準備と変化だな。普通?普通が一番だ
三嶋視点
後書き碧視点
最高のクリスマスを過ごしました。
ありがとうお兄さん。ありがとう佐野さん
人気すぎて抽選になったホテルのよくあのレベルの部屋を当てたものだとびっくりしたが感謝しかない。
結構な人員をさいてもとれなかったホテルをやすやすととっているのはもう才能と言えるだろう。
前々から薄々思っていたがくじ運強くないか?
くじ運に女運吸われてないか?
まぁ女難の相が出ていても俺には関係ないのでそっとしておこう。
こいこい荘で学んだスルーすると言うことをここで発揮したい。
そのこいこい荘は今遅めの正月休みを堪能している。
俺とかりんは受験生なので勉強していたが他のメンバーは正月はえんさんの神社でバイトしていたらしい。
みんなでわいわい甘酒のんだり楽しそうな写真が送られてきたのがちょっと羨ましいので来年俺も参加しようかなと考えている。
「歩ーみかんむいてー白いのとってー」
碧のやつ歩に甘えるのがバージョンアップしてないか?
歩さんも歩さんではいはいとなんでも言うこと聞いて大丈夫なのだろうか。
そのことを指摘すると
「基本僕碧さんの意見に最初はイエスしか言いませんよ。
即答イエスか渋ってイエスかどっちかですね。
やってみて悪い影響が出るならとめますけど」
そう言えばそうだな。
歩さんの横でドヤ顔してる碧は放っておいた。
口入れてーと甘えている姿は恋人通り越して祖父と孫にしか見えない。
なんだろう、こいつが甘えれば甘えるほど色気から遠ざかっているように思える。
なんか可哀想なやつだな。
「三嶋は受験生なのにゆっくりしてて良いんですか」
「ああたまには息抜きをだな」
「あ、裏口……」
「違う、ちゃんと正面から入る予定だ!」
こいつもう俺のこと舐め腐ってるだろ。
三嶋さんから三嶋君になり最近もう三嶋だからな。
その下はもうないと願いたい。
「みんな集まってるなら婚約パーティーの件話さないか。
テストやらで途中で止まってただろ」
「良いですね。結局どこでしますか?」
「そのことだが、ここにケータリングでどうだ?
最初と最後だけ指定して間のサービスをキャンセルすれば白百合も鏡子さんたちも参加できるだろ」
「唐揚げは僕が作りますから」
「けーき!はわたし、が」
「わかったわかったその二つはメニューに入れないようにする。
で、ケータリングも費用は俺が出したい。
入れ替わりの時迷惑をかけたからな」
「いやでも三嶋だけ出すなら俺たちはどうすればいい?」
「プレゼントに気合い入れたらいいだろ」
前原と日野が頭を抱え出した。
あいつらにはまだ早かったらしい。
「あ、アリスちゃん一緒にプレゼントしない?」
「いいよ、それも楽しそう」
あ、日野のやつ逃げやがった。
「先輩!バーはバーは呼んでくれますか?」
「そうそれ!シャカシャカしたい!」
「わかったわかった、ノンアルで取り揃えておくよう指示を出す」
「けーたりんぐってなんだい?」
「指定された場所に料理や給仕が来てサービスしてくれること?でしょうか。
私も名前だけで実際はみたことなくて」
「そうですね、佐野さんの言ったことでほぼ合ってます。
今回は給仕は呼びませんが、その分料理を豪華にしてビュッフェスタイルでいこうかと。
広い会場が必要なのですが大丈夫ですか?」
「想像がつかないが広い場所ねー」
「旦那様お庭など良いのでは?」
寒いと思います。
ああ良いねと夫婦で楽しそうにされてますがまだ真冬です。
寒いって。
でもまぁ場所借りるのだ文句は言うまい。
暖房器具もレンタルだな。
「景色はどうする?
私は春が得意だよ。夏なら妹かな」
他で喋っていたのにみんなで黙って場が静まった。
“景色はどうする?”どうもできないだろう。
借りたほうがいいのか?
いやでも春が得意ってなんだ?
頭に大量のクエスチョンマークが浮かぶ。
「旦那様、一回見ていただいたほうがわかりやすいのでは?」
「そうだね。じゃあちょっと失礼して」
えんさんが正座し直して、腕を広げそこから一つ手を打った。
音が響くように、庭の景色の一点から徐々に広がり、桜が咲き緑が生い茂る。
何だこれ?春がきた?
碧が窓を開け外に出る。
「あったかーい」
「本当だーここだけ春だー」
碧と朝川さんが躊躇なく外に出るのにも驚いた。
人智を超えた現象だぞ危なくないのか?
