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こいこい荘はそこを曲がったところですよ  作者: 蜂蜜
Q.これはあなた(のorが)?

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14/29

いえ、預かり物です

アリス視点

後書きは慎太郎視点

またえんさんが申し訳なさそうに朝食後のリビングに入ってきた。


「いやーどうしても髪が伸びてしまうんだよ」


手には女の子と男の子?の髪が伸びた日本人形が二体あった。

伸びてしまうと言われても。

私達にどうしろと?

本職えんさんが無理ならもう無理だよ。

みんなの顔見たがみんな横に首を振る。

私もえんさんに向かって首を横に振る。

普通に怖い。


「えーとたぶん遊んであげたら成仏してくれると思うんだ」


遊ぶ?お人形遊びなんてしたことない。

よくわからないので縁さんを見たが、縁さんも首を傾げていた。

かりんちゃんと七海ちゃんはビクビクしてるし、美琴ちゃんも腰がひけてる。

碧ちゃんは首を傾げてた。

誰も遊べないのだが、どうしよう。


「とりあえずお人形遊びで調べてみるね」


スマホにお人形遊びと検索するとすぐ出てきた。

さすがスマホ様だ。


「ごっこ遊びやお世話遊びだって。

あ!大人の遊びはヘアカットしたりお洋服作ったりしていろんなとこで写真撮るらしい」

「それならいけそうですね。ヘアカットは任せてください。

洋服はどうします?布巻きつけるわけにはいかないですよね」

「私に任せて、洋裁和裁どちらもできるわ」


おお頼もしい二人組だ。


「じゃあお化粧は私が」

「では買い出しは私と七海ちゃんで行こっか」

「じゃあ私カメラマンやる」

「では始めますか。

どんな感じにします?」

「せっかく男女一体ずついるからカップルっぽく撮りたいよね」

「良いですね。和もいいけどレースもいいな」

「あのー私ここで撮るなら大正浪漫風が良いかなーって」

「それめっちゃいい!

画像検索してイメージ固めよう」


みんなでスマホをいじりあーでもないこーでもないと意見を出して決まった。

男のは袴に中は白シャツきてマント所謂書生さんスタイル、女の子はフリルのブラスを中に着て赤い着物小物はレースでまとめて髪を大きなリボンでとめたお嬢スタイルに決まった。


