選ばれた五人
先生はその話だけするとすぐに出ていった。
「しかし、俺とお前はちゃんと五人に選ばれたな」
そう言って山城が俺の席に近づいてきた。
「そうだね」
「でも他のやつは全然知らねーんだけど」
山城は俺の前の席にこちらを向いて座った。
「俺は一応、二人は知ってるけど。1人は確か模擬戦前に先生に」
「あ~、あの女か。じゃあもう一人は?」
「もう一人は俺が模擬戦をする前の練習で一緒に練習した子だよ。名前は」
「片山結斗」
そう後ろから声がした。
「うわっ、びっくりした。おどかさないでよ、結斗」
「ごめんごめん。名前忘れられてるかと思ったからついね」
「忘れてる訳ないだろ」
「そう。それは悪かったな」
「おいおいお二人さん、俺をおいて勝手に話進めんなよ」
「まったくよ」
「「「え!?」」」
今度は別の声が聞こえた。
「し、白石さんがなんでここに?」
「なんでって。クラスが同じなのにいたら悪いかな?」
「いや、悪くないです」
「で、何の話していたの?」
「次のランキング戦だよ」
結斗が陽気な感じに答えた。
「ふーん。出場するのはあなた達三人と私、それとティナさんだったっけ」
「私に何か用でもありますか?」
声がした方を向くと一人の少女が歩いてきた。
「え、えーと、ティナさん?」
「そうだけど」
「つまりこれで全員か」
お互いがお互いの顔を見つめあう。
そこに帰って来た先生が歩いてきた。
「皆、今日の放課後格技場の一階に集合ね。遅れたら駄目だよ」
そう言ってまたどこかに行ってしまった。
「あの人って、結構自由だよね」
「「「「確かに」」」」
午後3時30分
「てか、あの先生連絡ぐらいちゃんとしろよな」
「全くね。終わりのHR待ってたらひょっこり来て『あれ、皆なんでまだいるの?今日はHR無しって言わなかった?』なんて」
「先生としてまずいだろ」
「それより急ぎましょう」
俺たち四人はティナの言った通り急いで格技場に向かった。
着いた頃にはほぼ全員と言ってもいいぐらい揃っていた。
「お、どうやら最後の一クラスが来たみたいだね。人数が足りないところもあるようだけど始めようか。まず司会は生徒会長の宮原が務めます」
その時点で自然と全員に緊張が走った。
「私から言えることはひとつだけ。ここにいるのは、クラスで選ばれた上位五人だけ。だから、それに恥じないようにランキング戦頑張ろう。試合の説明は明後日からのランキング戦初日にあるから。今日は以上、解散していいよ」
俺たちは唖然とした。
もちろん他のクラスの同級生達も驚きの表情を隠せないでいる。
しかし上級生達は何事もなかったかのように帰っていった。
「俺たちって何の為に必死に走ったんだろ」
「まあ良いじゃねえか。明後日のランキング戦のアップだと思えばよっ!」
山城は俺の背中を叩いてきた。
「痛いよ」
「山城君、それは早すぎるけどね」
俺たち男子は笑いながらその場から帰った。