「歩、日野止めなくていいのか?」
「えんさんの力ですよ。
もう僕はね、いちいちリアクションとって驚くのを諦めたんです」
そう言う歩さんはどこか遠くを見てた。
あ、うん、なんかいつもすいません。
歩さんが何も言わず微笑んでいるので危なくはないみたいだ。
ただ俺が理解できないだけで。
「これでどうだい?
やっぱり夏が良いかな?」
「いえ、春がいいです。ありがとうございます」
「いや大丈夫だよ。ではそろそろ術をとくね」
また手を打つと、一瞬で今度はさっきの冬の空に戻った。
寒い寒いと碧と朝川さんが戻ってくる。
「えーとでは景色とケータリングは良しとして他に何かあったら」
「服装どうします?」
「えやっぱりオシャレしてドレス着る?」
女性陣が盛り上がってるが、男性陣はどうでも良さそうな顔してた。
お兄さんと歩は良いとして、こいつらドレスコード持っているのか?
「おい、お前ら意味わかっているのか?」
「?女の子はオシャレだね?」
「違う日野お前ば……あっちがドレス着るならこっちはタキシードだろ。
あいつら一気に格式あげやがったぞ」
「リクルートスーツじゃダメかな?」
「駄目ではないが……正気か?」
「あ、やっぱり?
歩君は何とかしそうだけど前原どうするつもりだったの?」
「え?俺も江口ドレス姿見れるやったーくらいしか考えてなくて。
え?俺もなんかそんな感じの着るんですか?
歩、歩は何着るんだ?」
「制服」
あ、うん確かに。
その手があったかって日野がしてるが、おまえ大学生だろ。
高校の制服着るのか?それはそれで正気なのか?
「お兄さんは?」
「父に借りる」
それはそうだ。
模範的な答えをありがとう。
「俺親父と体型ちげー」とまた日野と前原が騒ぎ出した。
もう俺が借りようか?
「あの!」
いきなりかりんが立ち上がった。
「衣装は私が用意します。
義嗣と私で準備費用をプレゼントとします。
なので、心配無用です」
そんなのがプレゼントでいいのだろうか?
いや、むしろ周りと合わせるべきか。
詫びとしてでもいいが、贈り物と考えたほうが祝いの席にいいな。
「そうだな、衣装は指定の場所で各々選んでくれ。
場所はあとでLIMEする。
もちろん歩もお兄さんもどうぞ」
「三嶋、そこはウエディングドレスも置いてあるのか?」
「……?たぶん?」
「ではお言葉に甘えて将来の予行練習もしてくる」
!!そう言うことか!
え、素敵な思いつきじゃないか。
店側にはとてつもなく迷惑だが、その分料金を上乗せしよう。
俺もかりんに着てもらって、なんなら前撮りの練習してもいい。
タキシードは自分こと思ったが、俺たちも一緒に借りに行くのも楽しいな。
この楽しみのために受験頑張れそうだ。
「では婚約パーティーに向けて色々頑張るぞー」
「「おー」」
と気合を入れて、各々ダラダラし始めた。
うん、このまとまってるのかいないのか。
これぞ俺らって感じだな。うん。
などと騒いでたのを思い出した。
テストも終わり残りは結果が出るのを待つばかり。
裏口だけは絶対避けたい。
というか許されるわけがないので、あとは天に祈るばかり。
この際えんさんにも祈っとくか?
いやあの方縁切りの神様だった。
切られてはこまるのでやめとこう。
二人とも受験結果までドキドキしっぱなしなのも体に悪いしソワソワはとめられないので出かけることにした。
もちろんこいこい荘の誰にも言わず二人きりでだったが、なぜおまえがいる。
「先輩、かりんちゃんちーす」
「ちーすじゃない、邪魔だ、帰れ」
「えー自分も選びに来たんですよ。この日しか時間なかったんですって、わざとではないですって」
「歩は?」
「いませんけど」
「呼ぶならいてよし、いないなら帰れ」
「そんなーかりんちゃんも何か言ってよ」
「歩君いないならねー」
そうだぞ。かりんもこう言ってる。
速く歩さん呼ぶか帰れ。
「でも歩には内緒にして驚かせたいと言うか」
なぜもじもじする。
歩呼ばないなら帰れ。
「それなんかわかる。碧ちゃん可愛いー」
あ、この流れはまさか。
「義嗣は慣れてるから一人でいいよね。
私、碧ちゃんと回るから後で合流しよう」
ですよねー。
かりんさんそう言うとこありますよね。
歩さんがイエスマンだと少し下に見てたが、俺もかわらなかった。
いやむしろ歩さんはあの手この手で一緒に楽しむので俺より上位のイエスマンだ。
俺なんて婚約者からほっとかれてるし。
かりんさん俺何かしました?
