刀と一目惚れ?はは意味不明だよな俺も思ってる
紅稀視点
後書き碧視点
なんかよくわからないうちに終わったが、結局あの狐なんだったんだ?
また来る可能性は残っているし、他にもこんなやつが出てくるよな。
やっぱりデカイ石がついた指輪がいるだろ。
それなりの値段するが、美琴には代わりがないのだ。
そこを惜しんでも美琴がいなくなっては意味がない。
よし今から買いに行くか。
目線で美琴を探すと、嫌そうな顔でこっちを見ていた。
失礼なこと考えてるな。
美琴のそばによると、若干避けられる。
まだ何もしていないのに、嫌そうな顔をしないで欲しい。
流石の俺でも傷つく。
「今指輪のことを考えていたでしょ、いりませんからね」
「今回のこともあったんだ。やはりデカイ石の「いりません」
そういう訳にはいかないだろう。
ムスっとした顔も可愛いが、どうにか笑顔で受け取って欲しい。
「私思うんですよ、デカイ石つけても寄ってくるのには変わりないんじゃないでしょうか。
むしろ強盗ホイホイじゃないです?」
「そ、それは……確かにそうだが」
じゃあ何で美琴には俺がいるって誇示すれば良い?
ただの指輪では美琴に寄ってくるやつを排除できないだろ。
「私って信用がないですか?ホイホイ違う人について行きそう?」
美琴の言葉にハッとなる。
そんなつもりは微塵もなかったのだこれはただの俺の我儘を押し付けだったんだな。
「うーんしょぼくれた顔しないでください。
だいたいなんのためにペアリング買ったんですか。
今はこれで十分効果ありますから、ね。
焦っても仕方ないこともありますって」
「そうか?」
「そうですよ。私、器用な方じゃないですから、今は学校とバイトで精一杯です。
新しい生活を始める余裕はまだないですよ。
紅稀さんだって、来年試験ですよね。
もう少しゆっくり進めましょうよ」
「……そうだな」
今は美琴から一緒の未来を考えてる的な言葉が出ただけ良しとするか。
……新しい生活…そうだよないきなり結婚するのも有りだと思っていたがその前に同棲するのも面白そうだな。
「また何考えてるんですか?」
「同棲もありだなと思っただけだ。そう呆れた顔するな」
「まだマシな答えで安心した顔です。
今は思うだけにしてくださいね」
厳しいなと苦笑いしていると、目の端で歩が祇園様から刀を受け取っていた。
あいつまた凄いの受け取ってるな。
こっち見たので、首を横に振る。
俺はいらん。
受け取ったおまえが悪い。
「なんだこれでは不満か?
やはり槍の方が良いか?」
「いえそういう訳ではないのですが…今の日本の法律に引っかかると言いますか畏れ多いと言いますか。
僕自身そんな役に立ってなかったので」
助けを求めるようにキョロキョロと俺たちを見るが、こっち見ても何もできねーよ。
自分の蒔いた種だ。どうにかは自分で頑張れ。
この件に学んで、お節介もほどほどにするんだな歩。
「気にするな、おまえは役に立ったどころではない、我らを繋いだ仲人と言っても良い。
それと手足を切り落とした詫びも含んでおる。
遠慮するな」
珍しい祇園様からのスマイルに歩もたじたじになっている。
だからこっち見んなって、どうにかできる相手じゃないだろう。
「日本の法律で持ち歩けないのでここに置かせていただいても」
「そうか難儀な世の中だな。
辻斬りにはどうして対抗しているんだ?」
「辻斬りは全滅しました」
歩も必死でちょっと笑えてきたが笑うとこっちに火の粉が飛んでくるので我慢する。
「きゃー素敵な方」
声をする方を見ると全身真っ白な女が立っていた。
思わず、美琴を抱きしめゆっくり後退する。
「お名前はなんて申されるのです?」
歩の持ってる刀に顔を近づけ、名前を聞いている。
普通なら頭がおか…かわった人だと思うだろう。
だがここはこいこい荘。
電話だって犬だって鏡だって喋るのだ。
もう何が喋り始めてもおかしくない。
「あのどなたですか?」
「まあわたくしたっら、つい興奮いたしまして不躾な態度申し訳ございません。
わたくし主人の愛刀でございます、雪に蓮花で雪蓮花にございます」
「せつれんかさん?」
「どうぞ愛称のゆきかとお呼びください」
妹の顔が凄いことになっている。
困惑と嫉妬が入り混じるってあんな顔になるんだな。
兄妹だなと思う反面、あいつ何にでも妬くな。
流石に無機物には妬かんだろう。
いやでもあんだけ美人なら心配になるのか。
俺が同じ立場だと考えたら、いもしない相手に妬けてきた。
ふむすまん妹。兄も同じ穴のムジナだ。
歩が持ってる刀が光ったと思ったら少し離れて人形になり黒い着物をきた男の人になった。
「……某は 様に打たれた太刀の一振り。
……号はまだござらん」
「歩が喜ぶと思って に歩のために打ってもらったばっかりだ。
名は歩が決めるといい」
重い、重いよ祇園様。
俺も人のこと言えないが、思いが重たくて空回ってるよ。
歩も口元を必死であげて笑おうとしているが目がピクピクしている。
あいつ、人外に好かれるよな。
なんかそんなフェロモン出ているのではないだろうか。
あ、妹の顔が一段と険しくなった。
見なかったことにしよう。
にしても、巻き込まれないなら歩見てる分には面白いな。
あいつ何にでも巻き込まれて可哀想だがおもろい。
「ありがとうございます。な…名前ですか」
何となく黒い人もワクワク顔してるぞ。
変な名前だと斬られやしないかヒヤヒヤしてきた。
「……椿烏?
