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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第40話 新幹線でおつまみチーズポップコーン

 覚との新婚旅行の準備は順調とは言い難かった。


 万智子は万智子で出来る限りのおしゃれ着を詰め込もうとはしゃいでいたし。覚もそこは似た感じでいた。


 そこへ移動は交通機関ということもあって、おやつなどの間食を『手作りしよう』と至ったのは何故か。少しだけ移動時間が長いというだけなのに……こだわりというかなんというか。



「ちょっとの移動でも、旅の楽しみをマチちゃんにも味わってほしいからさ?」



 少し早めの朝ご飯を食べ、あとはそれだけのためにフライパンと向き合っている。



「それにしたって。ポップコーンをわざわざ手作り??」



 塩と油に固いトウモロコシの粒を入れて、蓋をして焼くというか蒸す方が正しいのだろうか。


 料理初心者の万智子にはまだまださっぱりなので、ポップコーンが出来るのを見守るしかない。と思っていたら、『ぽん』と弾ける音が聞こえてきた。


 何度も強く弾ける音がすると、ときどき蓋を押さえながらフライパを揺すり。弾ける音に少し間が空いてきたら火を止めた。



「これで焦げないポップコーンの出来上がり……だけど」

「だけど?」

「フレーバーは好き勝手にしていいのが、手づくりの醍醐味!! 今回は少しつまみっぽい味付けにします!」

「おお!!」



 出来上がったあちあちのポップコーンも味見させてもらったが、それだけでも美味しかったというのに……さらに、味付けとはどんな感じになるのか。クレイジーソルトと粉チーズに黒コショウ。絶対飲みに向いた味付けだと、納得が出来た。


 それを二重の紙袋に入れ、ほかの準備が整ったら駅に向かう。


 今回は、新幹線で軽井沢に向かうのだ。冬に近いが、温泉施設と食事プランのラインナップの多さが目当てで選んだわけである。


 荷物もあるので、途中までは車で移動し。飲み物とかを調達してから、新幹線のホームに。最近は紙のチケットがなくても、スマホのICカードに登録しておけば改札も楽なので便利である。



「北陸新幹線って、この間も使ったのにね~」

「ちょい張るけど、楽でいいっしょ? 旅行には」

「だね?」



 買った飲み物はノンアルの缶ビール。飲みの本番は宿に着いてからなので、行きでは飲みっぽく楽しむだけにしようとの、覚の提案。プルタブを開けるタイミングで動き出したので、軽く缶をかち合わせてから飲むとノンアルなのにアルコールを感じた気がした。



「さて、冷めてからの出来栄えは」



 手づくりポップコーンを広げやすいように、外側の紙袋を折ってカゴに仕立てるのは器用過ぎだろうと言いたかったが。そこにさーっ、と流れるように入れてくれたポップコーンはほんのり黄色がかっていて、『食べて食べて』と言わんばかりの出来栄え。


 ひとつ手に取り、ひょいっと、口に運ぶと。


 朝の出来立てとはまた違った、おつまみらしい味に仕上がっていたため、すぐに缶を煽った。



「サックサクで、しょっぱさが病みつきになるよ!! コショウのピリッとしたところに粉チーズなんてギルティそのものじゃん!!」

「ん。クレイジーソルト入れたのも正解だな。少し、ハーブの風味も利いているから美味しい」

「ね。これ、市販でも売ってないのかなって、思っちゃう!」

「そういうのって、ポテチとかが多いからね」

「ポテチ……言われてみると、結婚前はかなり買い込んでたのに。今は全然だな?」

「間食取らなくてもいいくらい、仕事とか食事が満たされているんじゃない?」

「だとしたら、さとくんのおかげだ~~」

「どういたしましてー」



 特にダイエット志向の食事をメインにしているわけでもないのに、体型などもスッキリしてきたと思う。晩酌だって、そこそこするけれど……それでも、覚の時短レシピメインの食事が美味しくて満足のいくものばかりだからかもしれない。


 その上、こもりっきりの生活にならないように、適度に外出にも誘ってくれている。今回の旅行は『新婚旅行』ではあっても、温泉施設のある観光地に向かうのだから楽しみで仕様がない。


 食事以外にも癒され要素満載。


 昼頃には到着予定なので、ランチの予約なども先に覚が済ませてくれている。出来た旦那とは、こういうものだろうと、何回思ったことか。


 まだまだあるおつまみポップコーンを食べ進めていくと、飲み物が先になくなるとは思わず。ふたつめを開けるべきかどうか、非常に悩んだ。



「むむむ。ここは、普通のお茶にすべきか」

「どっちも利尿作用あるから、適度に飲んだ方がいいよ?」

「む~~。じゃあ、夜しっかり飲みたいからお茶かな?」

「ほい。麦茶」

「ありがと」



 がぶ飲みし過ぎると、たしかにトイレに行きたくなるのであまり飲み過ぎない方がいいだろう。


 サクサク、ポリポリとつまんで、少し飲むを繰り返し。ときどき、覚との会話が弾んだらあっという間に時間は過ぎていき。


 ポップコーンが完全になくなる頃には、あと一駅で軽井沢に到着する時間になっていた。



「ほかにもつまみ考えたけど。ランチのこともあるし、軽く空かせる程度でよかったかもな?」

「軽井沢の美味しいもの……山の幸と、お肉?」

「一応、そんな感じ。夜の方がもうちょっと豪勢」

「楽しみ~~」



 ランチの店と宿の距離はそこまで離れていないため、まずはチェックインと荷物を置くのに宿の方に向かったが……外装を見た途端、奮発し過ぎでは?と、万智子は口を大きく開けそうになった。

次回はまた明日〜

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