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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第3話 つまみにもなるアボカドサーモン丼②

「マチちゃんに質問だけど」

「なに?」



 卵とマグカップを手にしたので、なにをするのか聞くのに少し緊張した。万智子に割れと言う感じではないらしい。自炊低レベルの万智子が実行すれば、殻を細かく粉砕して黄身白身がぐちゃぐちゃ間違いなしだからだ。



「レンジで温泉卵出来るの知ってる?」

「出来るの!?」



 そんな時短レシピ、初耳。万智子の知るグルメ番組などでも見たことがないので、思いっきり首を横に振った。覚はにやりと笑ったあとに、片手で卵を割ってマグカップへ。そこに水を少量かぶるくらいに注いだ。



「様子見ながらだけど、500Wでも20秒くらいかな?」

「それだけで?」

「あと、爆破防止に黄身に箸か楊枝で数か所穴を空ける」

「ほーほー?」



 ふたり分用意してからレンジへ。様子見しつつ、白身が適度に固まってきたら時短の温泉卵の出来上がりだ。これは知らなければ、わざわざ生卵を落としてカップ麺を食べていたよりはるかに映えるし、美味しい代物。


 水を適度に捨てたあとには、もう仕上げに移る段階だ。



「アボカドは脂質多いから、大葉を刻んで、海苔も少々。丼にご飯を盛って、ふたつを適量」

「てっきりサラダ野菜使うと思った」

「『飲み』だから、今日は控えめかな?」

「え? 飲んでいいの?」

「簡単だけど、祝いだし?」

「……そーね」



 それなりに浮かれているのは覚の方が上だとしても。万智子も拒否感はないので、少し気恥しいだけだ。次に冷蔵庫から出したアボカドのボウルをサーモンの袋と一緒に出す。ボウルにサーモンを開けて、適量の醤油と混ぜたら丼に。


 なるべく同じ量にしたら、少しくぼませて温泉卵を投入。これで完成。



「んじゃ。軽めのビールで」

「飲もう、食べよう!」



 箸よりスプーンがいいからと、前に百均あたりでセットになって買ったスプーンを。ダイニングテーブルはないので、ちゃぶ台サイズのローテーブルでくっついて食べるようになるのは仕方がない。もともと、薄給も覚悟でひとり暮らしは節約して過ごしたいのは同人活動に多大なお金を傾けていたからだ。


 覚と付き合うようになってからも、ネーム確認はしてもらったりで指摘などは何度かもらったがどれも適格。料理も出来て、仕事も素晴らしい人材。


 まさに、神かと言いたくなるようなレベルなのは、万智子が色々生活レベルが低いせいもあっただろう。この部屋も彼と協力して断捨離含めて結構なゴミを処分したのだ。なので、生活らしい生活を送れるようになったと言ってもいい。


 とりあえず、休日でランチしつつの飲みは自宅だからこそ自由でいい。


 冷やしておいた缶ビールのプルタブを開け、乾杯と覚のと合わせた。一気飲みしてもとやかく言い合う仲ではないので、お決まりの『ぷはー』も文句はなし。



「温泉卵で混ぜる前に、まずはサーモン食べてみて?」

「うんうん。……あ、美味しっ」



 言われたとおりに食べてみたが。たしかに、塩のしょっぱさよりはまろやかさが前に出ている気がした。ゆず胡椒の辛みともよく合い、醤油をほんの少し垂らしただけでも十分な味付けが出ている。そこにアボカドを足すと、クリーミーな脂肪分で口を優しく満たしてくれる。そこに、ビール、と追加すれば言うことはない。



「塩麴は歴史ある調味料だからね。健康調味料というよりも、もっと身近なものだったらしいよ」

「それで、さとくんは自作?」

「まあ。小説のネタにもなるし。植物育てるよりも楽かなって思った程度」

「あは! 植物育てるよりって」

「枯らすの早いんだよね……」

「意外な一面発見」

「俺のことはいいでしょ。それより、そろそろ温泉卵どーぞ」

「はーい! ……ビクトリー!!」



 出汁に浸かっていない温泉卵を食べるのは久しぶりだが、手づくりなのにサラダなどで使うあのとろっと加減がそのまま再現されていた。アボカドもだが、サーモンがより一層まろやかに感じて……これは、しっかり混ぜたら米が合うと信じて実行すれば、さっきの言葉が思わず出たのだ。



「30分くらいは漬けておきたかったけど。今冬終わりだから、冷蔵庫で冷えるの早いな?」

「ほんとはどれくらいがいいの?」

「最低二時間? 晩御飯向きなら、前日仕込むとか。俺はそっちの方が好き」

「……これって。まぐろでもおk?」

「おkおk。割となんの刺身でも合うから色々やろうか?」

「アボカドはあたしに合わせて?」

「好きっしょ?」

「うん」

「まあ、今は時期的に高めだからしょっちゅうはしんどいかな? アボカドは」

「……節約生活?」

「いやいや。旬のもの取り入れる方が美味いものを効率よく食べれるだけ。塩麹は冬だと二週間作成に時間かかるし」

「めんどくない?」

「まあ、最初ほど苦じゃないかな?」



 汚物部屋状態にしていた万智子のここを綺麗にしてもらえただけでなく、用意周到なまでに婚姻届を持参してくるくらい。短期間だというのに、SNSでのやり取りがそれなりに長かったからこその信頼があったせいだろうか。


 付き合い出して二ヶ月前は数回のオフ会だけだったが、ふたりの出会いはSNS上だと5年も前の出来事から始まったのだ。

次回はまた明日〜

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