ストーカーと末路。以上。
歩視点
後書き碧視点
意味わからんやつが乱入してきたせいで、碧さんの介護じゃなかったお世話が途中になったじゃないか。
貴重なデレを返せよこの変態サイコパスが。
いややっぱ返さなくていいから金輪際碧さんに近づくな一緒の空気吸うな同じ空の下歩くな。
興奮した自分は置いといて冷静な部分でさてどうしたものかと考える。
拳銃やらドスやら持ってるこいつは多分一般人ではないのは明白で、しつこそうな顔してたちが悪そうだということはわかる。
ってかえんさん何が「結界張ってるから悪いの入らないよ大丈夫だよ」だ。
明らか不審者入れてるじゃないか。あれか幽霊的なのに限るってことか?
こいこい荘には必要だけども、もっと対人間も視野に入れて欲しかった。
でその不審者はと言うと今度はドス振り回して暴れ始めた。
ドスなんて任侠映画でしか見たことないのに、こっちは一般市民。か弱い一般ピーポーなのに。
えんさん達は傍観してるし、頼れる仲間は女性陣の護衛中だし、ああもうこうなりゃやけだ。
とことんつきやってやんよ。
とりあえず振り回してるドスの柄と刃の境を狙って振り下ろす。
勝手に祇園様が始めた強制稽古つけられててよかった。
不審者は人間。
祇園様の動きに比べたらスローに見える。
あと思った以上に椿さんあんためっちゃ斬れるな。
鉄を切ったのに豆腐を斬ったような感触だった。
これあいつみたいに使えなくて俺も刀に振り回されるぞ。
椿烏を地面に刺し、なおも向かってくるこいつを背負い投げをし倒れたところに男の背後から腕を首にまわし絞める。
まだ刃がついた柄を持っているので腕を自分の足で押さえた。
なんか柔道の技らしいけど名前も教えて貰ったが忘れました。
ってかお義兄さん技がよりかかるよう指導してくれるのはありがたいけど、今はこいつ一緒に取り押さえてくださいよ。
手から柄が落ちたので足で蹴って遠くにやる。
抵抗が止んでだらんとしたが、これふりだ。
たぬき野郎が次は気絶したフリか?
油断を誘っているらしいが、人間気絶したらそんなとこに力入んねーんだよばーか。
どうしたものか、こういうやつは何でもしてくるからな、このまま本当に気絶してくれるのを待つか……うーんやっぱここは反撃くるのを避け正面から叩きのめした方が色々と相手が折れてくれそうだな。
反撃を警戒しながら男を離し自分の体勢を整える。
油断を誘ったのが油断になったみたいで、男の反撃は空振りに終わった。
辺りをキョロキョロし出したのでまた刃物持ち出されても面倒なので注意を引くために右から大振りで殴りかかった。
ラッキーなことに男の頬にモロに当たりよろけて下を向いたので、鳩尾に蹴りを入れる。
これも我ながら惚れ惚れするくらい綺麗に入った。
痛かったのだろう。ううと呻いている。
それでもで警戒して俺の方を向いたのでもう一撃顔に拳を叩き込む。
拳から鼻が折れる感触が伝わってきた。
うーわー何回やってもこれなれねー。
こいつ思ったより弱いと言うか喧嘩したことないんじゃなかろうか。
地面にダンゴムシのようにうずくまって泣いてしまった相手を見ながらさっきとは別の意味でどうしたものかと考える。
もう一本くらい足か手の骨折っとくべきだろうか。
プライド高そうだからそれくらいやってもまだ諦めないで向かってきそうだな。
ただなーみんな見てるしこれ以上続けるとオーバーキルで俺がこいつを虐めてるように見られてバツが悪い。
さてどうしたものか。
「歩、おまえやっぱり不良?」
