無力よ
「さぁ、次善の策を考えないとね」
グレープの建物の前で、痩身ヤスミおばちゃんが言ったわ。
「こう見ると、そんなに浮腫んだとか、そんな感じには見えないんだけど?」
ビッキさんがあたしを視ながら言ったわ。
あたしは浮腫んだわけじゃないのよ。
ドラウト達が何かした、あの魔法の解除だの再度魔法だのの件が、変に作用したのよ。
きっとそうよ。
「でも、あの数字が如実に事実を語ってたのよ…………わたし、自然の前では、こんなにも自分が無力なのを再確認したみたいよ。消し炭女擬の時に思い知った以来だわ。でもまさか消し炭女擬より、イズミの娘の方が手強いなんて思いもしなかったわ……はぁ……」
ホムラさんが溜め息をついたわ。
「こういう時は、美味しいのを食べて、ぱぁっと気を晴らさなきゃね。九ようもんに来てよ。うちの主人が、ささやかなコース料理を用意してくれてるの」
痩身ヤスミおばちゃんの明るい声が、上滑りしてるわ。
ヤスミおばちゃん、ママとホムラさんはどんよりうつむいて、ため息ばかりついているのよ?
「あぁ、事務所の様子を見ないといけないから、ちょっとね」
「うちは、娘がちょっとね」
ムナギさんとビッキさんには、微妙な感じに遠慮されたわ。
「うん、ごめん、お店があるから遠慮するわ」
ブドウさんは即御断りね。
「わたしも、もう一度、あいつと技術的考察をしようと思うの。帰るわ、みんなまたね。イズミ送ってくれるわよね」
ホムラが言ったわ。
「ええ。あ、ナノはヤスミちゃんと待っててね」
ママが言ったわ。




