初お泊り①
只今私は神谷さんのお家に来ています。
今回、田邉さんが神谷さんに交渉したあの日から神谷さんに1泊するなら家に泊まった方が費用も削減できるし、俺も嬉しいから泊まってほしいと言われていた。
だが、お付き合いもしていない人の家に泊まるのはどうなのか、と森ちゃんとも話して。
「先輩がいいならいいんじゃないですか。てか、付き合えばいいんですよ2か月とかあっという間ですし。」
などと言われながら、そして神谷さんに押されるかたちでお泊りが決まった。
「綺麗な部屋ですね。」
男の人にしては整頓されているように見える。
「俺もの少ないですし、西崎さんが来るってなったら1日かけて掃除しましたよ。」
ソファに座ることを促されながら、話した。
「コーヒーとお茶どっちがいいですか。」
「あっ、お茶で。私コーヒー飲めないんです。」
「えっ、可愛い。」
なぞに感動されながらお茶を頂いた。
「部屋決まってよかったですね。」
「はい、今日は本当にありがとうございました。」
「全然、そりゃ女性一人はちゃんと見とかないといけないですから。俺も行く事になると思いますしね。」
不動産を見ている時は、ため口で名前呼びだったからなんか寂しく感じた。
「神谷さん、今は名前呼んでくれないんですか。」
「えっ、いいんですか。」
頷いた瞬間、抱き着かれた。
「鈴音さん、それとも鈴音。どっちがいい。」
耳元で囁かれてドキッとした。
「まだ鈴音さんで。」
「可愛い、じゃあ俺も仁って呼んでください。」
「仁さん。」
呼んだ瞬間にまた抱き着かれてビックリした。
「もう、好き過ぎる。でもちゃんと約束は守りますからね。」
そう、今回のお泊りの約束は神谷さんからは手を出さないというものだ。
お泊りしてほしいと言われて、ホテルをとるといった私に自分を警戒しているのかと思った神谷さんが、自分からは手を出さないから、それが守れなかったらすぐにホテルをとるからと言われた。
抱き着くのは大丈夫ということにしている。
反対に考えると私からは手を出していいというものだ。
「私が手を出した場合はどうするんですか。」
「えっ」
困っていて可愛い。
「鈴音さんから出されたら、俺拒否できないですけど俺からは手は出せないんで」
「じゃ、されるがままってことになりますよね。」
顔を覗き込んだら、仁さんは真っ赤な顔になっていた。
私って、Sではないと思うんだけどなって思いながら、彼の頭を撫でた。
「もう俺のこと遊んでるでしょ。」
年上の彼が可愛すぎた。