「違うよ総真君、僕はちょっとやんちゃなだけの男子高校生だよ」
「殴り方が格闘技ではなく喧嘩だったぞ」
「何で俺の時と反応が違うんだよ」
「いつも暴力装置振るっているかいないかだな」
「いやお義兄さん僕もいつも振るってるわけじゃないです!」
「あゆーやれー噛みつけー息の根止めろー」
「白ダメでしょ」
「白百合めっ!どこでそんな言葉覚えたの」
「もー歩君も白ちゃんが見てるでしょ。
お兄さんも白ちゃんが聞いてるから変なこと教えないでください」
クレイジーさんに怒られたので不審者に追撃はしないことにした。
まさかのクレイジーさんに正論で怒られるとは。
すみません。でもその言葉教えたのと言うか近くで言ってたのは知ってます祇園様です。
強制特訓の時に汚い言葉使ってました。
それで覚えたのだと思います。
僕は関係ありませんので。
あとお義兄さん変なこと言わないでくださいよ。
俺じゃなかった僕は一般ピーポーです。
「うむ、歩余興は終わりか?呆気なかったのう」
「いや余興では」
「ところでそやつどうするのだ?殺すなら妾にくれ。
持って帰って試したい薬がたくさんあるのじゃ。
飼うても良いじゃろ祇園」
「飼うのか?この蛆虫を?」
「ああ色々試したい物がいっぱいあるからな。
百年くらいは持つじゃろ」
「百年くらいなら」
殺さないけど持って帰ってくれるならありがたい。
やはり葵様様だな。祇園様は嫌そうだけど、仕方ないよお嫁さんのいうことは従っていた方がいいって父が言ってました。
「僕は西条組の跡取りだぞ。ごんな弱そうな男に負けるなんておがじいだろ。お前何なんだよ」
「すみませんねただの一般ピーポーですけど師匠が神様なんで」
「意味わがんねーよ。僕と碧ちゃんのながをざげるとおもうなよ」
「って言ってますけど、碧さんはこの人と一緒にいたいんですか?」
「目の前から消えて欲しい」
「だそうです。お引き取りください」
「覚えでいろ゛ずぐに仲間をよん゛で」
「縁切りがこやつの精神を操ればいい。
おまえそういう姑息なの得意だったろ」
「碧さん?」
何だろう。碧さんなのに中身が違うそんな気がした。
「碧、君は何でそんなこと」
「おい、早く術をかけて大人しくしろ。
で葵さっさとこの小僧の潰れた鼻をどうにかしてやれよ。
そうだ一回この小僧を家に帰してから小僧の部屋の鏡から葵のところに連れてくればいいだろ。
そしたら騒ぎになっても誰も俺たちを疑わないさ」
「碧お前誰に命令した?」
「誰も何も祇園お前こそ誰に偉そうに口をきいてる。
おまえがしょんべん垂らしてた頃誰の世話になった?」
「おまえまさか 殿か?」
「ははやっと気がついたか」
それは碧さんではないと言うことはわかった。
雪花を呼び鞘から抜いて刃先を碧さんの中にいる者に向ける。
「おい坊主、やめとけ。碧は俺であって俺じゃない。
碧とは体も魂も共同体みたいなもの、お前達の言葉でわかりやすく言えば俺が死んで生まれ変わったのが碧だ。
と呼ばれていたがお前達にはわかるまい。
そうだな、俺は元々こう見えて縁結びが得意でね。
結ぶでゆいと呼ぶといい」
刃先を向けたまま、碧さんの中の人を観察する。
時々この仕草見たことある。
碧さんめ、結構な頻度で入れ替わってたな。
えんさん達の知り合いということは碧さんの作り出した人格ではないのだろう。
生まれ変わり、前世というものだろうか?
では碧さんはこの俺様神様にずっと一緒にいなければならないのだろうか。
俺が碧さんならめっちゃ嫌だ。
碧さんはわからないけど、嫌ではないのだろうか?
