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こいこい荘はそこを曲がったところですよ  作者: 蜂蜜
Q.これはあなた(のorが)?

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21/29

ははは、何すかそれ

慎太郎視点

後書きアリス視点

アリスちゃんとのデートも慣れてきて、離れがたくなってきた頃。

人間よく深い生き物で恋人になれただけでいいなんて言ってたが、やっぱりその先も欲しくなった。

なのでもうちょっと先に進んでもいいかなと思うんですよ。

例えばキスとかキスとかキスとか。

こいこい荘でバーベキューした時三嶋と一条さんがキスしてるのが見えた。

すぐに見ないふりしてUターンしたけど、正直羨ましかった。

俺もアリスちゃんとキスしたい。

何回かそう言う雰囲気になったが邪魔が入ったり、場所が悪かったりでできてない。

デートはもっぱら図書館などで人前どころか公共の施設ですることじゃない。

俺らが行くとこはどこも健全すぎてできないのだ。

そこで俺は閃いた。

お泊まり、旅行に出ればいいんじゃないかと。

そしたらこいこい荘のメンバー特に上田さんから邪魔されないし、思う存分イチャイチャできると。




「でどう思う歩君」

「なんで僕なんですか、三嶋君でもよくないですか」


俺は歩君に話があると駅前のカフェに呼び、ケーキセットを奢るのでと相談に乗ってもらってる。

さすがにキスしたいから旅行するとは言っていない。

あと何故か上田さんがいるが気にしないでおこう。


「三嶋は金持ちすぎる。

コンビニ感覚で旅行行くだろ。

庶民の気持ちわかるまい。

お兄さんはあの人そういうのスマートにこなしすぎて真似できない。

前原は前原だろう。

えんさんと祇園様はほらあれだから」


歩君がえーって顔するが、そこを何とかとお願いする。


「だからって高校生に相談って。

他にお友達いないんですか?」

「いるけど、アリスちゃんのこと知ってるのは君だけなんだ。

どうしたらいい?」


田中になんて相談してみろ、絶対ガチ説教くらうに決まってる。

他の友達は話半分で遊ばれて終わるだけだ。

もうこの際高校生だろうと歳下だろうと関係ない。

安心安全の歩様しか相談できないのだ。

嫌そうな顔はやめて欲しい。

意外と俺は繊細でハートが脆いのだから。


「僕もクレイジーさんこことあんまり知りませんよ」

「大丈夫、むしろ知ってたら知ってたで俺が嫉いて歩君に何かすると思う」

「怖いんですけど。

はぁー、じゃあ三パターンほど案出しますね」

「おお」

「一つ目、王道で夢の国。

二つ目、日野さんが言っていた温泉巡り

三つ目、午前は外で遊ぶ系をして夜星を見て温泉付きのホテルに泊まる」

「うわー迷うな」

「日野さん、こう言っては何ですけど、クレイジーさんと一緒に決めたらダメですか?

クレイジーさん、旅行するならその前段階も一緒に楽しみたい人な気がしますけど」

「た、確かに」


歩君の言葉に目から鱗が落ちたようだった。

そうだよな、確かにアリスちゃん一緒に考えるのも楽しんでくれそう。

サプライズばっかり考えていたが、それより一緒の方が好きそうだ。

やっぱり歩君に相談して正解だったな。


「十月は巫女舞あるから無理」


上田さんがストローに口をつけながらぼそっと言った。

え!またあの巫女衣装見れるの?

やばい興奮してきた!


