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61話 プロデュース! 1




一週間ぶりのランチの営業。

「待ってたよ〜!」と、たくさんのお客様が開店前から並んでくれた。

申し訳ない事に、売り切れになってお断りしなくちゃならないくらいだった。私たち四人では百食くらいしかできないからね。


これを見越してって訳じゃなかったけど、アシュリーがちょっとお土産用に作っていた(レジ横なんかにある、つい買ってしまうというアレね♪)クッキーの小袋を、丁寧にお詫びを言いながらお渡しする。


「懲りずにどうぞ、またおいで下さい!」


久しぶりの営業といっても、私とラックはずっと働いていたから全然動けるよ!

お休みモードだったアシュリーとトーイはちょっとばててたけどね。




「お疲れ様!さっそくだけど結婚式の話を聞きに来たわ」


営業後、私たちが遅いお昼を食べているとジェニファーたちがやってきた。


「ありがと!結婚式の話はいいけど、ジェニファーたちは旅立つんじゃなかったっけ?」


ジェニファーたちはロートゥスに行く前に旅立つ予定だった。送別会までしたしね。

その時に事情を知ったジェニファーが(正確にはエリックが)私たちをロートゥスに送ってくれて、そのまま一緒にいてくれたんだけど……、旅立ちはどうなったんだろう?


「あぁ、延期よ延期!結婚式なんて初めて聞いた興味深い事を放って行けないわ!」


本当にめちゃくちゃ興味津々だ。

思わず笑っちゃうくらい。


「じゃあ、いっぺんに話がすむように、ショーンさんとソフィにも参加してもらおう!」

「何々?ケッコンシキって?」

「アシュリーにも協力してもらうよ!ウエディングケーキを作ってもらわなくちゃ!それも新郎新婦の希望を入れつつだから、やりがいがあって楽しいよ!」

「何だからわからないけど、ケーキだし楽しいのね!ぜひやりたいわ!」

「トーイも協力してね!きっとこの国初か、この世界初のイベントだよ!」

「はいっ!!」


ランチの営業は終わっただろうとショーンさんのお店に様子を見に行くと、私たちが帰ってしまって人手が足りないからとソフィが手伝っていた。ちょうどいい。二人を連れてお店に戻る。


ショーンさんは厨房を見て、客席側を見て、びっくりしていた。

よく見たそうにソワソワしてたけど、話が終わった後にゆっくり見てね!と、ちょっと強引に食堂まで引っ張って行く。


主役二人と主要スタッフが揃ったので話し合いを始める。

私は従姉の人前式とガーデンパーティーの様子を話した。家族や友人やお世話になった人たちに愛を誓って、夫婦になった証人になってもらう。お式自体は短いものだ。

その後は立食でのパーティーになる。ずっと立っていると疲れちゃうから、テーブルと椅子のコーナーも用意しよう。


「そういった形でいいなら、立ったままでも食べやすいものを作るからね!」


もちろん着席型のパーティーでもいいけど、招待する人の数に合わせてちょうどいいお店を探して貸切にしてもらう事になる。

そうするとそのお店のシェフがお料理を作るよね?それだと全部希望が通るかわからないし、なにより私が二人のために腕を振るいたい。

う〜ん……。


「俺たちもユアちゃんの料理が食べたいっす。外でのパーティーなんてすごくいいじゃないっすか!祭りみたいっす」


ソフィも、うんうんと頷いている。

という事で、形としては人前式とガーデンパーティーに決まった。


それからウエディングドレスとかブーケとかウエディングケーキなんかも大雑把に説明して、誰がどの係かなんて事を割り振って、今日のところは解散となった。


そうそう、日にちはせっかくだからソフィが十七歳になる十月に決まったよ。

雨の少ない、寒くなる前の気持ちのいい爽やかな季節だ♪




六月のそれから、十月の結婚式まで三ヶ月以上あるよ!なんて余裕は全くなかった。

もうもう!!初めての事はたくさんありすぎて、めちゃくちゃ忙しかったよ!通常の仕事をしながらだしね!

でもすっごく楽しくて、すっごく充実していた。


お休みごとにロートゥスに行って、ガーデンパーティーができるような、ある程度大きな庭のある物件探しをしたり。

結婚式の事だけじゃなくても買い出しとかあるし、ロートゥスにも家があった方がいいよね!という事になったのだ。


物件探しを始めてそれほどたたないで、海と町を見下ろす小高い丘にある古い家を買うことができた。

町の中心からそれほど離れていないから便利だし、なにより庭からの景色が素晴らしい!

