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流行りの婚活したら、旦那の料理が美味しすぎた〜時短レシピに胃袋掴まれた同人作家嫁の日々〜  作者: 櫛田こころ


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第104話 実家からの仕送りで、キーマカレーのバージョンアップ

『デビューおめでとう。あんた最近きのこ食べれるようになった言ってたよね? 覚くんに聞いて、作ってみ?』



 などと、実母の方から仕送りが届いた。日用品以外にもきのこがたんまりと。



『漫画家デビューおめっとさん! 市場で加賀野菜たっぷり買ったから、覚になんか作らせしー』



 と、峰子の方からも仕送りが届いたのだ。どちらのタイミングもほぼ同時。宅配便も同じところだったから一緒に届いたため、業者も少し運ぶのが大変そうであったが。



「いやぁ、まあ??」

「加賀野菜かぁ。お袋、奮発したな……」

「そんなに高いお野菜??」

「京野菜とも肩を並べるくらいのブランド野菜だよ」

「……とにかく、高級野菜なんだね」

「ランクによってはリーズナブルなのもあるけど……」



 同時に届いた荷物。


 これを無駄なく、かつ、美味しく食べるにはどうすべきか。


 たまたま休日だったと言うこともあり、覚はそれぞれの荷物を眺めたあとに、ほかの食材を確認していく。


 そして、何か決まったときには万智子を呼ぶのに手招きした。



「なになに??」

「久しぶりにキーマカレーでも作ろうと思って」

「キーマカレー!! あ、チョッパーで刻めば」

「キノコもたくさん使えるし、大量に作れば冷凍保存も出来る」

「私の昼ご飯にも出来る!!」

「一石二鳥!! 共同作業といきますか」

「だね!!」



 そこからは、黙々と作業をしていく時間となっていく。


 きのこも。

 加賀野菜も。


 選別してキーマカレーの材料に出来るものは、大雑把に切り分けてチョッパーで刻んでいく。


 刻んだら、バッドなどに移して次のを刻んでいくの繰り返し。


 終ったら、さすがに一旦休憩はしたが。



「……あとは、炒めるだけ」

「……手伝おうか?」

「ちょっと、手は借りたい」



 ということで、種類別のキーマカレーの素になる野菜炒めをひたすら繰り返し。


 味付けが出来たら、またバッドに移す。


 粗熱が取れてから、ジップロックに入れて軽く冷凍。そのあとに、箸を使って仕分けの切れ目を入れたら再冷凍。


 これを繰り返したら、半日が過ぎた。


 さすがに、夕飯はキーマカレー以外……にはならない。改めて炒め直して、美味しくなったものを食べるつもりだったから。



「「いただきます」」



 加賀野菜で入れたのは、蓮根とナス。


 特徴的な形のもあれば、そうでないのもある。


 刻んだことで食感が失われたかと思えば、意外とちゃんとしていたのだ。シャキシャキの歯応えは絶妙で歯を伝って楽しい音を奏でていくのだ。



「なんか、いつもより甘くて美味しい気がする~」

「きのこも際限なく刻んだけど、今回のこれもいいね? しいたけは流石にお義母さん入れてなかったけど」

「最悪なアレは無理なのくらい、親としてわかってると思うよ……」

「なるほ」



 どう足搔いても、食べれないものはあって仕方がない。


 好みの問題以上に、嫌悪するそれがあるのは人間の個性の違いと同じだから。


 覚はほとんどの好き嫌いを克服していても、そんな人間がほとんどかと言えばそれは違う。


 苦手意識、嫌悪は、食事以外にもあるのだ。覚とて、コミュニケーションの関係で苦手意識を持つことはあるそうだ。



(とにかく、この食べ方は合っているな~。カレー味だから、匂いも紛れているし?)



 舞茸、えのき、エリンギにしめじ。あと、少し高級な花びら茸とやら。全部をチョッパーで刻んでカレーにリメイクしてしまえば、万智子でも普通に食べられたのはいい意味での発見だ。


 それに、今回もレンチンの温泉卵でマイルドに仕上げたため、すいすいと食べられるのも理由のひとつ。



「ん~~。まだきのこあるし。次はポタージュもいいかもしれないね?」

「……匂い。きつくない?」

「椎茸ほどじゃないし。味つけもしっかりすれば食べられると思うよ? メインにはオムライスとかにしてあげるから」

「……たんぽぽにしてくれる??」

「もちろん。リクエストには応えるよ」



 甘えた考えを否定してくれない、覚の優しさが嬉しい。


 親たちの仕送りを、無駄なくアレンジするのに。万智子の食べたい料理にリメイクしてくれるのだから、文句のつけどころがない。


 別の日に、本当にそのセットを作ってくれたのだが、ポタージュは少し香りがきつく感じたものの……ひと口食べてみれば、優しさとコクのある味わいにスプーンが止まらなかった。



「美味しい!! 原型がないからもあるけど、ポタージュで飲める日がくるなんて思わなかった!!」

「今回はさすがにミキサー使ったからね? 粒々ないから、さらっと飲めるでしょ?」

「うん! おかわり!!」

「その間に、冷めちゃったオムライス食べてて」

「はっ! 忘れてた!!」



 まだ完全克服とも言えないが、嫌悪していたきのこの大半が食べれるようになった。


 その嬉しさ以上の感動に、ついつい、メインのご飯を忘れるとは思わず。


 切り込みを入れ、少し広がるのに時間がかかったオムライスにもきのこが使われている。たくさん冷凍していたキーマカレーのソース付きのだ。ご飯はバターライスにしているので、オムライスにしても食べやすいコンビネーション。とろとろ卵との相性もばっちしだったため、覚が戻ってくる数分で三分の一を食べてしまうほどだった。



「もうストックないけど。今度は自分たちで買いにいくのもいいね? 道の駅とかの地野菜とかでさ」

「いいね~」



 旅行もしばらく行っていないので、少しくらいの遠出をすることも同じく減っていた。


 万智子の仕事はまだ少し忙しいが、たまの息抜きも必要だからと……次の休日に車で向かったのはいいが。帰りは大きめのマイバックに収まるかどうかくらいに、大量買いしたためふたりで作り置きをいろいろ作ることになった。


 美味しいものへの探求心もだが、解放感はほどほどに……と、ふたりで反省もした。

次回はまた明日〜

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