「じゃあ旅行は先だな」

「冬は冬でスキーしたり星が綺麗だったりいいことありますから。

それに今からホテルおさえとくと安くもなりますし」


慰めてくれてありがとう。

忘れないうちにメモをとり、アリスちゃんのことを上田さんに色々聞いてその場で解散した。

ケーキセット二つでこの情報は得した気分だ。

ホクホクで帰りながらも、旅行は当分先になりそうなのでガッカリして肩を落とす。


歩君のアドバイス通り次会った時、素直に旅行の件を相談したらとても嬉しそうに返事してくれた。


「私もお泊まりしたかったの!」


多分いや絶対彼女に他意はない。

俺の下心なんて微塵も感じていないようで嬉しそうに提案に乗ってくれた。

あーそんな純粋な目で見ないで、汚れきった俺は眩しくて見れない。

いつもの図書館では相談しにくいと言うことで、駅の近くのネットカフェで旅行の計画を立てることになった。

初めて入ったけど、思ってたより個室になっていて程よい狭さが落ち着く。

カップシートという響きもいいよね。

改めて俺たちカップルなんだーと思いジーンとする。

個室と言っても結構声が漏れるから、コソコソ話で耳元で喋り合うのも良い。

アリスちゃん今日も良い匂いでありがとうございます。


「どこ行こっか」


もう何処にでも連れて行きたい。

まぁリアルな話そんな大金はないのでできる範囲でだけど。でも初回だけは特別なとこ行きたい。

二回目も三回目もそれ以降も特別だけど、やっぱり初回は軸になるのだからより特別だ。

つまんない次行きたくないなんてアリスちゃんは言わないが、思われたくない。

あとは下心を隠さねば。

そう言うのにわかってなそうなのに敏感だからな。

怖いから嫌、行かないなど言われかねない。

落ち着け俺、さりげなくさりげなくだぞ俺。


「夢の国にとか遊園地系も良いけど温泉でのんびりも良いよね」


浴衣姿に薄ら上気した肌。

絶対エロい。好き。

あーでも夢の国でキャラカチューシャつけてるのも可愛くて萌える。

うわーどっちも捨てがたい。

俺が大富豪ならどっちも叶えるのに。

やばいやばい下心というかスケベ心が全面に出てた。

しまえしまうんだ俺。


「夢の国行ったことない」

「そうなの?じゃあ行くなら初だね」

「でも温泉も良いね」

「良いよね。あ、アクティビティとかもどうかな。

多分行くのは冬か春かになるけど、冬だったらスキーとか星見たり、春だったらカヌーとかダイビングも良いよね」

「素敵どれも楽しそう」


楽しそうにされてるあなたの方が素敵です。

目がキラキラして頬が上気して可愛い。

もう抱きしめてキスしたいけど、今したら絶対逃げられる。

吸ってー吐いてーを繰り返して衝動をおさえる。

今アリスちゃん秋祭りでいっぱいいっぱいなのに余計な悩み事増やさないようにしないと。

この笑顔で俺は幸せなのだから、欲を出さない。


「ネットでおすすめ調べようか」

「そうだね」


可愛すぎるアリスちゃん見てたら引っ込めた欲が出てきそうだったので、気分を変えるためにパソコンの方を向くとなんかいた。

おいなんかいるぞ。

何だよこれ?

え?こんな人形あった?

動いてるけど、何これ?

小さいおじさん?

パソコンの後ろにわちゃわちゃと何匹?何人?もいる。

こっちと目が合うと逃げていった。

一部の壁が黒くなっていってそこに逃げ込むように入っていく。

あ、一匹こけた。

それをアリスちゃんが躊躇いもなく掴んだ。

え?俺の可愛い彼女が小さいおじさんを鷲掴みにしてる。

今の状況を言葉にしてみたが、よりわからなくなった。

訳がわからずアリスちゃんをぼーと見てたら、鞄から空の瓶を出しその中に小さいおじさんを入れ蓋をする。

アリスちゃんは嬉しそうに笑った。

うん、笑顔可愛い。

じゃない、何で空瓶持ってんの?

ってか捕まえた?

それ何?

触ったけど大丈夫なの?

疑問だらけだけどとりあえずは


「捕まえてどうするの?」

「ん?みんなに見せるよ」


あーこの笑顔優勝!

なんかよくわからん生物が入った瓶持ってるけど、どうでもよくなる可愛さ。

アリスちゃんの笑顔でみんなIQ下がって平和になるんじゃないかなってくらい可愛い。

瓶の中のおっさんが絶望顔でこっち見てるけど、考えないことにした。

見てない見てない。

アリスちゃんの可愛さしか俺には見えない。

たとえ意味わからん行動をとっていたとしてもアリスちゃんは俺の可愛い彼女だ。

中身がちょーと人とズレた天然さんなだけで悪意はないのだ。

タチが悪さはそう変わらないけど、うん、嬉しそうな笑顔可愛い。


アリスちゃんの笑顔可愛いで脳内を埋め付くそうとしたが失敗した。

見てないふりを頑張ったがやっぱりおっさんから目が離れない。

……こんなの持って帰ったら絶対他のやつ、特に歩君から怒られるだろうな

頭の片隅に浮かん懸念が段々と大きくなる。

怒られたくないけど、アリスちゃんのこの笑顔は守りたい。

いやでも、正直言うとこんなよくわからん生き物なのかも怪しい物体、逃して見なかったことにしたいし、いち早くアリスちゃん連れてこの場所を離れたい。

黒い穴から仲間のおっさんがチラチラこっち見てる。

何かされても俺では対応できないぞ。

それにある意味これは誘拐なのだろうか?

