表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/62

第29話 お土産で贅沢混ぜうどん

 うどんと言えば、讃岐国と言わんばかりの文言があるくらいだったのに。


 その概念を一気に覆された。塗り替えられたと言ってもいい。


 関東の自宅に帰ってきてから、万智子はお土産に買った氷見うどんをいつどう食べようか悩んでいた。風邪の時に、覚が鍋焼きうどんにしてくれるのはもちろんだが……それは、あまり経験したくないので、普通には食べたい。


 ただ、レパートリーがあまりない万智子のレシピでは大したものは作れない。そこは、覚に頼るしかなかった。



『へぇ~? そんなに美味しかったんだ?』

「暑いのに、皆夢中でしたよ」



 夏休みが終わってから、ドミノのところでのアシ業務も再開。研修期間は無事に終わったので、今はアルバイトくらいの雇用で仕事をさせてもらっている。ドミノにも土産は買ってきたのだが、コミカライズの仕事が重なっているため外出が難しく、普通に郵送という形になった。そのとき本名を知ったが、万智子同様にペンネームとは『縁も欠片もない』名前なのが印象的だった。



『まあ、地方によってはそういう食文化もあるらしいしね? 旅行か~。しばらく行ってないな~』

「北陸も少し暑かったですけど、こっちより陽射しはマシでしたね?」

『いいな~。美味しいもの食い倒れ旅行~。ガッキーの案内なら、絶対高いもんからリーズナブルなもんまでお腹いっぱい食べれたでしょう?』

「……食べて、来ました」



 一日目は少し高級な回転寿司。二日目の帰宅前には焼き肉。


 間の鍋焼きうどんも格別だったので、お土産に買ったくらいだ。ドミノのお土産にも入れておいたが、自炊する人か聞いていなかったけれど、そこはなんとかするだろうと気にしないでおいた。


 そんな会話も挟みつつ、業務のもしっかりこなしてから夕方になったが。今日は、その氷見うどんでさっぱりしつつも、がっつりメニューをするからと覚には帰宅してから鍋にお湯を沸かすのだけ頼んだと言われた。



「混ぜそばってわかる?」

「えっと、ラーメンのやつだっけ?」

「そうそう。それの、うどんバージョンで作ります」

「おぉ!?」



 材料はひき肉と香味野菜以外は調味料が多め。


 にんにくが入っているので、スタミナ満タンと言わんばかりに香りが良さそうな予感大だ。



「混ぜそばだと卵黄が多いけど、白身もったいないし……温泉卵頼んでいい?」

「ラジャ!」



 まだその程度しか調理要員にはなれないので、二人分準備しているとニンニク醤油系の甘辛いタレの匂いが鼻を直撃してきた。即、胃に収めたくなるくらいの暴力的いい匂いが。



「うどんは流水でよくしめて。器に入れたら、ひき肉とネギも盛り付けて」

「温泉卵出来てるよ~」

「マチちゃんのそれを飾ったら、出来上がり」

「おお! 温泉卵入れるとお洒落に見える~~」



 卵黄でも綺麗に仕上がるだろうが、温泉卵というひと手間だけで少しグレードアップしたように思えるのだ。


 これにはビール、をつけたいところだが。明日もお互い仕事があるので、晩酌は無し。というか、旅行で少し散財したので軽く節約というわけで。



「「いただきます」」



 今回は細麺なので、しこしこした食感が堪らない。そこに、濃いめに味付けされたひき肉を混ぜて啜るという繰り返しが胃袋を刺激して、するすると入っていく感触は恍惚と言い難い。


 とにかく、『家』でほんわかしながらも、覚のご飯を食べれる幸せを改めて噛み締めたのだ。



「氷見うどん、やっぱり美味しいねぇ~。細麺もこんなコシがあるんだ~」

「昔は御中元のたびに食わされてたから、若干飽きてたけど。大人になると食いたくなるもんだよな~? 夏に鍋焼きうどん食べたくなるくらいだし」

「そうなんだ? うちの御中元は親が関西だからそうめんばっかり」

「さっぱりするするだとそうめんもいいね。マチちゃんの温そうめんも好きだし」

「あれは、昔の動画のうろ覚えだし……」

「そういうもんでいいんだよ。普段の飯って」

「まあね」



 それでも、食べやすいように工夫してくれるのが覚のいいところだ。


 うどんなんて、かけや煮込みうどんか、ざるとかぶっかけもあるだろうに。


 こうして、万智子の好みをドンピシャで作ってくれるのだから……有難い以上に、感謝しかない。



「けど、魚以上に肉もよかったっしょ?」

「モツの可能性には、驚かされたよ~」



 今回は新幹線での移動だったので買えなかったが、万智子の収入が入ってきた頃に合わせて『おうち焼き肉』をするくらいの予定が出来ている。


 どのモツの部位もすばらしく美味しかった、あのリーズナブルなランチの味がまだ忘れられないでいた。ブランド肉を使っているわけではないのに、あの丁寧な仕事には恐れ入ったと感じているくらい。



「富山の魅力はまだあるけど。雪はね、面倒だから寒ブリの時期は悩むなぁ?」

「寒ブリ? ブリが美味しいの?」

「サバもいいけど、ブリは段違い。カマ焼きとかえぐい美味さなのを教えたいくらいさ」

「かま?」

「顎の部位を塩焼きしただけのやつ。脂えぐくて美味いよ?」

「うわ~。食べたい!」

「冬限定だからな……母さんに頼んで、冷凍で送ってもらうか」

「そんな、わざわざ」

「嫁が食べたい言ったら、喜ぶと思うよ。今回の寿司も自分で払うのなんて、久しぶりに見たし」

「え、そうなんだ?」



 てっきり、息子との食事だからそういうものだと思っていたのに。ますます、気に入られた要素がよくわかっていない万智子なので……その機会が本当にあるのなら、自分もなにかお返し出来ないかと真剣に考えようとしていたが。


 覚には、させたいようにさせればいいと考えを読まれていたため、あっさり却下された。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