予算はちょっとオーバーしたけど、立地と敷地面積的に、まぁしょうがないかな。落ち着いた品のある綺麗な家に一目惚れだった。


庭には美しく花や木々が植えられていて、芝みたいな短い草も青々と茂っていた。

ガーデンパーティーに最高だね!

元はお金持ちの別荘だったらしく厨房もまぁまぁ広かったし、庭をふくめ家の管理はきちんとされていてすぐ住めそうだ。住まないけど。

さぁこれで会場は確保できたよ!




ソフィとジェニファーとの衣装の打ち合わせも順調だ。

前世お嬢様だったジェニファーは、今世でもそのまま目利きなのだ。庶民では尻込みしそうな高級店でも臆せず入れちゃうし、店主とも対等に話せる。なんならお金持ちのお客様オーラで高級店のご店主も腰が低くなるほどだ。


タイプは違うけど、超がつく美人二人は迫力満点と思われる。

ドレスの試着姿も、男性店員さんたちの目がハートだったらしい。ジェニファーが笑って教えてくれた。

ちなみに、こういう時のお約束でショーンさんは一緒じゃないよ!

花嫁衣装は式当日に見なくちゃね!!


選んだドレスは、スタイルのいいソフィをさらに綺麗に見せる身体にフィットしたマーメイドラインのシンプルな真っ白なもの。靴も合わせて白いものにする。

私の話を聞いていて、花嫁衣装は白!とイメージが固定されたらしい。


深みのある髪色に合わせてローズピンクの大輪のバラのブーケ。同じバラは髪にも飾る予定だ。

ドレスがシンプルだから、ベールはゴージャスな縁飾りのあるレースのものにする。これは長くして、トーイの妹ちゃんと弟ちゃんにもお手伝いしてもらう予定だ。


この国では特に結婚指輪の習慣なんてないけど、ここまできたら指輪の交換なんてものもしちゃおう♪


ショーンさんの衣装は、ソフィの瞳の色と同じグレーのフロッグコート。靴もグレーで統一して、胸にはブーケと同じバラを一輪。

……以上。こうやってみると、男の人って簡単だねぇ。

従姉が、主役は花嫁!って言っていたし、ソフィの綺麗な花嫁姿を見られたら、ショーンさん的にはオーケーでいいよね。 ……ね?




その他ジェニファーには人前式の司会もお願いする。

私はその後すぐパーティーのお料理があるし、何より地味顔の私より女神様のようなジェニファーの方が似合うと思う。

ジェニファーに進行なんかを説明すると、ちょっと恥ずかしそうだったけど快諾してくれた。


アシュリーとはウエディングケーキの相談をする。

ショーンさんとソフィの希望も聞きつつ、作れそうな色んなものを試作してはランチのデザートに出すを繰り返している。

いつの間にやらスイーツ男子のワイアットさんも加わって、よりよいものを目指しているよ!


ケーキの大きさは出席人数にもよるんだよね。

入刀するところだけじゃなくて、全部食べられるものにするからね!

結局シンプルに、生クリームたっぷりのスポンジケーキにフルーツを挟んだりのせたりするものになった。


あの口どけなめらかな生クリームを作るのに苦労したよ〜!苦労したのはアシュリーとワイアットさんだけど。私はスーパーでパックで売られている、お砂糖を入れて泡立て器でかき混ぜるものしか知らなかった。しかも電動で楽々だったし。


私の話を聞いただけの、アシュリーとワイアットさんの不屈の根性でできた代物だ。

この国でショートケーキって見た事がないから、きっと出席してくれるお客様たちは初めて見て食べるものに驚くよ〜!

どんなに喜んでくれるか、今からめっちゃ楽しみだ♪


それから記念写真!の代わりにオリバーさんに絵を描いてもらう。

花婿さんと花嫁さんの肖像画だ。これ記念になるよね!


ショーンさんとトーイも一緒にお料理のメニューを考える。

内陸のこっちの人の味覚と、海辺の町の人の好みは違うでしょうから、アドバイスをもらいながら決めていく。

美味しいと笑顔になってもらえる事を想像すると嬉しい!がんばる気になるよ!




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