内見 1件目
あれから忙しくなって、2週間たった週末に神谷さんと内見に来ている。
「ここが、1件目になりますね今回見るとこ全部オートロックになっているので彼氏さんも安心ですね。」
不動屋さんの営業さんがチャラすぎる。
会って早々に「同棲したらいいんじゃないですか、物件選びなおしましょうか。」と言われて引いている。
「そうですね、可愛いんでそういうこと気になりますね。」
神谷さんはノリノリで営業さんと話していたので、こっちもさすが営業と思いながら眺めていた。
1件目は、2階建ての2LDKのそれなりの築年数が言っている物件で、工場からすごく近いので通勤には最適。
「外観結構なんですけど、室内綺麗なんで。」
案内されたのは一階で、小さな庭が付いている。
「そうですね、室内結構綺麗ですね。」
全室見たがそれなりの広さがあって、綺麗なんでいいなと思った。
「両隣ってどうなんですか。」
「両方埋まってまして、片方はご夫婦で片方は独身の男性ですね。」
神谷さんは、外の庭を見ながら質問をしていた。
「そうですか、ここ結構人通り多いんですね。」
住宅街の中ではあるが、結構大きい道に接していた。
「ここは駄目ですね。」
「なんでですか。」
神谷さんは、私に近づいてきて小さな声で言った。
「1階だし、庭の柵が低いので隣から入り放題だ。」
言われてみればと思い庭を見る、柵は腰までの高さしかなかった。
「ここって、2階に空き部屋はないんですか。」
「そうですね、今は満室です。」
「やっぱり1階は防犯面でちょっと。」
なぜか神谷さんが営業さんに断りを入れていた。
「そうですよね、女性には不向きでしたね。次行きましょうか。」
営業さんに促されて、部屋を後にした。