決まると速かった。

それぞれ役割分担して作業を始める。

私も写真のセットに使えそうなのないか探す。


一時間ほどで準備が終わる。

さぁ本番始めるぞーってとこでまた人形の髪が伸びた。


「あーもう伸ばさないでよ。

今からセットするんだから」


ハサミを持った碧ちゃんが人形達を叱る。

表情は動かないけど、しゅんとしたように見えた。


「お客様動かれると大変危険です。

丸坊主にされたくなければ動かないことですね」


碧ちゃんが脅すとそれまでカタカタ動いていた人形が止まった。

人形も丸坊主は嫌なようだ。わかるー。

シャキッシャキッとハサミの良い音とカタカタと規則正しいミシンの音。

何となく楽しくなってきた。

ピンポーンとインターフォンが鳴ったので出てみるとかりんちゃんの婚約者君がいた。

正直名前は覚えてない。


「んーとりあえずあがって」


とりあえず上がらせてかりんちゃんのいるリビングに通すと


「あ、義嗣ごめん今忙しいからまた今度で」

「いやいや、ここで待たせてもらう」

「好きにしたら」


と冷たくあしらわれていた。まぁでも仕方ないよ。今楽しんだもん。

良い感じに髪が仕上がりおーと歓声が上がる。


「めっちゃ良い!」

「可愛いー、すごい良いねー」


口々に褒めると人形も満更ではない顔をしたような気がする。

とりあえず一枚撮っておくか。


「お二人さんはいチーズ。

可愛い、あ!この加工アプリ使うにはどう?」

「それ良いー、これとか可愛いですよ」


猫耳が出る加工をしお人形に見せる。

表情は変わらないが、何となく女の子の人形が喜んでるようにカタカタ揺れた。


「可愛いよねー」


同意してもらえて嬉しい。

縁さんも服ができたみたいで、みんなで服を着せ替える。


またインターフォンが鳴ったので私が出ると、今度はお兄さんが立ってた。

どうしようかと思ったがとりあえずリビングに通す。


「あ、お兄さんごめんなさい今手離せないのでそこでお茶飲んで待っててください」

「ああ」


お兄さんは婚約者君に会釈すると隣に座った。

何とも美琴ちゃんらしく雑である。


着替え終わった人形を今度は美琴ちゃんがメイクし始めた。

日本人形って今風のお化粧ばえる。

めっちゃ可愛い。

卓上ミラーで見せると、女の子の人形が動いた。

じっと鏡を見ている。

わかるー初メイクの時え?これ私ってなるよね。

男の子方は特に興味なさそうだ。

女心がわかんない人形だな。


またインターフォンが鳴ったで出ると、慎太郎君だった。


「約束してたっけ?」

「あ、いや近くまで来たから」

「ふーん、どうぞ」


暑いので中に入ってもらいリビングに通す。

せっかく来てもらったが今それどころではないので、お茶出して待って貰った。


「せっかくだからこう言うセット買ってきました」

「書斎だすごい!リアル!」

「椅子もこんなのあったよ」

「えーすごーい天才ですね!」


女の子の人形に座ってもらって写真を撮る。

ポーズを変えたり小物を変えたりして何枚も撮る。

すごい、めっちゃ楽しい。


「カメラ楽しすぎる」

「私も撮りたいです!」

「じゃあ私も」


とみんな撮り出すと、女の子の人形はノリノリでポーズをとり始めた。

いいねーモデルだねー。


またインターフォンが鳴ったので仕方なく出ると、なんか見たことある男の子がいた。

あのーえーとと言ってるが誰だっけ?

その後ろから歩君が走ってくる。


「お久しぶりですアリスさん歩ですよ。

今日は碧さんに会いにきました。

入っても良いですか?」

「いいと思うけど、良いのかな?」

「良いんです良いんです。ほら、前原君も入りましょう」


あ、思い出した七海ちゃんに片想いしてる前原君だ。

碧ちゃんに邪魔されまくってる可哀想な子だ。


二人とも知らない中ではないので入れる。

うーん碧ちゃんに怒られそうだけど、追い返す理由ないしいいか。


「碧さーん、碧さんの大好きな後輩の歩がきましたよ」

「呼んでないし、今忙しい」

「碧さん、今ハグするのと、散々周りで喚かれてからハグするのどっちが良いですか?

