表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/62

第45話 自宅酒でおつまみ煮卵

 祭りは最高だった。


 大変どころで終わらない苦難もあったが、万智子の心は歓喜に満たされていた。感嘆なため息が出るほどに。


 たった一日でも数時間の夢のような時間だったが、本気で愉悦に浸っていたかもしれない。


 アフターは今回、それぞれの予定があったため打ち上げは別日にしようということになり。


 万智子は戦利品という『本』を抱えながら自宅に帰ることにした。この感動を是非とも覚と共有したかった。



(さっき連絡したら、おつまみ用意しとくって言ってたし……なにかな? 味噌漬け? サラダチキン??)



 どちらもよく冷蔵庫にある常備菜ではあるが、今日のために多めに準備していても覚だったらおかしくはない。それはそれで非常に楽しみだと、戦利品を粗末に扱わず、丁寧に抱えてから帰宅していく。


 玄関を開けたら、ぷん、と、なにやらいい匂いがしてきた。スパイシーな香りということは。



「ただいま!」

「おかえり~」



 夕飯もまだなので、そっちはカレーのようだ。キーマカレーではなく、おうちカレーの香りだったから、容赦なく万智子の胃袋に刺激を与えてくる。リビングに入ると、もうセッティングされていたため、万智子は戦利品を部屋に置いてきてから手を洗った。



「もう、今日は最高だったよ~~」

「その顔見てすぐにわかるよ。俺、大渋滞くらいの人混みは苦手だから、行けんくてごめんね?」

「大丈夫。売り子とかは分担してたから、なんとか出来たし」



 釣銭計算に時間をかけたのは仕方がなかったものの、概ね、客は皆慣れている『オタク』たちだから……万智子が慣れていない人間だとわかってくれて、『ゆっくりでいいですよ~』と宥めてくれるくらい優しい人たちばかり。


 もこもこや詩音の作画した合同誌がメインだろうに、万智子も参加したということで来てくれる客は多数いた。


 結果、通販へは追加で印刷しないと足りないくらいの残数となった。ので、初回にしては高評価過ぎる売り上げを獲得したのだ。分配と印刷代金は後ほど、もこもこと詩音が確認してくれることになり……今日はそれぞれ満足げな顔で解散になれたのだ。こんな嬉しいことはない。



「「いただきます」」



 まずは、くたくたになった胃袋へ十分な栄養を行き渡らせるため……おうちカレーを堪能する。夏によく食べたキーマカレーも美味しかったが、市販のルゥを使って野菜と肉がごろごろ入ったカレーも大好き。


 皮むきが面倒なので、一人暮らしのときはチルドの野菜を見ても作ろうとはしなかったが。手間暇を惜しまない覚は気分転換がてらに料理をするのが好きらしいから問題がない。今日のカレーは豚肉を使ったカレーだった。



「温泉卵とかチーズないんだね?」

「ふふふ。飲みに期待しててっていったでしょ? カレーはお腹を落ち着かせるための前座さ」

「前座?」

「まあ、とりあえず。ルゥの残りは明日の朝にするとして。食べ終わったら、用意してあげるよ」

「??」



 カレーで飲みではないようなので、しっかりと味わうようにして食べたら。


 軽く食器の片づけをしたあと、覚は冬の定番になってきた『熱燗』を仕込んでくれた。と言っても、レンジ対応の酒器で作れるものなので、やけど注意以外は大丈夫な作り方。


 そして、冷蔵庫からタッパーを次々と取り出して、皿に盛り付けてくれたものはなんと!!?



「昨日から仕込んでいた、煮卵も追加~」

「わざわざ煮たの!?」

「いやいや? ゆで卵の時間だけ注意したら、めんつゆにキッチンペーパーかぶせてしみ込ませただけ」

「えぇえ??」



 半分にカットしてくれた煮卵は、どう見ても手の込んだものだと言わんばかりの浸かり具合。


 なのに、その手間だけで作れると言うのか。味に期待が膨らんでいく。


 ほかのつまみはいつもの常備薬以外にも、酢の物もいい浸かり具合になっているたたききゅうりとかも用意されていた。それと夏じゃないから高いだろうに、わざわざアボカドの漬けも。


 もう一度、手を合わせて……熱燗をひと口含んで、ほっと息を吐く。覚と生活するようになってから、日本酒を飲むようになったが。アルコール度数はたしかに高いが、飲み方を気を付けていれば本当に美味しい酒だと理解できた。


 そのあてに、まずは気になっていた『煮卵』をひと口。


 漬け込み時間以外は、さっと仕込んだだけと言う割には……ちゃんと白身も黄身もめんつゆの味がしっかりと浸透していて美味しいどころの味ではなかった。


 至高、と言っていいくらいの仕上がりに。



「ど?」

「うっま……お酒ともすっごく、合う~~」

「角煮とで作ろうか悩んだけど。ゆったり飲むのに時間使うなら、漬けでも十分かなって思ったんだ」

「……角煮は時短じゃ無理でしょ??」

「それが……出来ないわけがないのだよ、マチちゃん」

「……気になるけど。今度お願いしてもいいかな?」

「もち。あれ作るの久しぶりだけど、コスパは肉の質くらいかな? 気にするの」

「塊肉??」

「豚バラのね? セール品とかあんまり出ないけど、週末あたりに業務スーパー行くか~」

「ついてくついてく~~」

「ん。ほかの買い出しも行こうか?」



 『祭り』は終わって、いつもの日常に。もうすぐ、年末を迎えるが落合夫婦の日常はまだまだ続くのだ。


 ひとまず、万智子は覚と決めた貯蓄運営を少しずつ始め。ある程度貯まったあたりで、食費貯金用の通帳に移そうとも話し合いで決定したのだった。


次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