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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第4話 長い付き合いはSNSから

 SNSの中でも通称『つぶやき発信』とも言える、お手軽ソーシャルメディアで知り合った覚と万智子だが。


 当然、本名で知り合ったわけではない。ネットワーク環境の恐怖も潜む中で、堂々と本名を晒すのは危険行為。なので、オフ会で顔を合わせるまでは『アカウント名』で互いを呼び合っていた。


 繋がったきっかけは、共通の相互フォロワーとのつぶやきながらの会話の中で『兼業作家さんがいるよ~』と教わったのだ。



(ほうほう? 山垣朝人? 聞いたことあるような??)



 と思って検索したら、二次創作にはあまり需要がないが一次創作の中ではそれなりに名を知られている商業作家だった。つまりは、プロ作家。漫画ではなく小説家だが、原作担当でコミックもいくつか書籍になっている。


 まさしく、雲の上の存在と出くわすとは……と、このときの万智子は同人作家では底辺部類なのでお近づきしていいのか非常に悩んだ。悩んだけれど、チャンスは少しでも無駄にしたくないからと、相互さんに紹介してもらったのだ。


『はじめまして~。商業はしてるけど、普通に会社員もやっているから気軽に話しかけてほしいな?』


 通話機能がない方のSNSでのやり取りだったが、なかなかに好印象な文面。偽っているにしても、相互さんの知人とくれば『良い人』の印象が強かったので素直にあいさつを返すことにした。ちなみに、万智子の名前は『三ツ星さーや』だった。苗字などをいろいろ崩した結果、少し痛い名前になったが変えるのが面倒でこのままにしたのだ。


 なので、山垣からも『さーやちゃん』と無難な呼び方をしてもらったのである。


 話題は創作内容ではなく、普段の食べ物とか外食先などのグルメばっかりだったが。互いの趣向が合い過ぎて、最初は敬語を使っていたのにいつのまにか外すくらい。そこから、ダイレクトメッセージなどのやり取りも進んで、万智子のネームやプロットを見てもらう機会もあったりなかったりをしながら。


 なんと、五年もの長い付き合いになったのだ。オフ会しようにも、都内にいる山垣とは違って万智子はまだ高校生だったのと地方出身。大学から上京して、就職したあとにようやくオフ会したのである。


 それがまさか、結婚前提のお付き合いをするとは思わないでいた。そこから電撃結婚とも言える数か月後の入籍ゴールインまで。


 というのも、引っ越しの準備が整うまでに、覚が語ってくれたのだが。ちゃんと理由があるらしく。



「一回目と二回目で見違えたように綺麗になったから、惚れたんだ」



 たしかに。大学最後あたりは適当な私服を着ていたような気がしたが。社会人スタイルは帰社後のこともあって、フォーマルな服装をしてたし、化粧直しも一応していた。だからか、印象が違っていても当然。けど、覚にはそれだけで十分な理由だったらしい。


 SNSや一回目のオフ会のときには、『可愛い妹分』程度に思っていたのが、ロックオンするくらいの獲物になるなんて思ってもいなかったと。それは、万智子とて同じだ。信用はしていたが同棲するくらいの信頼を預けていい男性に巡り合えるとは思ってもいなかったので。



「結構お互い単純?」

「人間、案外そんなもんだよ」

「で? 断捨離をさらに頑張れと?」

「電子書籍は俺のタブレットに全部入れてあげるから。紙書籍でも数回で読むのやめたのは売った方が無難。俺もそうした」

「どんくらい?」

「千冊」

「やります」



 兼業作家と言えど、収入は不安定。それでも、会社員としての収入もあるからヘロヘロ社員でしかなかった万智子を嫁に迎えてくれるというのだ。好きなことを目いっぱいしていいというオプション付きで。


 おまけに、自炊の手ほどきもしてくれるというのだから、これを機にちゃんとご飯を食べれるようになるという神物件みたいな事態が起きているのだ。万智子もこのチャンスを逃すわけにはいかない。


 実家には婚姻届の承認欄のひとつに記入してもらうときに、入籍したい報告をした。母には覚のことはちらっと話してはあったが……まさか、いきなりの対面で好印象を持たれるくらいに彼があいさつなどの対応をしてくれたので喜んでとペンを持ってきた。父ははやくに成人病で亡くなっているため、簡易的な仏壇の前でふたりで線香を上げた。


 落合家も少し似た家族構成らしいが、兄弟とかについては自立しているので義母のサインをもらうときには土産を持ってきちんとあいさつした。カチコチだったと思うが、そこそこ気に入ってもらえたので……帰りには近所からの貰い物とかを紙袋ふたつ分になるくらい持たされたのである。


 そうして、万智子は寿退社ということで内定をもらって一年弱だった会社を退職し。


 晴れて、満永万智子から『落合万智子』と苗字が変わって入籍を済ませたのだった。


 俗にいう各所の手続きが大変過ぎて、二日くらいは忙殺されたのあとには覚の美味しいご飯が待っていたので……帰宅してから、彼の背へ突撃したのである。

次回はまた明日〜

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