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57話 調理実習と宴会 1




大魔導師様を一人厨房に残して、私はみんなのところに戻った。

よくわからないけど、ゆっくり味わってください。


戻って見れば、料理はあらかた食べ終わっていた。

そうだ!お米に舞い上がっていて忘れてたよ!


「ショーンさん!パエリアもだけど、私のいた国の洋食屋さんでは、これはなくちゃ!という洋食屋さんベストスリーがあるのよ」

「は? ヨウショクヤサン? ベストスリー?」


ショーンさんだけじゃなくて、全員の頭の上に?マークが見える。

あら、そこからですか。

そういえば、ここでは全部洋食だもんね。わざわざ洋食屋さんと名乗る事はないか。


私は洋食が料理のジャンルで、洋食メインのレストランが洋食屋さんという事とか、私が生まれ育った国では色んなランキングがあって、ベストスリーとは上位三位までなんかの事を話した。


「それでね、その洋食屋さんベストスリーには、ハンバーグ、エビフライ、オムライスなんてものがあって(ランキングによってはナポリタンとかクリームコロッケなんかもあったけど)ショーンさんがよかったら、それもメニューにどうかなって思うんだ」

「そんな一気にたくさんいいんっすか!」

「もちろん!師匠からの開店祝いだよ!」

「ありがとうございます!!」


そこで、ジェイとラックに担いでもらってきたミンチ製造機とパン粉製造機をテーブルの上に置く。

朝、お店の隅に置かせてもらっておいたのだ。


「何っすかこれ?」

「ハンバーグとエビフライに必要な機械だよ!これがあると一人でも楽に作業ができるよ!」


元々お誕生会に作っていたハンバーグ。経営的にも安定してるし、私たちが働く事にも慣れたのもあって、出し惜しみしていた家で大人気メニューをお店に出してみようかという事になった。

そこでいつもの金物屋さん?に営業用の大型ミンチ製造機を発注したのだ。ついでに大型のパスタマシーンも発注。


「家用に使っていたものだけど、お店用に大型のものを発注したから、よかったらこっちはショーンさん使って。私の国のものを特別にオーダーしたから、パエオーニアにはまだないよ!」

「えぇぇ!! そんな特注品……。ものすごく高い物じゃないんっすか?というか、お店って!やっぱりユアちゃん食堂で働いてるんすっね!」


私は軽く身の回りの事を話した。


「でね、私の料理の技術とか情報なんかは、ラヴィーニア様と契約していてカメッリア領のものになってるから、ショーンさん作り方なんかは内緒ね!勝手に真似すると、カメッリア領から賠償金が請求されるみたい。それから使用料とかね。ショーンさんの事は話してあるから大丈夫だよ!」


ご領主様と契約……。賠償金……。

口にしてショーンさんは青ざめていた。


久々に登場したラヴィーニア様だけど。実のところ、リーリウムに行っても王都に行っても、使者さんとは定期的にやりとりをしている。この使者さん、開店してからは頻繁にやってくる。私は新メニューのレシピを渡しているんだけど、使者さんはやりとりより食事をするのを楽しみにしている、ように見える。


ついでにいうと、私のギルドの口座?には、レシピを渡すたびにカメッリア領からお金が入る。

特許みたいなものとかはよくわからないけど、私の料理に関する色んな権利をカメッリア領がもっていて、自領で食べられたり、披露されたり、レシピを知りたい人には(相手は貴族や豪商なんかと思われる)使用料をとって教えたり。それがカメッリア領には結構な収入源になっているらしい。

そのおかげで私はめんどくさい色んな事をしないですむし、大事に守られてもいるんだけどね。


ちなみにその使用料は私にも半分入るので、結構な収入源という事がわかっているのだ。

実は私は、ただのJKだったら考えられない程の大金持ちだったりする。

そのお金でいつか、お料理の専門学校みたいなものができたらいいな、なんて思っているよ。


もしも私がある日突然いなくなったとしても、死ぬまでここにいたとしても、手に職的なものを、特に貧しい暮らしをしている人たちに残せたらいいと思っている。そのための学校だ。この国のお金はこの国の人に還元したい。


脱線しちゃった。


「という訳で、今日はエビフライを作ってみよ〜!」

「はい!」


市場でたくさん魚介類を買ってきてるからね!

エビフライの他に、お魚のフライもできるな。


それはお酒に合うわね!と、ジェニファーたちはお酒を買いに出て行った。今夜はここで夕ご飯になりそうだ。再会のお祝いって感じかな?


「ショーンさん、硬くなってきたようなパンってある?」

「残念ながら、結構あるっす」


元気なく言う。

パンが余ってるって事は、売り上げがイマイチって事だもんね。


「大丈夫!大丈夫!食べ辛くなった硬いパンを有効利用するのがパン粉だからね!そのうちわざわざ硬いパンを作らなくちゃならない程になるかもよ!」


元気づける訳じゃないけど、異世界メニューの受けはいい。

ショーンさんの腕とセンスがあればすぐに美味しく作れるよ!


さっそくパン粉製造機でサラサラのパン粉を作る。

エビの殻はむいて背ワタをとる。ちょっと押してスジをのばすひと手間で真っ直ぐな仕上がりになるよ。

塩コショウで下味をつけたら、小麦粉と溶き卵にくぐらせて、引き立てのパン粉をまぶして揚げる。

お魚も、皮やら骨の処理をして、あとは同じ工程。

丁寧な下準備とひと手間で格段に美味しくなるからね!


おっと!忘れちゃならない、タルタルソースだ♪

持参のピクルスと、ゆで卵をみじん切りにしてマヨネーズと混ぜ合わせる。

ちゃんとしたタルタルはわからないけど、我が家のタルタルはこれだった。ピクルスがない時は玉ねぎで代用したり適当だ。

これまた持参のソースも出して、カットしたレモンもお好みでどうぞとテーブルに並べる。


揚げたて熱々のフライが大皿いっぱいテーブルに並んだ。

ワインやらビールやらを買いに行ったジェニファーたちも戻ってきて、さぁ!宴会の始まりだ〜! と。


カランコロン♪


ベルの音にドアを見ると、美人さんが驚いた顔をしてこっちを見てた。

あら、どなた?


「ソフィ! おかえり、お疲れさま!」

「ただいま……」

「話した事があるだろ?俺の師匠とお仲間さんたち。入って入って!師匠に教わってご馳走ができたところだよ!」


美人さんは遠慮がちに入ってきた。


わあ、いい匂い!

爽やかなハーブのような……。なんの匂いだろ?


「みなさん、こちら俺の恋人のソフィ。ご一緒してもいいですか?」

「はじめまして、いきなりすみません」


全然オーケーだよ! ご飯は大勢の方が美味しいもんね!

私はウエルカムで手招きをする。


それに、こっちの方がおじゃましてるんだしね!




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