主に持ち運びに不便な大きい武器をしまう為に使うって先生が言ってた。武器の出し方はこうやって」

結斗はホルダーを強く握って手を前に突き出した。

「来て、八雲」

すると何も持っていないように見えた結斗の手に2m以上はありそうな巨大な槍が出現した。

「これが俺の武器だよ」

そう言って結斗は軽く振った。それだけでもつむじ風が起こった。

「すごいじゃないか」

「こんなの大したことないよ」

「おい、お前ら」

「どうしたの山城君」

山城は大剣を片手にこちらを見ている。

「もうすぐ開幕式が始まる。行くぞ」

「わかったよ。行こうか、楓」

「あぁ」


会場に行くとすでに白石とティナが楽しそうに喋っていた。

するとこちらに気付いた白石が手を振ってきたので楓たちも振りかえした。

「遅かったね」

白石がそう言いながら近づいてきた。

「ごめんごめん」

「別に怒っているわけじゃないよ。まだ始まるまで時間があるし」

「後どのぐらいだったの?」

「1分20秒。ギリギリだよ」

「それは間に合って良かった」

楓はそっと胸を撫で下ろした。

「皆、もう始まる。並んで」

珍しくティナがしきってそれに従った。

「まもなく開幕式が始まります。出場する選手はクラス別に並んで下さい」

アナウンスが流れ続々と生徒が並び始める。

全員が並び終わると再びアナウンスが流れた。

「それでは只今よりランキング戦開幕式を行います。理事長よりお言葉を」

あらかじめ用意されていたステージに理事長が上がる。

「生徒諸君、久しぶりだね。今日のランキング戦思う存分に力を発揮してくれ。以上だ」

話し終えると同時に盛大な拍手に会場が包まれた。

理事長は静かにステージから降りた。

「ありがとうございました。続いてランキング戦の説明をします。出場する選手は80名。会場はここを含めて5ヶ所。まず最初に各会場16名トーナメント方式で行います。次にそこで1位だった者5名でこの会場で戦い最後まで生き残った者が優勝です。ランキングは戦闘映像などで決定します。ではモニターにトーナメント表を表示します」

表示されたトーナメント表を見て楓は少しワクワクしていた。なんせ一回戦があの生徒会メンバーだったからだ。

「(あの会長絶対腹黒いだろ)」

そう思いながらトーナメント表を再び見たが幸い同じクラスのメンバーはいなかった。

「それじゃあ行きますか」

楓は楽しみにしながら会場に向かった。

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