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33話 お弁当屋さん 1




今朝も張り切ってご飯を作る。

メニューは甘くないフレンチトーストと、熱々焼きたての厚切りベーコンとスクランブルエッグ。

なんちゃってケチャップも作ってみた。まぁまぁのでき♪ スクランブルエッグには、ケチャップが私好みなのだ♪

後は省略して、前日のトマトと豆のスープを温める。


食べ終わったら、先に出るジェイとアダムにお弁当のサンドイッチを渡す。

今日はたくさんのレタスとハムのミルフィーユサンド。カスタードクリームの代わりにマヨをたっぷりと♪それと好評のタマゴサンド。

今日も二人は喜んでいた。お昼にどんな顔で食べるんだろう。想像すると嬉しくなるよ!


朝ご飯を食べて、先に出る二人を見送って、片付けをしたら私たち三人もギルドに出かける。

仕事帰りにお買い物をして、夕ご飯を作ってみんな揃ってご飯を食べる。

そんな風にシェアハウスで暮らし始めて三日ほどたった頃。

その朝ギルドに着くと知らない人から声がかかった。


「ジェイの弁当って、あんたが作ってるんだろ? それ、俺にも作ってくれないか?もちろん金は払う」

「あ、俺もアダムの弁当見た。俺も作ってほしい」


いきなりの申し出にびっくりする。

アシュリーもラックも固まっていた。


リラとの事があって、私とジェイは恋人だと思われている。から、そう言われるんだろうけど……。

恋人ではないんだよね。あれからどうも進展はない。まぁまだそんなに日はたってないしね。

お弁当を作っているのは合ってるけど。


「えっと、サンドイッチの事ですか?」

「あれ、サンドイッチっていうんだ? すげぇ美味そうだったから。というか、ジェイがすげぇ美味そうに食ってて俺も食いたくてさ」

「俺も。アダムと一緒だったんだけど、あいつ一つもくれねぇの。だから余計美味そうでな。で、作ってくれるのか?」


もしかしたら……。

お弁当屋さんとかできるかな?

私は素早く色々と可能性を考えた。


「明日でよかったらお持ちします。お代はどのくらいのものを希望ですか?」

「ジェイと同じものでいいよ。代金はあまり高いと厳しいけど、どんなものかわからないからなぁ」


そうだよね。私も値段設定は難しい。

今日、市場で相場を見てみよう。


「承りました。市場調査をして、何回か……、気に入っていただけたらですけど、調整しながらお代を決めていきましょう。私も慣れてませんので」


私はアルバイト経験はないから、テレビドラマで見た店員さんの言葉遣いをまねてみた。お客さん商売なら言葉遣いも大切だと思う。

それから二人の名前と顔を覚えて明日の時間を約束した。


お弁当屋さんができるかわからないけど……、日雇いの低賃金の依頼より、もしかしたら、稼げるようになるかもしれない。

食堂なんかのお店はあるけど、いわゆるお弁当屋さんみたいなお店は今のところ見た事がない。

新しい事は冒険だけど、好きな料理が仕事になったら嬉しい。


とりあえず今日の仕事はしなくちゃだ!

それから帰りのお買い物の時に相場を調べるのを忘れないようにしなきゃ!


この日は三人と相談したり色々考えたり、あっという間に過ぎていった。




次の日も、朝ご飯の後にジェイとアダムにお弁当を渡す。

今日のジェイたちのサンドイッチは、ちょっと変化球のハムチーズのホットサンド。

それと、私がツナサンドが食べたかったけどツナがないから、ゆでた鶏胸肉を細かく割いて、たっぷりのマヨネーズと和えたチキンサンド。薄切りのキュウリもたくさんはさんでみた♪ 食べる時までパキパキ感が残ってたらいいな。

二人は今日もニコニコだ。こっちまで嬉しくなるよ!


注文を受けていた二人の分は、昨日のジェイたちのメニューにした。感想を聞いたら美味しかったと好評だったから。最初の注文は失敗したくないもんね!


