58話 調理実習と宴会 2
ではでは、改めまして!
「「乾杯〜♪」」
なみなみ注いだ杯を合わす。
ノンアルの果実水も買ってきてくれてたよ。さすがジェニファー!ありがと〜♪
それから揚げたてのフライを食べる。
「美味っ!」
「サクサク! 何これ初めて食べる食感!美味しい〜!」
「鳥唐とは違うんっすね!これはこれでまた美味い!」
「熱っ! 熱いけど止まらない!!」
フライは大好評だ。揚げたてだから余計美味しいよね!
私も何本目かのエビフライにかぶりつく。エビフライ大好物だったんだよね!王都じゃエビが手に入らないと諦めていたから、食べられてめっちゃ嬉しい!!
今日はお米も食べられたし、なんていい日なんだろう!!
「この黒っぽいソースも美味いっす!」
「私はこっちの白っぽいトロトロソースが好きだわ」
私はパラリと塩をひとつまみ、レモンを搾りかける。
素材が新鮮だとこれだけで美味しいよ〜〜〜!!!
涙目でハグハグしていると、真似たジェイも目を見開いた。
「これ美味ぇ!!」
ジェイとラックはソースとか食べ慣れてるもんね。一周まわってシンプルなのが美味しいのかも。
「あらほんと!これも美味しいわ〜!」
「どれも美味しいって!!」
「あ〜、ほんと美味しいー!」
よかった。そう言ってもらえて何よりです。
「ショーンさん、これもメニューにいいでしょ?」
ニヤニヤして言うと
「ありがとうございます!看板メニューが二つになった!」
酔いが回ってきたのか、ちょっと赤くなって嬉しそうだ。
「明日はハンバーグね! そっちも驚くほど美味しいよ〜!」
「ありがとうございます!!」
「あら、明日もご馳走ね♪ 楽しみだわ〜」
「一週間試食に付き合ってね! ジェニファー、ソフィ、太るの注意ね!」
私は悪い顔をして笑った。
「ユアったら!」
ジェニファーは叩くふりをする。
いきなり名前を呼ばれたソフィは、びっくりしてから微笑んだ。
わぉ。ミステリアス系美人だ。
濃い茶色と濃いグレーが混ざったような深みのある髪色に、知的な濃いグレーの瞳。ほっそりしていて、いくら揚げ物を食べても大丈夫そうだ。
明るい茶髪に明るい茶色の瞳のショーンさんと対照的だけど、お似合いの二人に見える。ショーンさんも背が高くて細身だしね。
それにしても、私の周り美人度が高すぎる。
清楚系美少女のアシュリーに、神々しい系ゴージャス美女のジェニファー、普段は普通に可愛い子だけど、歌姫仕様になるとオーラがすごい神秘系美少女のサラ。ここにきてさらに、印象的なミステリアス系美女の登場とか……。私一人で平均点下げてるよ〜!
チラリとジェイを見る。
こんなに美人や美少女に囲まれているのに、この人何とも思わないんだろか?
私なんて特に特徴もないし……。
いや、アッサリ東洋人顔が特徴といえば特徴かもしれない。
けど……、美の基準にはならないよな……。
ほんとに私でいいのかな? 人を好きになるのは顔の良し悪しだけじゃないけどさ。
いや、私だってけしてブスって訳じゃないよ?中の中。……おまけして中の上ってとこかな!
まぁいいや!私はその分胃袋を掴み続けるから!!
ひっそり決意して両手を強く握りしめた。
なんて思いとは別に、宴会は楽しく続く。お料理はたくさん作ってあるし、お酒もなんでこんなに?!という程買ってきてるしね♪
砦のみなさんの様子とか、ショーンさんのあれからとか、私のあれからとか、お互いのお店の事も話したりする。
一番盛り上がったのはショーンさんとソフィの馴れ初めだね!やっぱ恋バナは楽しいわ〜♪
みなさんかなり酔いが回ったところで、第一日目の宴会はお開きになった。
第一日目との事でお分かりでしょうが、帰る日まで連日の宴会になるとは思わなかったよ!まぁ楽しかったからいいけどさ。
ジェニファーとルークさんと大魔導師様には先に宿屋に行ってもらう。ついでに途中に家があるというソフィを送ってもらう。
ショーンさんはラックに二階に運んでもう。(お店の二階が住居になっている)
ちなみにジェイは椅子で寝ているよ。
酔っていない私とラックで後片付けをする。宴会の開始が早かったからお開きも早かったのは幸いだ。明日も早くから市場に行って仕込みをしなきゃならないしね!
