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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第17話 旦那の仕事中に、こっそりパスタそうめん?

「ええ……そうですね、そこは」



 覚が帰宅してきてすぐのことだった。


 いつもなら、真っ先に料理に取り掛かるのだが。副業の『ラノベ作家』の仕事が入ってきた関係で、ご飯が遅くなるとの謝罪をされたのだ。



(いや、全然いいんだけどな……?)



 ご飯目当てで結婚したわけじゃない。むしろ、同人活動を自由にしていい方のメリットで承諾したと言っていいはず。だが、実際は日常生活で大事なのは食事なので間違っていないかもしれない。


 聞いていていいのかと尋ねると、秘密にしてもらえれば問題なしと言ってもらえたので。後学も兼ねて聞いてはみたが、覚の『どの作品』の打ち合わせかわからないのでさっぱりだった。



(うーむ。さすが、プロ。要点のみを伝えるのも大事だというけど)



 会社時代、万智子の拙い会議での打ち合わせはめちゃくちゃだったと言っていい。ただ資料を読み上げるだけでなく、ほかの同僚や上司に『アピールポイント』する箇所をうまく伝えなくてはいけなかったのだが。新卒そこそこの万智子じゃ、研修程度のカリキュラムでそれを学べと言われても無理だった。大学のレポート提出くらいならまだしも、教壇に立って講義しろと言われれば拒否するのと同じだ。向き不向きがあるのは仕方がない。


 しかし、覚は違う。


 普段の仕事はそういったような会社員であるし、副業は毎日ではなくともWEB投稿以外にも今しているように打ち合わせをしたりして賃金をきちんと稼いでいるのだ。人として尊敬するのは当然だが、万智子に同じようになれとは言ってこない。どこまでも、惚れた相手に沿った考え方を提示してくれる優しい男性だ。本性はロールキャベツ男子であれど。



(しかし……この時間にご飯の支度とかだから。小腹が空いたな)



 だいたい一時間くらいで打ち合わせが終わると言っていたものの、万智子の空腹は軽く顔を出し始めていた。


 かと言って、まだ少しマシに作れるようになった『豆腐ピザ』は今のところ材料がない。菓子を食べると満腹手前になるのでよくないからと、ごそごそ材料になるものがないか探してみたが。



「……そうめん」



 以前、覚が昼ご飯用にと提案してくれたぶっかけそうめん。あれもよかったが、ただいま缶詰が品切れ中と言うピンチ。ほかは野菜に卵とか普通の材料はあったが、出来ても『にゅう麵』くらいか。多少包丁使いがマシにもなってきたので、それくらいがいいだろう。


 なのに、何故、違うものを作ろうという創作意欲的なのが出てしまったのか。


 ネタにしたい意味で、自分用にと作ったのは……ペペロンチーノ風の温パスタ。麺はそうめんで。ミニトマトをカットしたものとガーリックチップと炒めて、バジルたっぷり。仕上げを卵でとじたもの。


 まったくと言っていいくらい、創作料理になってしまった。味は麺に塩が大量にあるから~と思い出したので、お湯をそのまま味付けに使ったまで。完全なインスピレーションの創作料理になってしまったのだ。


 しかも、勢いで二人分作ってしまった。



「おまたせ……ってぇ? マチちゃん、なんか作ったの??」



 ちょうど打ち合わせが終わった覚がキッチンにやってきたのだが。出来上がった料理と使ったキッチンの惨状を見て、おや、と目を丸くしたのだった。



「あ、うん。なんか……出来る、かなって」

「匂いは悪くないけど。……いきなり、創作料理してみたの?」

「……ごめんなさい」

「いやいや、悪いとは言ってないさ。とりあえず、俺も腹減ったし食べようよ」

「……いいの?」

「奥さんの手料理、食べないわけにはいかないさ」



 神の権化か!とでも言いたくなったが。残飯処理をさせるようで非常に申し訳ない気分にはなった。



「「いただきます」」



 巻き付けるくらいの固さは残っている。


 湯気だけなら、いい匂い。


 味はいかがか、と口に運んでみたが……ミニトマトの酸味に、そうめんの塩気がまあまあ絡んでいるという味わい。卵は少し固いが、バジルとガーリックの風味をそれなりにまとめているような気がした。初心者にしては、悪くない出来栄えだと思ったが。




「うん。これ、いいね?」



 覚には気に入られたのか、ぺろりと完食してもらえたのだ。文句ひとつもなしに。



「そ、そう?」

「どう作った……いや、待てよ? オリーブオイルにガーリックの香りを移して、そうめんを軽く炒める。多少焦げるけど、湯で色移りするから大丈夫。そこに、ミニトマト入れて」

「……ほとんど、その手順です」

「で、仕上げにバジルと卵とじて……か? 夜食とかにもいいね?」

「えぇえ?」 

「いきなりの創作料理にしては、マチちゃんセンスあるよ。俺じゃ思いつかなかったかも」

「そう、かな??」



 覚はあまりオリジナル料理を作ることは少ないと言うが、手順をきちんと守って作る料理はいつも美味しい。その手順を毎回見ているお陰で……なんとなく、思いついただけの創作料理だったが。


 後々、これは昔テレビ番組かなにかで動画にアップされていたのを、この間見直した履歴があったので万智子のオリジナルではなくなった。それでも、覚の夜食には作ってほしいと頼まれることが増えたため、数少ないレパートリーがまたひとつ増えたのだった。

次回はまた明日〜

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