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こいこい荘はそこを曲がったところですよ  作者: 蜂蜜
Q.今の状況を二単語であらわすなら?

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29/31

神様と婚約式でしょうか素敵でした

素敵!素敵!

いつもの見慣れた庭があっという間にパーティー会場に変わった。

大きな机が何個も並びその上きはこいこい荘ではでない系のパーティーメニューが並んでる。

メニューも聞いたことない名前ばかりでテンション上がってきた。

立食でも座ってでもいいように椅子もある。

さすが義嗣、どれをとっても高級感漂ってる。

並のパーティーの比ではない。

気合い入れてきたみたいだ。

あれこれ指示出してる義嗣もかっこよくきめてる。

オールバック似合うな。

惚れた欲目と言いますか、年取っても貫禄出ってもっと似合うんだろうなと思うとうっとりしてしまった。


「何じゃ知らぬ人間だらけじゃの。

あいつらも参加者か?」

「いえあの方々は準備と後片付けに呼ばれた人たちです。

式が始まる前にいなくなりますよ」


今日も元気に浮いてる葵様に説明をする。

その後ろで縁さんが緊張しながらもウエディングドレスを持ってきていた。

何回見てもため息がでるほど綺麗だ。


「あの葵様、これ私から贈り物です」

「なん………綺麗じゃ。

ありがとうございます……義姉上」


振り返った葵様は言葉が出ないほどだった。

お礼を言った後あの葵様が縁さんのことあねうえって!

もうそれだけで泣きそうになる。

縁さんにいたっては泣いてしまった。

嬉しいよね。そうですよね。

私も少しもらい泣きしてしまう。


葵様がウエディングドレスに袖を通す。

ああこれは葵様に作られたドレスだと改めて実感した。

こんなに葵様に似合うドレスは世界中探してもないもの。

私たちで軽くお化粧とヘアアレンジをする。

もう葵様眺めるだけで今日終わってしまいそうだというくらい綺麗だった。


「やめろ!我に触るな!」

「祇園様もう少しで終わりますから。

絶対あとで後悔しますからもう少しだけ」

「着物など何着ても変わらん!