明日からショーンさんと一緒に市場に行って仕込みも手伝う。一週間で何種類かの料理を覚えてもらうためだ。
海辺の町の食材! 楽しみだ〜〜!!
初日はテンション高く終わった。
次の日は、もちろん朝日と一緒に起きるよ!
昨日あんなに飲んでいたみなさんもきっちり起きてくる。
この辺この世界の人たちってすごいと思う。うちのお父さんだったら二日酔いとか言ってお昼まで寝てたもんね。
宿屋さんで朝ご飯を食べて、ショーンさんのお店に行く。
ショーンさんもしっかり起きていたよ!
朝ご飯はソフィと食べたらしく、お弁当を渡していた。見慣れたサンドイッチ。砦でもよく作っていたもんね!
よしよし、サンドイッチのレパートリーも増やしてあげよう♪
「いってきます」と、ショーンさんに。「おはよう」と私たちに言うと、ソフィは仕事に向かった。
「夜も楽しみにしててね〜♪」
私は笑顔で見送った。
市場に向かいながら、ショーンさんにソフィの職業を聞くと、薬師だという。
「あら、薬師? ちゃんと話してみたいわ」
ジェニファーが反応する。
回復魔法使い? 治癒魔法使い? だもんね。
お互い医療系っていうのかな?
そんな話をしながら、港に近い市場についた。海の匂いが強いね〜!
ショーンさんはランチメニューに使うものと、昨日使い尽くしちゃった常備品の補充なんかをしている。
私も教えるお料理に使う品をどんどん買う。持ってくれる男手は四人もいるからいくら買っても大丈夫だ♪
おっと、ド偉い大魔導師様まで数に入れてたよ。
……まぁいっかな? だって大魔導師様も食べるもんね。
働かざる者食うべからず! 家訓です。
お店に戻って、朝の仕込みを手伝う。
ジェニファーたちはやる事がないのでどこかに出かけて行ったよ。しっかり「午後にはもどるわ〜」と言い残して。
ジェイもせっかくだからと武器屋さんとか装備屋さんなんかを見てくると出ていった。
他国の珍しい物があるといいね!
ラックは黙々と洗い物とか片付けなんかを手伝ってくれている。
相変わらず出不精の人見知りさんだ。これじゃ出会いもないよ。
結婚できるのか、お姉ちゃん心配。
ショーンさんのお店は(腕がいいのでと自己申告)ソコソコはお客様の入りはあるらしい。
ショーンさん一人が食べていくのでオーケーなら今のままでいいかもしれないけど、二人分ならもうちょっと繁盛した方がいいよね、と大きなお世話の私。
それに、ショーンさんの美味しい料理をもっとたくさんの人に食べてほしいもん!
がんばって異世界メニューを覚えてもらわなくちゃね!
そんな熱血指導?と、覚えの良さと熱心なショーンさんの努力もあって、すぐに口コミでお客様は増えていった。
私たちがロートゥスに来て五日目には大繁盛といわれるくらいになっていたよ。
美味しいものを食べたいという人の情熱はすごいね!
どこどこのお店が美味しいと聞けば、一度は試しにやってくる。
その期待に応えればお客様はリピートしてくれる。味は裏切らないのだ♪
それに味だけじゃないしね!
ショーンさんのお店は清潔で居心地がいい。砦にいた時に衛生の大事さを教えた事がここでも役に立っている。
師匠は嬉しいよ!
その日も恒例の宴会で「今日もお疲れさま〜!」と乾杯する。
「あんなにひっきりなしで、ショーンさん疲れたでしょ?」
「大丈夫っす。俺、体力だけはあるんで!」
そういえばショーンさんは戦に出ていた兵士さんだった。そりゃそうか。
みんなして明日の新メニューを食べたり「これはワインの方が合うわね!」なんて飲んだりしながら賑やかにしてると
「この調子でいければソフィに求婚できます」
小さく告げられた。
お! 決意表明か?
ショーンさんも結婚適齢期だもんね!
がんばれ〜!
というかそれ、私に先に言っちゃっていいのかな?と思いつつ、恋バナ好きな女子としてはプロポーズとかそのお返事とか気になるところだよ!私がいるうちにしてくれないかな。
なんて願いが通じたのか、この後一大イベントが始まるのであった。