「刀をおろせ小僧。
おまえを叩き潰す理由がない」
俺が負け確なのかよ。
悔しいが、碧さんの体に傷を作るわけにはいかないので刀を鞘に戻す。
幽霊なら雪花で切り離せるのに。
「心配するな、俺はそろそろ消える。
そんな顔をするな縁切り。
それが普遍変わることない自然の摂理だ。
歩、こいつはめんどくさがりの怠け者のくせに好奇心だけは一丁前で苦労するだろうが、後のことは頼むな」
何となくしんみりしてしまったが、これ俺認められたのでは?
喜びたいけど、今じゃない気がする。
「!!祇園結界をはれ!」
「は、はい」
慌てた雰囲気で結様は一点を見つめ始めた。
何かくる。
ただ嫌な感じはない。
結様が警戒する意味が分からない。
自分の第六感は大丈夫だと言っているのでそっちを信じたいが、神々の慌てように一応雪花に指をかける。
「俺の本体がくる」
「本体?君分身なのかい?」
「本体は昔は名のある犬神だったやつで俺はそいつの尻尾だよ。
どっかの馬鹿が切り離して復讐を恐れて祀ったのが俺だ」
「君尻尾なのか!」
「縁切りもうおまえ喋るな!興が削がれる
祇園と一緒に衝撃に備えて結界はってろ」
あ、うん。えんさんここで戦力外通告。
えんさん戦闘系向いてないんだろうな。
人間の俺鍛えて跡取りにしようとするぐらいだ。
うん、なんか可哀想になってきた。
急に上から押し潰されるような力を感じた。
座り込まないように踏ん張る。
祇園様が結界はってこれかよ。
どんだけ圧強めなんだ。
周りを見てみると、女性陣はキョトンとしているが、総真とかはしゃがみ込んでいた。
お義兄さんは流石立っているが苦しそう。
あ、これ祇園様のいつもの女尊男卑だ。
一段と強い衝撃があり、思わず片膝をついたところで碧さんが光って倒れた。
「碧さん!」
重い体を引きずって碧さんの近くによる。
息、息は?
耳を口元に持っていき胸が上下するか目視する。
微かに胸が上下しているし、呼吸音の乱れもない。
良かったと抱きしめる。
碧さんの近くに光が集まって顔が犬で体は人型の人物が出てきた。
イメージは毛むくじゃらの人狼が着物きた感じに近い。
多分結様が言ってた本体。お偉い神様なのだろう。
「すまんな人の子よ。
久しく人間の前に現れていなかったもので力加減を間違えたわははは」
「笑い事じゃない!碧さんは大丈夫なんだろうな!」
「歩黙ってろ。申し訳ございません」
えんさんに口を塞がれた。
なんだよ。こんなやつに頭下げる前に碧さんが大丈夫か見てくれ!
「よいよい。
そう慌てるな人の子。
孫は無事じゃ。少し魂を割ったので体がびっくりしたのだろう。
もう少しすれば起きる。
それにしても力の差がわからん馬鹿でもあるまいしわしに噛み付くとはな。
存外に面白い。気に入ったぞ。
名は何と言う?」
えんさんに促され名前を言うと、手を出せと言われた。
あーこれまたなんかやばいことになってねーか?
「守り石だ。好きに使え」
「あ、ありがとうございます」
「そこの男神くらいの攻撃なら弾き返す。
割って好いたおなごにでも渡すのも一興よの」
そう指さされたのは祇園様。
祇園様のクラスの攻撃無効どころかカウンター付きって、めっちゃ良い物もらった!!
神様方の顔色が悪いが知らない。
石もダイヤモンドみたいで綺麗だし、やったぜ。
嫌に友好的な神様だが、碧さんを孫って言うくらいだ良い神様なんだろうな!