今ハグしてくれるならそれはもう大人しく待ってますけど」


碧ちゃんはスマホをおき、渋々と言う顔で歩君にハグをしてすぐ離れた。

歩君は満足そうに、男性陣の方に移動する。

その手があったかって男性陣がしてたけど、私はしないよ。


「やっぱり書生さんとお嬢様の禁断の愛って感じで良いですね」

「だよね萌える」

「愛し合う二人とそびえ立つ身分差」

「いいねー」


みんなで一緒の妄想するの楽しい。

キャッキャしてると、不思議そうに婚約者君が聞いてきた。


「君たちはさっきから何しているんだ?」

「「お人形遊び」」

「その年でか?」


たぶん彼は純粋は疑問なんだったんだろうけど、この言葉にお人形は馬鹿にされたと思って髪がめっちゃ伸びた。

せっかく切ったのに、一メートルくらい伸びた。

どこにそんな入ってたんだろう。

男性陣から悲鳴が上がるが、気にしない。


「もう義嗣のせいでせっかくセットしたのが台無しになったんですけど」

「それはその悪気はなかったが悪かったな。

あのその、その人形呪われてないか?」

「碧さん大丈夫です?燃やします?」

「呪われてないよ。ただ髪が伸びて動くだけ。

遊んでたら成仏するんだって」

「そ、そうですか」


男性陣ドン引きしてるが、可愛いと思うんだけどな。

碧ちゃんがお人形の髪をカットしセットし直す。

さっきと違う髪型に、こっちもかわいーってなった。


「せっかくだし家だけじゃなくてどっか行って写真撮ろう」

「良いですね!」

「どこ行きます?」

「海で貫一とおみやごっこする?」

「足蹴にするやつでしょーえ?やりたい!じゃあさっそく行く?」

「おい、今人形と会話してなかったか?」

「人形と会話くらいしたことあるでしょ」


女性陣がうんうんと頷くと、男性陣がまた引いた。


「あの碧さんどこか行くなら近くの神社が来週お祭りやるので一緒に行きませんか?」

「無理」

「え、え?何で?あ、皆さんで行かれるとか?」

「待てかりんは俺と行くだろう」

「無理」


慎太郎君がこちらを見てきたので私も無理と首を横に振る。

隣で七海ちゃんも首を横に振った。


「美琴は」

「無理無理、私たち舞の奉納あるから忙しい」

「は?ほうのう?」

「そう奉納。昼の暑い中舞うから夜は死んでる」

「碧さんそれは誰でも見れますか?!」

「一般公開してるから観れるけど、え?来んの?」

「行きます。碧さん巫女衣装着るんですよね」

「そりゃ巫女舞だからね」

「じゃあ来ます。正直、ワンチャン浴衣姿見たかっただけなんで祭りとかどうでも良いです。

碧さんの巫女姿見れるなら、槍が降ってもきます」


何だろう下心をここまで全開にすると逆に潔く感じる。

碧ちゃんは嫌そうだけど。


「あらじゃあ、明日ある隣町のお祭りみんなで行ったら良いじゃないかしら。

浴衣なら私の貸すわ」


碧ちゃんの目が死んだ魚のようになった。

めんどくさいんだろうな、色んな意味で。

正直神楽の練習もあるので私も面倒と思ってしまった。

ごめん慎太郎君。

女の子のお人形が手を挙げた。

私もってことかな。


みんなで見合ってこくりと頷く。

仕方ない行くしかないのか。


「じゃあ、次はみんなの浴衣選びましょう。

ここに持ってくるわね。

何色が良いかしら。娘がたくさんできたみたいで楽しいわ」


縁さんの言葉にうっとなる。

めんどくさいなんて思った不出来な娘ですみません。

女性陣が若干萎えてる中男性陣は何故かキラキラし始めた。

若いって良いね。


「お人形はどうする?浴衣バージョンで行く?

でもこれも可愛いよね」

「じゃあですよ、学校帰りの秘密のデートとかどうですか?」

「良いかも!庶民の遊びを知らないお嬢様に優しく教えるって浪漫よね」


その設定気に入ったのか女の子のお人形が飛び跳ねて喜んでくれた。


「旦那様ここに置いてください」

「ああ」


何やら大量の浴衣を持って縁さんが戻ってきたよ。

こっちもお目目がキラキラしてる。


「わーいっぱい見ても良いですか?」

「もちろん良いわよ」


といの一番に飛びついたのは歩君だった。

あーでこないこーでもない言って碧ちゃんにあててあわせてる。

碧ちゃんは心底迷惑そうだ。


「あのさ普通、こう言うの当日の楽しみにしない?」

「ははは、めんどくさがりの碧さんが自主的に選ぶわけないじゃないですか。

適当に選んだトンチキコーデより、僕好みの僕だけのコーデの方が楽しいに決まってます」


それはそう。

ぐうの音も出ないのか、碧ちゃんは上を向いて押し黙ってしまった。


「僕的にはこっちの紺に朝顔がいいんですが、こっちの白地に紫の菊もかわいいんですよ。

碧さんはどっちが好きですか?」

「どっちでも」

「え!どっちも着てくれる!良いんですか!じゃあ再来週末にある花火大会一緒に行きましょう。

やったーまさか碧さんから誘ってくださるなんて!

人多いから嫌厭されるかなと思ってたんですが嬉しいです」

「いや誘ってな「ありがとうございます楽しみだなー」


おおっと碧ちゃん魚の目通りすぎて白目剥きそう。


「あ!自分背高いから丈合わないと思うな!」

「あら大丈夫よすぐなおせるわ」

「そ、そうですかありがとうございます」


こうして碧ちゃんは撃沈した。

歩君に触発されたのか男性陣が浴衣を選び始める。

いつもは男性に怯えて話さない縁さんが生き生きとアドバイスして楽しそうだ。

そばでえんさんがうんうんと頷いている。

いや、止めてほしい。

正直、神楽舞うのにいっぱいっぱいなのでお祭りで慎太郎君に八つ当たりしそうで怖い。


「アリスちゃんはピンクが似合うと思うんだ」


私に渡されたのは白地にピンクと紺の薔薇が咲いてるモダン柄だった。

可愛いけど一枚?


