間抜よ
あたしとルイとイクヨちゃんが、何で、スケベバカがこの国の女に幻滅する要因になるのよ!?
クズ男を幻滅させるなら、簡単なことじゃない。
「この国の法では、第2夫人すら持てないのよ。浮気して愛人なんか作ったら、莫大な慰謝料を請求して、別居よ。ただし『離婚はしないから、その後の生活費もよろしくね』の一言をつければ、あのヘンタイスケベはこの国の女に幻滅するわよ」
言ってあけだわ。
「義妹!なんて悪知恵がまわるの!」
ニナルが空中で一回転して喜びを表現してるわ。
よくあの体型で……って、あれは魂だけよ!
「あんた、身体は!?」
まさか、うちの玄関前に放置してあるんじゃないでしょうね!
「あぁ、ここんちのお庭のガーデンチェアをお借りして寝かせてるから。川沿いにあるやつよ」
ニナルから、考えたらしいお答えね。
確かにガーデンチェアは、裏庭の物置の影……川がわに今はあるんだから、ニナルが寝てても目立たないわね。
良かったわ。
「そうなの、なら、ママに見付からなければ安心ね。で?具体的にはどうするのよ?一度結婚して、尾苜大先輩が浮気したら、あたしが言ったとうりにして別居?」
質問よ。
「義妹、それは嫌ね……わたしがスィートハニーと結婚出来なくなっちゃうじゃない。それ以外の案を…………あぁ、考え付かない、どうしたら良いの!?」
ニナルから間の抜けた答えが帰って来たわ。
あんたなんか、再婚は無理なんだから、スケベクズと結婚したまんまで、いいじゃなかなって思うんだけど。
しかたないわね。
「……つまり、あんたは、ノープランで、ここに来たのね」
図星を指してやったわ。
「そうよ。悪い?何か方法が有ったら、こんなところくんだりまで来ないわよ!」
こんなところくんだりまでって……かなり酷い答えが帰って来たわね。
「なら、あたしが、知恵を恵んであげるわ」
下端より、上位の者が苦労するのよね。
「どうするのよ!?」
ニナルが、道端に棄てられた、どぶねずみみたいな目であたしを見たわ。
「あんた、取り敢えず、別口のじい様許婿候補2人のうちの、どっちか一方と結婚を前提として、お付きあいをすることにすんのよ。キモイさんとの縁談が嫌でしょうがないあんたの屑兄貴が、喜んで交渉するでしょうよ」
知恵を恵んでやったわ。
「どっちかのじい様が許婿!?嫌ぁあ!」
ニナルが叫んだわ。
「大丈夫よ。あんたが、婚姻出来る頃には、じい様達は天に召されてる時期でしょうが。まず年寄りでしょう、次に象皮症でしょう、天に召されてるって。その後、あんたは大手を振ってフリー宣言よ。この婚約はそれまでの隠れ蓑よ。フリーに成ったら、そうだ、うちのウレション小僧でも誰でも、旦那迎えんのよ。あんた、あたしの配下になったんだから、どうせ伴侶なんか出来そうもないウレション小僧にあたしの配下の伴侶が出来るのは、あたしとしても万々歳だもの」
もちろん、パパとママの介護はお願い致します。
言わないけど。
「そうよね……わたしが、大学に進学して、わざと留年して、その後大学院に残って、それから卒業するとすれば、その頃には天に召されてそうよね……なら、取り敢えず、それで行くわ。駄目兄貴にも恩が売れるしね。そっちは、どうするのよ、チビデブスケベは、わたしとの縁談が壊れたら、次はあんたとの縁談が始まるのよ。あぁ、結婚してから、さっきの、離婚はしない金寄越せをするのよね。お互いに嫌がってるのに、結婚なんて大変ね」
ニナルがニヤニヤ嘲いながら言ったわ。
自分の懸案に解決の道筋が見えたら、これだものね。
「それじゃ、あたしが結婚できなくなっちゃうでしょうが!スイヨウのおじいさまんところに、尾苜大先輩と二人で直談判よ。おじいさまは、あたしに大甘なんだから。お金とか証券とか不動産なんかとかの財産以外の事には、だいたいあたしの思惑道理になるのよ」
ニナルに教えてあげたわ。
ただ、おじいさまに直接会うのが大変なのは、教えなくても良いわよね。