「さて、そろそろ寝たふりはやめたらどうだ尻尾よ」
「バレてたか。でどう言うつもりだ俺をこんな石の像に閉じ込めて」
「孫がな泣くからな。可哀想じゃろ」
「意味わからんぞ本体」
「尻尾よ、女に髪を切らせるのはやりすぎじゃ」
「……は?もしかして碧のやつ髪切れって言ったの根に持ってこんな大事にしやがったのか?」
「大事ではない。尻尾よよく考えろ。
いつまでも思春期女の子にあれこれ言う物ではないぞ。
だから嫌われるのじゃよ」
ん?家族喧嘩かな?
前に碧さんに自慢された水晶の犬の像と犬の神様が言い争ってる。
なかなかシュールな光景だ。
あ、もしかして庭に犬の像あるなーと思ってたらそう言うことか。
最初から碧さんから結様を分離させる計画だったのか。
聞こえる話を繋げてわかったのは……碧さん怒らすと長いってことだけ。
怒らせてもすぐ謝ろう。
腕の中にいる碧さんがううと唸ったので、名前を呼ぶと目が開いた。
「良かった、良かった碧さん」
「歩苦しい」
「あ、すみません」
抱きしめる力が強かったらしい。
離すとまだ体が上手く動かないのかもたれてきた。
不謹慎だが弱ってる碧さん可愛い。
後ろでキャンキャン親子?喧嘩が始まったが気しないで碧さんの乱れた髪を直す。
せっかくオシャレしてたのに。
それもこれも乱入者のせいだ。
不審者は気絶しているので後ろのキャンキャン組を睨むと大人しくなった。
「ついに歩、神をも眼力で黙らせる」
総真もちょっと黙ろうか。
目が合うとそっぽを向いて逸らされた。
睨まれるとわかっているならやらなきゃ良いのに。
会場も料理も無事だけど、参加者がボロボロ……僕だけでした。
碧さんが少し乱れただけで、僕以外綺麗なものだ。
うんいつも通り。
なんかもう、こいこい荘らしいちゃらしい。
碧さんもみんな無事で良かった。
ではさっさとこのキャンキャン犬親子をどうにかして式の続きしましょうか。
……全然親父殿動かないじゃないか。
歩一人にやらせて……。
まぁでも計画通り進んでる。
ストーカーは予定外だったが、交代する理由ができて何より。
みんなには悪いけど、これで終わりにしたかった。
こんな場でもなければ親父殿を引っ張り出せなかったのだ。
当初はもう少し穏便に進める予定だったけどね。
早く終わらせて、あの名前忘れたけどピリ辛の美味しいお肉また食べよう。
あ、圧勝で歩が勝った。
祇園様に稽古つけてもらってるだけある。
安心して見てられる。
やっと親父殿が動き出し、歩が自分、親父殿に刀向けたのは驚いた。
あいつ誰にでも喧嘩売るな。
前世カマキリか何かだっただろう。
度胸あると笑ったらいいのか、馬鹿だと叱ったら良いのか。
とりあえず無茶しないでと可愛くお願いしてみよう。
流石に死人は葵様も生き返らせれないと思う。
衝撃が来て一瞬何かを取られた気がしたがよくわからなくなった。
ふわふわする頭でゆっくり起きると歩が抱きしめてきた。
苦しいので離してもらうが、うまく体を支えられない。
なるほど魂を半分持っていかれるってこんな感じなのか。
体の部位ごとに半分持っていかれたような、伝達が半分しかできないようななんと言えば正解か分からない感覚。
正確にわかるのはいつもよりだるい。
歩に支えてもらって例のものをポケットから出す。
チャンチャララーン
名前忘れたなんかの神様みたいなのが持ってた難しい名前のなんかよく分からない玉みたいな果実〜。
みかんみたいに房状にわかれていて数は八つ。
何故八つかうんたらかんたら説明あったけど忘れた。
長いのが悪い。
でも大事なことは覚えてる。
一房で怪我病気欠損までたちまち治り、二房で不老に、三房で不死に四房で神になれるらしい。
それ以上は永遠の死。
自分が用があるのは一房なのでその後はえんさんにまた丸投げしよう。
一房もぎり口に入れた。