「明日はゆっくりして、人多いけど再来週の花火大会は一緒に行けたらと思って。

もちろん来週は見に行くね」


私がいっぱいいっぱいの察してくれたらしい。

嬉しいありがとう。絶対完璧に舞うね。

嬉しくて慎太郎君を抱きしめる。


「ちょ、自分も明日ゆっくりしたいんですけど。

歩君、自分への気遣い足りないんじゃないかな」

「よそはよそです。それに碧さんはどうせゆっくりできませんってごちゃごちゃ考えるくらいならお祭り行った方がいいです。

ほらたこ焼きでも焼きそばでも奢りますから。

楽しーですよ出店いっぱいですよー」

「わかった、わかったから。なんか解せないんだけど」


碧ちゃんはブツクサ文句言ってたが、文句言う子はチューしますよって歩君に言われて黙ってた。

かりんちゃんは婚約者君とあーだこーだ言いながらも一緒に決めてる。

美琴ちゃんとお兄さんは説得し説得されを繰り返してる。

七海ちゃんと前原君は鬱憤溜まった碧ちゃんに邪魔されてる。

「どっちに行こうが絶対邪魔するから」と言われて前原君可哀想。


「当日楽しみにしててね慎太郎君。

私も当日楽しみしとくね」

「え?」

「もちろん浴衣着てくれるよね」


私だって慎太郎君の浴衣姿見たい。

嫌そうな顔をされたが着るよねと目で訴える。


「俺、浴衣持ってないし」

「あるぞ私のを貸そう。背もそんなかわらないから詰めなくても大丈夫だろう」


さすがえんさん、やる時はやる人だ。

「はい、ありがとうございます」と慎太郎君が言ったが声小さいよ。

因果応報だよ慎太郎君。

祭りに誘いたかったのと顔見たくて来たが、あまり歓迎されなかった。

通されたリビングでは俺と似たようにお茶だけ出され彼女に放置された人達がいた。

一応会釈する。

この前海の時が初めましてなので今日が二回目。

正直何話せばいいのかわからない。

自己紹介?二回目なのに?

楽しそうな女の子達を三人でぼーと見守る。

正直何の時間だこれと思ったが、彼女が楽しそうなので気にしないことにした。

それより、俺の目の錯覚か人形動いてね?

いややっぱり気のせいか?


そこに高校一年生組が来た。

前原君はこちらにペコリとして椅子に座ったが、歩君は一直線に上田さんの元へ行きハグを求めて成功した。

あの塩対応にめげないメンタルも強ーと思ってたが、なんだかんだあの上田さんに要求をのませてるのもすげーな。

俺も真似しようと思ったが、アリスちゃんが冷めた目線でこちらを見てたのでやめることにする。


「皆さんこんにちはー、ところで三嶋さんなんで僕呼びました?」


歩君を呼んだのは三嶋君らしい。

なんとなくわかるよ。たぶん考えてることみんな同じだから。

上田さんの抑止力。

当日も存分に連れ回して欲しい。


「来週祭りがあるだろう。それで俺はかりんと周りたい」

「あーわかります僕も碧さん誘うつもりでしたから。

言い方悪いですけど、二人で周ろうと思うなら邪魔ですもんね。

分かりました。ここはみんなで結託しましょう」


話が速い。

さてどう女性陣に切り出すかと考えていたら、三嶋君の言った一言で人形の髪が伸びた。

驚きすぎて椅子から落ちるとこだったがギリ耐える。


え?なんで女の子達はこれ見てキャッキャしてんの?

意味わからなさすぎて引いた。


その後出かける話になり、歩君が先陣を切るも玉砕。

続くの全員ダメだった。

理由は巫女で出るから。

それは周れないよね。と納得。

すました顔してるが、めっちゃ巫女服見たい。

って思ってたら歩君が俺が思ってること全部言ってくれた。

逆に清々しさを感じるのは気のせいではない。

そうだよね。巫女服って制服だから見てもいいよね。

その後も歩節は止まらず、しまいには浴衣をいの一番に選び始めた。

俺好みの俺のためのコーデとか見たすぎる。


あ、でもアリスちゃん明日は無理そうだな。

顔がいっぱいいっぱいって書いてある。

一枚だけ選んで持って行くと正解だったらしくハグされた。

もう可愛すぎるほんとに俺と同じ人間何だろうか。

今日来てよかったとアリスちゃんを抱きしめ返しながら思った。

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