ええいい髪に触れるな」

「五分だけ五分で終わりますから。

後悔させません」

「五分だけだぞ」


あっちは大変そうだな。

でも五分でも祇園様が折れてくれてよかった。

流石にいつもの着流しで胸元はだけてるのはいかがなものかと思う。

ヨレヨレではないがピッシャともしてない。

事前に歩君がサイズを測ってくれていたのでそれに合うのを借りてきていた。

祇園様はこだわりないだろうってことでこちらで勝手に決めたけど正解だったようだ。


この五分男性陣には長い五分だったろうなとあっちの会話を聞きながら思った。

主に歩君に八つ当たりしている。

可哀想に。

長い五分も終わり、間の襖を開けると不機嫌MAXの祇園様の顔から一気に表情が抜け落ちた。


「どうじゃ祇園綺麗じゃろ」

「………」

「祇園様」

「ああ……」


歩君に肘で小突かれるも、まだどこか遠くにいかれてるようだ。

わかりますよ、綺麗ですもんね葵様。

流石女神様、今日の葵様は世界一いや宇宙一の綺麗さですもの。


「言葉も出ぬほど綺麗か?」

「ああ」

「何じゃお主、見せ甲斐がないのう。

もう良い兄上に見せてくるよって」

「あ…!ちょっと待て他の男に見せるのか?」

「見せるじゃろ、今日は妾が主役ぞ。

こんな綺麗なおべべ自慢せんでいつする」


ごもっともです。

せっかく歩君達が頑張ってセットした髪を一瞬で祇園様がぐしゃぐしゃと頭をかき乱した。

あーあ。でも気持ちはわからないでもない。

こんな綺麗な方自分の嫁なら誰にも見せないで二人で結婚式したいもの。


「そうなんだが、そうじゃないというか、あーその我も一緒に行こう」

「その前にその乱した髪をどうにかせい。

せっかくのおべべの前にお主の頭のせいで印象が薄くなる」

「歩!髪をどうにかしろ」

「はいはい、だから言いましたよ。

普段通りで行くと後悔するって」

「ええいわかった小言は後で聞く、髪をどうにかしろ」

「じゃあ葵様に整えてもらいましょう。

それならぐちゃぐちゃにしないでしょ。

いいですか葵様?」

「良いぞ。妾の旦那様は童みたいじゃのう」


さっきとは別人のように大人しく座っている。

始めから葵様に結んで貰ったらよかったのかも。

長いかみを三つ編みにしスーツをビシッと着た祇園様は背も高いのでモデルのようだった。

葵様と並んでも遜色ないのはさすが神様だ。

写真撮って額に飾りたいけど、神様って写真に写るのだろうか?


「写真撮ります?」


写るんだ。

歩君の問いに祇園様が高速で頷いていた。

場所指定されお二方移動する。

ちょうど私から歩君のスマホの画面が見えたが、壁しか写ってないように見えた。

はいチーズって撮った写真をお二方に見せるときゃーと葵様が嬉しそうな叫び声を上げた。

うんそこは今どき女子っぽいけど、あれ写っているというのか?


「現像したら渡しますね」

「歩、頼んだ」

「はいじゃあお二人はもう少しお待ちください。

もう間も無く会場の準備終わりますからね」


間も無く始まると思ったら自分が主役ではないのに緊張してきた。

ドキドキを紛らすために歩君に写真のこと聞くと神様には見えてるらしいとのこと。

じゃあいいのか。


準備出来たということで会場に入り義嗣の横に並ぶ。

やっぱ、近くで見てもかっこいい。


「なんだ?」

「かっこいいなーって思っただけ」

「そ、そうか」


照れてるとこは可愛い。

しばらくして音楽がなり、リビングの窓が開きお二方がお姫様抱っこで浮きながら入場してきた。

うん神様だ。

私たちは拍手と「おめでとうございます」とお祝いの言葉と共に花びらを存分に撒く。


「おめでとうございます」

「ふむありがとう」

「きれー」


みんなのおめでとうございますの言葉より一段と高い声が響く。

白ちゃんがお二方の周りを「きれー」と言いながら駆け回っている。


「そうじゃろ、お主の母に作って貰ったのじゃ」

「いいなーいいなーお母様白も欲しい」

「欲しいと言われても」

「そうじゃぞ白、お主相手がおらぬではないか」

「いやいやまだ白百合には早いよ。

来ても私が認めた男じゃないと」


えんさんが親バカぶりを発揮しているが、その横の白ちゃん見てください。

何か考えてますよ。

絶対ろくなことじゃない。

それに私も早いと思う。

まだ生まれて一年も経ってないのだ。

お嫁に行くには早すぎる。


まぁなんやかんやでバタバタしながらもパーティーが始まった。

あ、そうだと歩君は碧ちゃんを見てどんな反応してるかな。

歩君を探すと碧ちゃんにいつものデレデレを上回るデレデレをしてた。

あ、君そんな感じなんだね。


「これ食べたーい」

「はいこれですね」

「あ、これ思ってたのと違う歩が食べて」

「もちろんです」


うん、今日の碧ちゃんは一段と歩君にべったりだね。

でもこれ甘えてると言っていいのか?

ある意味介護では?

……二人がいいならいいのかな。

うんそうしよう。


食べたり飲んだり楽しく話していると、黒い物がずんずん近づいてきた。

誰かお客様を呼んだのだろうか?


黒い物は全身真っ黒な服を着た男の人でニヤニヤしながら手を上にあげた。


パッン!!


破裂音が辺りに響き渡る。

え?あれ拳銃?

非日常すぎて頭が追いつかない私を庇うように義嗣が前に出た。

そうだまず逃げないと


「動かないでください、手荒なことはしたくない。

自分は僕の天使を連れて帰れたらそれでいいので」


いきなり来て何言ってんだこの人?