こんなことならもう少し遅くに来るんだった。
一人男物のタキシード見てても何も楽しくない。
……ちょっと待て俺の中のお兄さんがウエディングドレスを選べって言ってる気がする。
そうだよ。俺が着て欲しいの選べるじゃん。
かりんが好きなのはまた今度着てもらって今は俺による俺だけの趣味全開のかりんのウエディングドレスを選ぶ時間にすればいいんだ。
いやウエディングドレス以外も選び放題じゃないか?
際どいドレスは流石にないだろうが、ちょっと大胆なやつだって置いてるはずだ。
いいんじゃないかな。
着てくれると思う。だって俺放って置かれてるもん。
詫びに何着だって試着してくれると思う。
うわー楽しくなってきた。
いいんじゃないいいじゃない!わふー。
とテンションあがって厳選した十着ほど持っていくと、冷えた目で見られた。
え?そんなことある?
もうその目線だけで凍え死にそうなんだけど。
「なんでだ?」
「いや試着だけって悪いし」
「何言ってる写真も撮るしチップもはずんでる」
「自分が言うのも何だけど放置してしまったし着てあげなよ」
本当におま言うだけどナイスアシスト。
絶対着てもらいます。
じゃないと俺が妄想しただけの気持ち悪い時間になってしまう。
「じゃあちょっとだけだよ」
そう言って照れながらも着てくれたのでやっぱりかりんは天使だと思う。
ひゃほーい。
数日して謎テンションを抜けた俺はちょっと…いやだいぶあの日を振り返って恥ずかしくなったがかりんのドレス姿がいっぱい写真におさめたので良しとした。
歩が私に甘いっていいことだと思う。
何でも言うこと聞いてくれるってすごく素敵だ。
けど、歩から来ることはない。
自分からしかけないと歩はハグもしてくれなくなった。
それはちょっと違うと思う。
正月、元旦から元気に歩も強制参加で一緒バイトしてた。
ハグの件聞く暇がないくらい忙しく、まともに顔も見れなかった。
で成人式もすぎて一月もだいぶ落ち着いた頃。
歩が遊びに…いや正確にはえんさんに用事を言いつけられてきた日。
終わった頃合いを見計らって自分の部屋に呼んだ。
「歩、最近自分のこと雑になってない?」
「?」
キョトンと首を傾げて可愛い…じゃない。
自分はご立腹なのですよ歩さん。
「ハグもキスも自分からな気がする」
腰に手を当て、胸を張る。
歩はまだキョトンとしてた。
「え?僕からしていいんですか?」
「いいに決まってる」
そう答えると、獲物を見つけたみたいな目つきで笑ったあとハグしてきた。
ちょっと目つきが怖かったけど、いつものハグで落ち着く。
頭を上に向けられたので目を瞑ると、唇にあたる感触のあとなんか口の中に入ってきた。
ぬるりと口内を探るように動くのでびっくりして目を開けると、歩がさっきの目で自分を見てる。
怖くて逃げようとするべがっつり腰と頭を押さえられた。
抱きしめてた手で歩から離れようと力を入れるが全然動かない。
叩いてもやめてくれなくて、息もどうやったらいいのかわからず口を開ければより深くなってしまった。
舌で追い返そうとするも余計に絡みついてきてもうどうすれば正解なんだろう。
パニックになってる自分とは対照的に歩は楽しそうに見えた。
頑張って押し返していた手が歩の服をすがるように掴む。
ある一点が歩の舌が掠ったとき、足の力が抜けた。
バレたらやばいと思って必死に立つも、目敏い歩にはバレてて、そこばがり舌で刺激されついには座り込んでしまった。
やっとキスが終わりハフハフと全力疾走の後みたいに息を吸う。
また歩がキスしよとしたので後ろに退がりながら口を腕で隠す。
「も、もうやだ」
「あー今日はしませんからね、ハグしましょう。
そうだ軽いキスならいいですか?」
まぁそれならいいかな。
手を広げて待つとハグして軽いキスが降ってくる。
やっぱり歩からさせるのはやめた。
好き勝手にされるのは面白くない。
やだって言ってもやめないのは困る。
もっと好きになってもらったらすぐやめてくれるのではないだろうか?
パンツスタイルにしようかと思っていたがやっぱりドレスは歩が好きそうなのにしよう。