注文の二人に、時間通りにギルドにお届けする。

お代はとりあえず原価と手間賃込みで銅貨六枚にしてみた。日本円で六百円ってとこかな。

これってランチ代にしたらこの国で高いのか安いのかわからない。購入者の感想でまた決めよう。

受け渡しの時に翌日の注文も承った。これで明日感想を聞けるだろう。


翌日の朝、約束の時間に前日のジェイたちのサンドイッチと同じものを作って持っていく。ホットサンドもチキンサンドもジェイたちには好評だったからね。

ギルドにつくと開口一番興奮気味に


「すごく美味かった!これからも頼むよ! あ、これ今日の?今日のも楽しみだ!」


よかった!すごく嬉しいし、自信にもなった。

ジェイたちのお弁当ってお金を払ってる訳じゃないから、きっと評価も甘いでしょ?お金を払って食べるとなったら、評価もシビアになると思うもん。ホッとしたよ。


それからジェイたちや、注文を受けたあの二人と一緒になったパーティーの人たちから注文が入るようになってきた。

ありがたい事にこれが好評で、日を追うごとに注文が増えていく。

三人で作るから多くは受けられないけど、このまま好調ならお弁当屋さんでいけるかも。

手に職のない私たちの(ラックは本当は討伐系もいけるんだけどね)定職になったらいいな。


アシュリーとラックと三人で、飽きられないように日替わりでサンドイッチを作る。

販売となると商業者ギルドの管轄になるらしく、そっちにも登録した。


サンドイッチは、アシュリーがジェイたちと一緒に行って、朝一でギルドの前で販売する。

気遣う訳じゃないけど、リラは私の姿を見たくないでしょうし、私もなんとなく気まずいからね。

単純にアシュリーが可愛いからというのもある。


最近ではお昼に合わせてデリバリーもしている。

朝・昼と二回に分けて仕込みができるからムリなくできる。

デリバリーはあらかじめ注文を受けているから売れ残りの心配がないのもいい。冒険者ギルドと商業者ギルドの職員さんにお届けする。わりと数があるから三人で持っていく。そのまま帰りにお買い物もできちゃうからちょうどいい。


そうそう、自宅用のパンを焼くようになった。パンはアシュリーが担当ね。

日本人の私がご飯を炊けるように(といっても炊くのは炊飯器だけど)この世界で生まれ育ったアシュリーは、自分の家でパンを作るのが当たり前だった。焼くのは村長さん宅でお願いしてたらしいけど。

だから焼きは最初はうまくいかなかった。二人で試行錯誤して、何とかまぁまぁ美味しくなってきた。

もうちょっと練習して、しっかり美味しく焼けるようになったら販売用にも使えたらいいな。




そんな風にお弁当屋さんを始めて十日ほどたった、五月の最後の日。

今日はジェイの十八歳のお誕生日だ。

二年前お祝いができなかったから、三回分盛大にお祝いしたい!


本当は朝一で「おめでとう!」を言いたかったけど、サプライズで夕ご飯にお祝いする予定♪

デリバリーの帰りに市場によってお買い物をして、ジェイたちが帰ってくるまでに準備しなくちゃ!


帰ってまずは、三人でひたすらお肉を細かく刻む。ミンチ肉がないんだもん、不便だよ!

ようやく刻み終わると、炒めた玉ねぎと卵とパン粉を混ぜ合わせて塩コショウ(お弁当屋さんを始めたからスパイス系もちょっとだけ購入したの)をしたら、それをよ〜〜〜くこねる。


そうです!今日は特別な日のハンバーグなのです!

みんな大好き、目玉焼きのせチーズハンバーグ♪


それからお初のポテトサラダ。黄色のパプリカを星型に切って飾り付けもしちゃう。ちょっと子供っぽいかな?

それとは別にグリーンサラダもたっぷり♪


あとは懐かしいとわかってくれるかな?

鳥肉のトマトシチューも具だくさんで作ったよ!


メインのパンケーキも焼く予定♪

バースディケーキだからホールのケーキを焼きたかったけど、ケーキ型がないからなぁ。

代わりに五段重ねくらいのゴージャスなものにしてみよう!

バターをたっぷり、奮発して買ってきたハチミツもたっぷり♪

喜んでくれるかな?


だいたいの支度が終わると、庭から花を摘んできてテーブルに飾る。

これまた奮発して買ってきた果実水は井戸水で冷やしてあるよ!


準備オーケーだ。ジェイたち早く帰ってこないかな〜。




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