あっちからしたらそうだろうな。

うーんどうするか。

こういうの得意な歩君呼ぶ?

うん想像だけでもめっちゃ怒られることだけはわかるのでやめた。

あの方、優しそうな顔してるのにめっちゃ怖い。

オーラというか圧がすごいのだ。

それにバックにいる方も神様とか訳からなくて総じて怖い。


よし、ここはこいこい荘男子LIMEグループに相談だ。

『至急彼女が小さいおじさんを捕まえました。どうしたら良いですか?

彼女がみんなに見せると良い笑顔です

守りたいこの笑顔』と打って送信した。

すぐ返事が何件も届く。

たぶんこのグループだけはみんな即レスするよう心がけてると思う。

だいたい至急の時はろくなことないからみんな必死だ。

どれどれお兄さんからは『笑顔だけ守ってどうするすぐ逃がせ』ごもっとも。

前原は×のスタンプ、こいつすぐスタンプに逃げやがって。

三嶋は『ペット増やすな』それはそうだけど…。

散々な返信しか来ない。

おれは解決が欲しいのだ。

逃したいのは俺も同じだ。

よくわからんペットもこれ以上増えて欲しくない。

彼女が小さいおじさん飼うとか字面だけでももうやばい。

どうするかという時に歩君から

『瓶は、危ないからと日野君が鞄に入れて持って、トイレか何かに行ってる時にこっそり逃してください。

その後はこいこい荘に着くまで鞄を開けないでください。

着いたら勝手に逃げたことにしたら大丈夫です

絶対逃してる場面を見られないように』

さすが歩君!良い案だ。

ただ、俺の地位がこっそり下がってる。

日野さんが日野君になってる。

そろそろ慎太郎と呼び捨てになるのも近い気がする。


瓶を突いたり眺めたりしてるアリスちゃん、可愛いけどごめんね。そいつはさよならです。


「ちょっと早いけど出る?」

「来たばかりだよ?」


ですよね。俺も思う。あーこう言う時どうすれば。

頭から捻り出した。


「そ、そいつ早く見せなくていいの?」

「!確かに」

「何かあっても危ないから俺が持ってるね」

「うんありがとう」


うう罪悪感、ごめんね。

小さいおじさんがこっち見てるけど、あなたは見んな。

じゃあとバッグに入れる。

さていつ逃すかだな。うまくできるだろうか。


「私ちょっとトイレに行ってくるね」

「うん、俺忘れ物ないか確認しとくから先行って大丈夫。

荷物持っていくね」

「ありがとう」


またしても罪悪感が出るが笑顔で送り出す。

ドアが閉まったのを確認して急いで瓶を取り、体育座りして絶望顔してるおっさんをパソコンの後ろにそっと出した。

ぺこぺことおじきしてるけど、そんなのいっからさっさと逃げろよ。

だから捕まるんだよ。

アリスちゃんに見られないように瓶をバッグの奥にしまい、忘れ物ないか確認してアリスちゃんの鞄を持って部屋を出た。

よし、あとはバレないようにこいこい荘に送るだけだ。


会計をしているとアリスちゃんが来たので、手を繋いで店を出た。

小さいおじさんについて嬉しそうにしてるけどごめんねとだけ心の中で呟く。


罪悪感に潰れる前にこいこい荘に着いた。

コッソリと息を吐く。

玄関先まで来て、もうダメだと思った。


「あがる?」

「いや良いよ…ごめん小さいおじさん逃した」


もう無理、黙ってられなかった。

じっと見つめるアリスちゃんにもう一度ごめんと謝る。


「みんなに見せたかったのに。

えんさんなら小さいおじさんが何かわかったはずなのに」


二、三回胸を叩かれたが可愛いしかない。

ぎゅっと抱きしめてごめんねと謝る。


「言い訳するならアリスちゃんに何かあるかもと思ったら怖かったし、それに小さいおじさんも仲間と一緒がいいかなと」

「それはそうだけど…。

何かしりたかったのに」

「不思議な生物は不思議なままにしとこうよアリスちゃん。

危ないことはしないってお約束したでしょ」


腕の中で可愛い子がううっと唸ってるやばい。

我儘言ってるアリスちゃんもなんて可愛いのだろう。

はぅ俺の彼女何しても可愛い。


「今日小さいおじさんが気になって寝れない。

慎太郎君何か別のこと、インパクトあることして」


それはいいのだろうか。