烏は黒い刀身からで、椿が花首を落とすように一振りで斬り落としそうなので。
あ、違うのにします」
「いえ…有り難く存じます」
命名も終わったので何となく拍手したら周りもつられて拍手した。
あいつこれでもう逃げられないな。
可哀想に。
あ、だからこっち見んなってそんな捨てられた子犬みたいな顔してもどうしようもないだろう。
自らハマっていってるやつをどうしろと。
これいうと全力否定するけど、普通はな対応しないで見守るものなんだよ。
たとえ困りごとの中心が妹であってもそっとしとくべきだったんだよ。
かっこつけたのが運のつき…いや妹と会ってしまったのがこういうことになる運命だったんだ。
受け入れろ。
えんさんが奥で嬉しそうに手を叩いているのは見なかったことにしよう。
俺は将来獣医になるという夢がある。
妖怪退治などしてる暇ないのであとのことはよろしく。
「これで縁切りの神社も安泰だな」
「そうだね、歩が継いでくれて嬉しいよ」
だからこっち見んなって知らんよ俺は。
本当に将来のことも考えてるなんて思う訳ないだろ。
冗談で妖怪退治など心の中で行ったのが当たると思わなかった。
不安そうに俺らを見るが、巻き込まれたくないので視線を合わせない。
「僕よりお義兄さんのほうが」
「歩、俺は獣医になり一匹でも多くの命を守る使命がある」
「じゃあ、日野君が」
「ごめんな歩君。俺喧嘩苦手だし、それに俺にも災害に強い建物を建てるっていう夢があるんだ」
「み、三嶋が」
「俺は三嶋グループを継ぐ。
何万という社員とその家族を路頭に迷わせるわけにはいかないのだ。
それは片手間でできることじゃない」
「僕にも普通の仕事して普通の家庭を持つ夢がですね」
「大丈夫歩ならできる。
ちょーと仕事が特殊なだけで普通の家庭はもてるさ」
「あの…俺には聞かないの」
「総真は…最終的に僕がしなきゃいけない気がするし友達は巻き込めない」
歩かっこいいこと言ってるけど本音は最初のだろ。
前原も感動してるとこ悪いけど、おまえじゃ無理だと俺も思う。
騙されやすくて、お人好しなおまえだと祓う前に取り憑かれそうで心配しかない。
あうあうと何か言いたそうにしてるが頑張れ歩。
意外と流されやすいからなおまえ。
まぁどうするかは歩次第ってことでそろそろおいとましよう、美琴連れて。
ちょっと時間はズレたがもともとデートの約束だったんだ。
この辺でいいだろう。
美琴に目配せし、一緒にリビングを出る。
廊下に出ると、気まずそうにこちらを見てきた。
「なんだ?」
「この前のこと謝りたくて」
「ああ、別にいい。どうせ妹の発案だろ。
気にするな…いや気になるよな」
「な、なんですか?」
頬に手を当てると、美琴は一瞬で真っ赤になった。
俺の考えてることわかったらしい。
「詫びに今日はなに着てもらおうか」
楽しくて笑うと真っ赤なまま俯いてしまった。
揶揄いすぎたが、まぁいい。
暗い顔より百倍ましだ。
荷物をとりにいかせ、降りて来た美琴と手を繋ぎ二人で車に乗り込む。
久しぶりにドックカフェに行くと何故か犬が寄ってきた。
座るとめっちゃ臭いを嗅がれる。
何かしたか?