「何する!」


義嗣の背中でよく見えなかったが歩君が黒い刀持って走った姿と金属が当たる音がしたので歩君が何かしてくれたのだろう。


「すいませんね、自称師匠に似て僕短気なんで」

「僕は穏便に話し合いで」

「そんなもの持ち出した時点で無理ですから、お帰りなって部屋に引きこもってろこの変質者」

「僕は碧ちゃんに会いに来ただけだ。

君こそ僕の碧ちゃんにべったりして気持ち悪い。

なんなの君、何様なんだい?」

「僕は碧さんの介護者兼半分くらい恋人みたいな感じの者です。

なのでべったりしててもいいんですよ、あなたと違って」


あ、歩君も介護だと思ってたんだ。

恋人より先に介護が出てくるあたり可哀想。


不審者が今度は刀みたいな木刀みたいなのを出し鞘?から抜いた。


「おおーと今度は長ドスですか、よくもまぁ次から次にマジシャンかな?

呼んでないのでお帰りください」


歩君はあんまり煽らない方がいいと思うんだけど……。

よく見えないので顔を出すと、義嗣によって背中に戻される。


「危ないからじっとしてろ」


それはそうなのだが、緊張感が薄れたからか気になる。


「何じゃ歩、余興か?

良いぞ良いぞ。存分に斬り合え。

傷は妾がすぐ治してやろう」

「歩わかっているな」

「わかりかねます」


緊張感もなく歩君はわざとなのか相手を舐めた態度で刀を構えてる。

それが癪に触ったのか、不審者が歩君に突っ込んでいった。

ひらりと歩君が避け、二手も三手も先をよんでいるのかその後の攻撃も余裕でかわしてた。

素人目でもわかるくらい力の差があり、まるで不審者で歩君は遊んでいるようだった。

キンッという音がしたと思ったら長ドス?根本?からおられてた。

ただの短い棒に少し刃がついたなんても可哀想な姿になってる。

それでもそれ持って襲いかかる度胸には感心する。

そんな度胸ださないでさっさと帰って二度と来ないで欲しいけど。


「今だ歩!」


お兄さんの掛け声と共に不審者が宙を舞って、地面に薙ぎ倒された。

すかさず歩君がヘッドロックだっけそんな感じの技名のを決めてた。

変質者はもちろん暴れてた。


「歩何やってんだ、力じゃないテコの原理だ。

そう体使え!足で押さえねーと抜け出されるぞ!」


お兄さんが指摘して叫ぶけど、違いがよくわかんない。

格闘技にテコの原理はいるのだろうか?

よくわからないうちに不審者の力が抜けて可哀想な長ドスが手から落ちた。

これは歩君の勝ちでいいのかな?

義嗣を見るとよくやった歩と言ってたので歩君の勝ちでいいらしい。

何はともあれ終わったみたいでよかった。

何でここにあいつがいるの?

嘘だって言って。

気持ち悪い気持ち悪い喋るな。

お前の言う愛って自分のためじゃない。

お前がお前の愛に酔うためのものだろ。

自己中ナルシストサイコパスは帰れ。


歩とお前を比べて偉そうに語るな!

歩は自分の話を聞いてくれるし、好きなことさせてくれる。

それで危なくなったら小言は言われるけど助けてくれる。

お前みたいに自分を管理してお前の都合に合わせて生きて欲しいなんて言わない。

どっちがいいなんて歩以外選ばねーぞばーか。


いっぱい言いたいだけど足がすくみ声が出ない。

もし会ったら絶対言い返すって、絶対殴るって決めてたのに!

なんで動かないの?何で喋れないの?

歩の背に縮こまることしかできない。

この涙は悔しいからなのか怖いからなのか。


『助けてやろうか?』


聞こえてきた声に大きく頷いて心の中で返事を返す。


『助けて親父殿』

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