アリスちゃんが言ったんだ、よしと覚悟を決め軽く唇同士を合わせると、特にリアクションはなかった。

これくらいじゃインパクト足りなかったのかもしれない。

アリスちゃんの頭の手をやり上を向かせる。

さっきより長く唇を合わせ、何度か短いキスをチュチュと音を出しながら繰り返す。

されるがままなのも可愛い。

またしても微動だにしないのでもう少ししても良いのかな。

アリスちゃんの唇に舌を這わすと一歩後ろにさがろうとしたので腰にある手に力が入る。

今まで開いてた目が閉じ、口が少し開いたので舌を入れてゆっくり堪能する。

あうとかんうとか声可愛い。

もっと聞かせて欲しくて、さっき見つけた口内の弱い部分を執拗に責めると背中を叩かれた。

その弱々しい力加減も可愛すぎてもっと責めて虐めたくなる。

まぁ嫌われたくないしこれ以上は俺が止まれなくなるので口を離した。

真っ赤な顔で目を潤ませ俺を睨んでるが可愛すぎる。

もう一回と思って顔を近づけるとアリスちゃんの手で防がれた。


「もうダメ違う、違う」


必死になって逃げようとしてるけど力が弱すぎて意味ないの可愛い。

違うって何がだろうと尋ねたら「キスじゃない」と半泣きになってる。

あー連れ帰ってもっと泣かしたい。

部屋に閉じ込めたら怖いって泣くだろうな。

吸ってー吐いてーして真っ黒な思いを封をして閉じ込める。


「キスじゃなかったら何だった?」

「面白い顔とかお話とか…もう帰る」


えー帰るの?

俺の部屋に来ないと誘ったところで来ないだろうし、一ヶ月くらい会ってくれないだろうな。


「じゃまた明日ね」


と可愛いつむじにキスすると脱兎の如く玄関を開け靴を放り出し逃げて行った。

ああ可愛いすぎやしないか。

俺は満足しながらアリスちゃんの脱ぎ散らかした靴を揃えて玄関を閉めた。


うんこれは一週間くらい逃げられるな。

衝動を抑えられなかったじぶんを責める。

だって可愛かったんだもん。

それにお誘いだと思うじゃん。

あーーーー。

これもあれも小さいおじさんのせいだ。

恨むよおじさんでもありがとう。

アリスちゃんとのキスめっちゃやばかったです。

ありがとうございます。


人気がなかったのでスキップしながら帰った。

途中で躓いて転けそうになったがご愛嬌だ。

なんせ今日の俺はアリスちゃんとキスしたのだ。

もうこれは無敵である。

走って逃げて自分の部屋に飛び込んで鍵かけた。

ベッドにダイブしてあーーーと叫ぶ。


キスされたキスされたキスされた!

意味わかんないなんで?


小さいおじさんのことで怒ってたのに、なんでキスするの?

し、しかもなんか口の中入ってきた。

苦しくてやめてって言ってるのにやめてくれないし。

あーーーもう!


………あーーーーー!!

思い出してやっぱり恥ずかしくなる。

キスってあんなに顔近いとか聞いてない。

トイレでお化粧直しとけば良かった。

絶対ファンデ浮いてた。


慎太郎君も慎太郎君だ。

何故あの時キスしたの。

絶対さっきじゃなかった。

もっと…違うそう言うことじゃない。

キスしたそうだなって感じる時はあったけど、慎太郎君だから大丈夫だと思ってた。

軽く唇が重なるくらいだと思ってたのに、あんなあんなことするなんて信じられない。


ああもう!

こんなの明日会える訳ない!


「アリス大丈夫?なんかあった?ご飯食べれる?」

「美琴ー慎太郎君がキスしたー」

「おーよしよし。そうかとしか言えないけど話だけは聞くよ」


今日のことを最初から説明すると美琴は青くなったり赤くなったり忙しそうだった。


「あーその男女のあれこれはよくわからないけど、小さなおじさんは持って帰ってこなくて良いからね」

「えー美琴にも見て欲しいのにー」

「おじさんが可哀想だから良いよ。

ほら落ち着いたらご飯食べよ。

今日は魚の西京焼きだよ」

「好きー」


おじさんのことも慎太郎君のことも頭の隅にやられ、魚の西京焼きが頭をしめる。

自分って単純だなって思いながら、美琴と一緒にリビングに向かった。

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