あ、あの狐のせいというかおかげか。
釈然としないが、いつもと違い犬が周りに寄ってくるのでそれはそれとして楽しんだ。
で夕方になり明日も休みなので、最近行きつけになりつつあるホテルにきた。
ベッドに腰掛け美琴が出てくるのを待つ。
「あのー本気ですか?」
「準備できたか?こっち来いよ」
「笑わないでくださいね」
「ああもちろん」
脱衣所からそろーと出てきたのは黒いミニのワンピースに黒い猫耳カチューシャつけた美琴。
コスプレには興味なかったが、あの美琴が恥ずかしがってもじもじしていると思うと、楽しくてやめられない。
俺の前に来たので腕を掴み足の間に引き寄せる。
「尻尾もはえてる」
「…ん…だめ」
これ付けるときどんな顔でつけたのだろうか。
見ればよかった。惜しいことした。
絶対嫌がるが今度見せてくれないだろうか。
腰のラインをなぞるのをやめ美琴を膝に乗せ抱きしめる。
「あの狐に触らせなかっただろうな」
「当たり前です。人を尻軽みたいに言わないでください」
「悪い悪い。ただ美琴が嫌がってもあいつなら触ってきそうじゃないか?」
「それはそうですけど」
「悪かったって、確認したかったのと俺が優越感を満たしたかっただけだ」
「満たされました?」
「ああ、存分にと言いたいがまだだな」
美琴の腕が首に回ってきて美琴から唇を合わせてきた。
いつもは最初恥ずかしがってしないのに珍しい。
少し口を開くとおずおずと言った感じに舌が入ってくる。
今日はそう言う日かと好きにさせる。
時々思い出しているのか止まりながらゆっくりと俺とのキスの記憶をなぞってた。
しばらくして離れるとどこか勝ち誇った顔してる。
余裕な表情も可愛いな。
「だがやっぱり美琴は泣きそうな顔で俺の下で喘いでるのが一番興奮するよ」
体勢を入れ替えてベッドに押し倒すと、びっくりしたあと眉と目尻が下がり目が潤んで顔でこちらを見ている。
この顔も可愛くて好きだ。
「夜は長いゆっくり楽しもうな」
ムカムカする。
刀相手にどうかと思うけどしょうがない。
無機物に妬き出した自分にびっくりだけど、あんな美人だし愛刀ってなんだ。
歩も歩で鼻の下伸ばしてる。
浮気だ。明確な浮気だ。
それに歩の将来を勝手にえんさんたちが決めてるのもムカムカする。
歩の将来は歩が決めるものだし、自分が蚊帳の外なのも面白くない。
歩は自分のだって歩が言ったのに、自分の断りもなく勝手に決まってるのがイライラする。
ムカムカもするのがおさまらない。
歩の話題も終わりお昼ご飯の話題に移ったので歩に目配せするとさすが歩。
わかったらしく自分が部屋に戻ると少ししてノックがあり開けると歩がいた。
少し乱暴に腕を引っ張って部屋に招き入れる。
ドアが閉まってのを確認してから歩に抱きつく。
着物からえんさんの匂いがして嫌だ。
離れてクローゼットから大きめの自分の服を出し歩に渡す。
「着替えて」
「え?でも」
「着替えて」
受け取らないので押し付けて、歩と反対の方を向いた。
シュルっと衣擦れの音がする。
……あれこれなんかエッチな気がする。
自分そんなつもり1ミリもなかったけど、あれ?
一人パニックになってると、「終わりました」と言う声で歩の方を向く。
あれ?ぴったりどころかすこし丈が足りてない。
これ自分には結構大きかったのだけど…あれ?
再度抱きつき、匂いが歩といつもの柔軟剤になったので少しイラつきがおさまってきた。
「碧さんどうしました?」
通常運転な歩にまたムカムカして首の後ろに腕を回し顔を近づけてからキスをした。
いつの間にか背が高くなっているのもまたムカつく。
腰に回った手に気分を良くしてキスを続ける。
歩が少し唇を離した。
「碧さんご機嫌なおりました?」
「……まだ」
「そうですか」
戻ってきたので目を瞑り受け入れた。




