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撤退よ
「そうと決まれば、尾苜大先輩に連絡ね。これが連絡先よ」
ニナルが何か紙片を寄越したわ。
!
「あんた、受け取れないじゃない!」
紙片が手をすり抜けちゃうわよ。
魂の存在が物質を渡せるはずがないのよ。
「じゃぁ、開いて中を………あら?開かないわね?」
そう言ったニナルが、もたもたしてるわ。
「義妹、あんたこのメモに何かしたでしょ?二つに折ってあるだけなのに開かないわよ!」
ニナルが言い掛かりを付けて来やがったわ。
「そんな無駄な事をするわけないでしょう!」
失礼なニナルね!
「じゃ、外まで来てよ。直に渡すから」
そう言ったニナルの姿が、うっすら透け始めたわ。
あぁ、身体に戻るのね。
「わかったわよ」
あたしも庭に行かなきゃね。




