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氷点下を操りし剣聖  作者: 氷菓
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模擬戦 後半

「モード解除」

山城がそう言うと、俺が落とした無数の刃が小さな光となり、山城のもとへ帰っていく。

やがて、全ての光が集まり最初の剣の状態に戻った。

「山城君はどうしてこの学校に?」

俺は少し気になったことを質問してみた。

「俺に勝てたら、教えてやるよ!」

山城はそう言って走ってきた。

「モード野太刀」

山城の剣が太い太刀に変わり、そのまま俺に斬りかかる。

迫り来る太刀を俺は二本の細剣(レイピアで受け止めた。今の山城の変化(チェンジ 野太刀は荒大剣(タイラントソードに比べたら、威力は劣る。だから、荒大剣(タイラントソードを止めた氷壁なら簡単に止められるだろう。しかし俺は氷壁を出す時間がなかったのだ。

野太刀の攻撃速度は荒大剣(タイラントソードのおよそ2倍近くになるため、氷壁を出していれば間に合わずに斬られていた。

「そんなに大きいのに攻撃速度は速いんだね」

そう言いながら俺は、両手に持った細剣(レイピアを見る。少しヒビが入っていた。

(もう変えどきかな)

そんなことを思いながら山城を見ると、どうやらさっきの俺の言った言葉に対してずっと喋っていたようだが全く聞いていなかった。

「それで、っておい聞いてんのか」

「ごめん、聞いてなかったよ」

俺はすかさず剣を構え、気を引き締めた。

「今度は俺からいかせてもらうよ」

俺は一瞬で山城の懐まで潜り込んだ。

「桐原流剣術基本の型 天燕」

左手の剣で一振り、すかさず同じ場所に体を捻りながら右手の剣を振り下ろした。

「ぐっ」

山城は野太刀では受けきれずに後退した。

俺は追撃するために剣を構え直した。しかしその時、

パリン

俺の持っていた二本の氷の細剣が音をたてて壊れていった。

「どうやら、お得意の剣技もその様子じゃ使えねーな」

山城は勝ち誇ったかの様な笑みを浮かべた。

「これで俺の勝利は決まったな」

「アハハハハ」

「何がおかしい!」

「俺の変化(チェンジを忘れたのか?」

そう言うと右手に新たな氷の剣が出現した。

「なんだ、ただの片手剣か。そんな剣一本で勝てるとでも?」

「これが一番扱いやすいんでね。それに今からは能力も使わせてもらうよ」

俺は剣を少し振った。

「なんか寒くないか?」

「確かに、急に気温が下がったような」

観覧席で見ていたクラスメイトがそんな事を話していた。

「これが本来のお前の変化(チェンジか、その辺にいるやつとは能力の規模が違うな。これが最終決戦ってやつだな」

山城は野太刀を構えた。

「君は、剣を変えなくていいのかい?今の君じゃその太刀では(の攻撃を防ぎきれなくなるよ」

「言うじゃねーかよ。俺が負ける訳……」

(待て、こいつの一人称って俺じゃなかったか。でもさっき僕って言ったよな。それに能力を使ってからこいつの雰囲気変わったよな。なんなんだ、こいつ)

「あ、言い忘れてたけどフルに能力を使ったら人格が変わるんだ。変化(チェンジが強すぎる故の副作用ってところだね」

「なるほどな」

「それにさっき最終決戦って言ってたね。それは間違いだよ。こっからは、一方的な殲滅だよ」

僕は笑った。

「なにを」

ビュン

僕は猛スピードで山城の懐に飛び込んだ。

「こういうことだ」

右手の剣を山城に向け振った。

「ぐわっ」

威力に耐えきれず壁まで吹き飛ばされた。

「な、なんて力だ。力の差が大きすぎるか」

山城は障壁プロテクトがボロボロになりながらも立ち上がった。

「だが、俺は負けねー!」

剣を構え走ってきた。

「馬鹿か」

僕は山城に向け左手をかざした。

「貫け、氷針アイシング

そう言うと背後に数十の氷の針が出現した。

「行け」

僕が号令をかけると全ての針は山城に向かっていった。

「そんなもん全部叩き落としてやる」

山城は残り僅かな力をふりしぼり剣を構えた。

一つ、二つと山城に氷針が迫る。それを山城は慎重に一つ一つ壊していく。最後の氷針を破壊したところで山城は膝をついた。

「もう勝負ありみたいだね」

俺は元の人格に戻っていた。

「ま、まだやれる。絶対お前に勝ってみせる」

山城が立ち上がろうとした時だった。

「もうやめて、兄さん!」

観覧席から声が聞こえてきた。

「美優か、俺を止めるな。俺はもっと強くなってお前を守れるようになりてーんだ。だから、今は止めるな」

そう言って剣を構えた。

「まだやるの?」

俺は山城に聞いた。

「当たり前だ、障壁プロテクトが壊れるまでやらなきゃ勝負の意味がないからな」

「そう、なら良いんだ。これで最後だよ」

俺は左手が地面に着くまで前かがみになった。

「モード聖剣エクスカリバー」

山城の剣が光輝いた。

「これが今、俺が使える最上位の武器だ。全力で行くぞ」

「行くよ」

俺は一気にスピードを上げて走った。

「おらっ」

山城が剣を横に薙ぎ払った。すると、剣先から雷が放たれ剣の軌道に沿って俺に向かってくる。

「桐原流武道術 車輪返り」

俺は近づいてくる雷に対して一歩手前で左手を着きそのまま左手で上に飛び空中で雷をかわし体勢を整えスピードを殺さずに着地した。

「武道術まで使えんのかよ。強すぎだろ」

山城はそう言い剣先を俺に向ける。

雷帝サンダー閃光ボルト

今度はまるでレーザービームの様な技を出してきた。

「これで決める。桐原流片手剣術 空斬そらぎり」

俺は剣に力を込めて山城の技に向け剣を振り下ろした。すると、斬撃が飛び山城の技を真っ二つにした。放たれた俺の技は威力を落とさず山城に突っ込んだ。

ドオン

「そこまで!」

先生が終わりと判断し、勝負を止めた。

「勝者、桐原楓君」

見ると、山城の障壁プロテクトは二つに割れていた。

「では、これで全員の模擬戦が終わりましたねぇ。それじゃあ教室に戻りましょうか」

そう言って先生と生徒たちは格技場を後にした。

「俺たちも出ようか、山城君」

「お前に負けたのは悔しいけどな」

倒れていた山城に俺は手をさしのべ、山城はその手をとってくれた。

「これからは同じクラスだよ。一緒に頑張ろう」

「あぁ。卒業までにはお前より強くなる」

「期待してるよ」

そんな会話をしながら、俺たちも格技場を後にした。

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