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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第106話 茹だる暑さ始まるミートソーススパ

 部屋の中は快適。


 しかし、外は茹だるような暑さ。


 今年の気温は、温暖化のせいがあるにしても六月から既に最高気温がえぐい数値になっていた。


 関東でもどこかしこも暑い暑いと豪語するくらい。


 そのため、エアコンの使用は欠かせない。室内でも熱中症になることなんてある、というニュースと事例が出ているのだから……いのちとお金の天秤なんてしたくないと覚が注意してくれたからだ。


 そのため、万智子は作業中もエアコンの効いた部屋で作業をしていたが。夕方になって、少しばかりコンビニに行く気になった。冷凍庫にアイスがなかったため、どうしても食べたくなったからだ。


 だが、玄関を開けて、外の空気が流れてきて数秒。


 すぐに、万智子はゆっくりと扉を閉めた。



「っ!? あっつううううぅうぅぅ!?」



 去年も暑かったは暑かったが。ここまで、焼けるような暑さだっただろうか。


 そう思うくらい、表皮で感じ取れた気温に家を出るのを中断したいと思うくらい。しかし、アイスは食べたい。だが、そのためにはこの酷暑の中、徒歩五分離れているコンビニに行かなくてはいけなかった。


 自問自答した結果、対策をしてまで買いに行く元気にはなれなかったため……家にあるお菓子で我慢することに決定。


 代わりに、RINEで覚にはリクエストにアイスをお願いしたが。



「いや~。俺、外回りの人間じゃないからさ。ランチ行くのもやめて久しぶりに社食使ったくらいだよ」



 夕飯の前に、お互い暑さが酷いと実感したためアイスでまずは潤いを満たす。


 万智子はチョコチップクッキーのラクトアイスを。覚は柑橘系の氷菓子にしていた。



「なにこれ。初夏でこれだよ? 来月以降もっと酷くなるの??」

「名古屋とかはもっとえぐいらしいね?」

「あ~~!! 思い出した!! 茹だるようなあの暑さ!!」



 地形の関係で、下手すると沖縄を凌駕するほどの気温になる名古屋近辺。


 万智子は大学は関東に上京してきたため、昔のあの暑さをすっかり忘れていた。実家も名古屋ではないため、暑さは酷くても都会のそれをここ数年は経験していない。


 なのに、今日の暑さはあの猛暑を思い出すくらいだった。低くても、この気温はしんどい。



「う~~ん。今冷たいもの食べたし、少し活力を補える料理にしようか?」

「え? なに?」

「ミートスパ」

「おお!!」



 ソースを一から手作りとなると、時短にはならないが。万智子も手伝えば、少しは手早く出来るはず。


 挙手すれば、万智子の役割はチョッパーで野菜をみじん切りにするところだった。覚は順に野菜を炒めてから、合いびき肉を炒めてソースを作っていくのを担当。



「今回のソースは。ウスターソースにケチャップ。あとは、安物のワインで深みをつけるって感じ」

「それだけでも美味しそうな予感……」

「この前買ったきのこもあるし、えのきも刻んでね?」

「りょーかい」



 なんとなくだが、きのこを入れるとコクが出そうな気がするのは万智子にもわかってきていた。大きめのフライパンの中で全部炒め、臭み抜きのローリエを入れたら軽く煮込む。葉を抜いたら、味付けしていき……見るからに、美味しそうなソースが出来る間に覚はパスタの方も茹でていた。



「……あっちぃ」



 部屋は適温までエアコンを使っていても、キッチンはそれなりに暑いので覚は着替えたいくらいに汗だくになっていた。シャツの前をパタパタするのが少しセクシーに見えたのは、万智子の欲目だけじゃないと思う。


 スープはカップスープにして、パスタの盛り付けが出来たら今日の料理は終わることになった。



「「いただきます」」



 艶やかなソースに、粉チーズとパセリがたっぷりとかかったミートソース。


 服を汚さないように気を付けながらフォークに巻き付け、ひと口頬張るとえのきの食感もあってかシャキシャキとしたはじめての味わいになっている。


 少し濃いめの味付けがパスタに合わないわけがないので、フォークが止まらなくなるほど。



「おいっし! 具沢山で、すっごく食べ応えあるね!!」

「うんうん。まだソースあるし、明日はミートドリアにしてもいいな?」

「暑いけど……それは食べたい!」

「でしょ~?」



 エアコンをがんがんにかけてはいるものの、その環境の中であたたかい料理を口にするのには大賛成。


 某ファミリーレストランのドリアを連想させるような、トッピングもいいのではと会話が弾むくらいには、明日の夕飯がとても楽しみになっていた。


 しかし、この茹で上がりそうな酷暑を乗り越えられるかいささか心配だったため。


 食べ終えてからショッピングモールに向かい、冷却に必要な生活グッズを買いに行くのだった。



「濡らして、広げたら……首に巻くと冷え冷えのタオル?」

「あと、冷蔵庫で数時間凍らせるやつもいいね? 首にひっかけるだけでいいんだって」

「家でも使えそう」

「冷やしすぎもよくないけどさ?」



 それでも、夜でもいささか蒸し暑い。


 それに耐えれるように、対策は万全にしないと引きこもり生活をし過ぎてしまう。万智子はそれに慣れているが、ときどきは日光を浴びないと……人間の体調の変化には影響が出るため、よろしくないとされているからだ。


 だが夏は、まだまだ片足を動かしてもいないくらいに始まったばかり。

次回はまた明日〜

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