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【日本最強の裏方4人組、無能と捨てられた先で『地球ショッピング』を解禁する~善行を積むほど現代兵器も肥料も買い放題。  作者: 月神世一


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EP 3

C.A.R.システム vs 神の監視者

青い亀裂から現れた聖獣『青龍』が敷いた、村の全域を覆う監視網パノプティコン

『規律なき自由は害悪である。これより、不適切な行動を取る者を即時処理する』

青龍の無機質な宣告と共に、空中の『目』から、純白の流線型装甲に身を包んだ『神の近衛兵』たちが無数に転送されてきた。

天使と機械が融合したような、感情を持たない執行者の群れ。

「ひぃぃッ!」

恐怖に耐えきれず、広場から逃げ出そうとした一人の村人に、三体の近衛兵が襲いかかる。

無慈悲な光の刃が振り下ろされようとした、その瞬間。

どこからともなく、重低音で響くオーケストラのコーラスが戦場を支配した。

――ヴェルディ:『レクイエム』より 「怒りの日(Dies Irae)」。

「……なんだ!? このうるせぇ音楽は。ガジェットの趣味か?」

義正が顔をしかめながら、通信機に向かって悪態をつく。

「いいや。……俺の葬送曲プレイリストだ」

広場の路地裏。そこに停められた無骨なトヨタ・ランドクルーザー70の大型スピーカーから、その絶望的で荘厳な音楽が鳴り響いていた。

音楽を背に浴びながら、一人の男がゆっくりと前に出る。

ワインレッドのタートルネックに、漆黒のレザージャケット。

龍魔呂だった。

彼の左腕で、TUDORチューダーブラックベイ58のブロンズケースが鈍い光を放つ。

右手には愛銃『Korth NXS / Ranger』。

そして左手を軽く振ると、『ジャキッ!』という鋭く重い金属音と共に、Microtechマイクロテック製のコンバット・トゥルードンが飛び出した。時計と同じブロンズフィニッシュの刀身が、冷たく夜気を切り裂く。

『対象:特異点・龍魔呂。規律違反により、即時排除する』

近衛兵たちが、標的を逃げ惑う村人から龍魔呂へと変更し、一斉に襲いかかってきた。

だが。

「……遅ぇ」

『ダンッ!』と、龍魔呂のエンジニアブーツが地面を砕いた。

琉球古武術の歩法『縮地』。

長身の巨体が、一瞬にしてコマ送りのように近衛兵の懐へとワープする。

近衛兵が反応するより早く、龍魔呂は両腕を胸の前でコンパクトに畳み込む『C.A.R.システム(近接射撃術)』の構えを取った。

『ズガガガガガンッ!!!』

極限まで至近距離で放たれたKorthの連続射撃。

20mm機関砲並みに威力が跳ね上がった弾丸が、神の金属でできた近衛兵の外部装甲をいとも容易く粉砕し、剥がし取る。

体勢を崩した近衛兵の隙を突き、龍魔呂の左手が流れるような軌道を描いた。

鬼王の指輪から放たれる赤黒い闘気を纏ったマイクロテックの刃が、装甲の隙間から中枢コアへと突き立てられ――まるで豆腐でも切るかのように、滑らかに神の兵を両断した。

『ギ、ギィィ……ッ!?』

「次だ」

血しぶきならぬ、光の粒子を浴びながら、龍魔呂は止まらない。

カリ・シラットのトラッピング(手封じ)で二体目の腕を絡め取り、そのまま関節をへし折る。崩れ落ちた敵の顔面に、ラウェイの容赦ない膝蹴りを叩き込み、空中でKorthの銃弾を眉間に撃ち込む。

古流柔術、八極拳、システマ、C.A.R.システム……10の流派が完全に融合した『鬼神流』。

それはもはや戦闘ではなく、圧倒的な暴力による「芸術的な解体作業」だった。

『レクイエム』の荘厳なコーラスが響く中、たった一人の処刑人が、神の軍団を文字通り蹂躙していく。

「す、すげぇ……」

「龍魔呂さん、最強だ……!!」

村人たちが、希望の光を見るように龍魔呂の背中を見つめた。

だが、上空の青龍は、その黄金の瞳を一切揺らさなかった。

『……分析完了。個体名:龍魔呂。物理的戦闘能力は、予想パラメーターを大きく超過』

青龍のシステムが、瞬時に戦術を切り替える。

肉体や技術で勝てないのなら、その『精神の根源(OS)』を破壊すればいい。

『対象の深層心理へのアクセスを開始。……最優先保護トラウマを特定。これより、対象の精神制圧エラー・コードを出力する』

青龍の巨大な瞳が、不気味に発光した。

その光が龍魔呂を包み込んだ瞬間。

彼の視界から、戦場が、近衛兵が、そしてポポロ村の景色が完全に消失した。

『――お兄ちゃん』

「……ッ!?」

冷たい、雨の匂いがした。

見覚えのある、薄汚れた裏路地のゴミ捨て場。

そこで、泥だらけのボロボロの服を着た、5歳くらいの小さな男の子が、うずくまって泣いていた。

「お兄ちゃん……! お腹空いたよ……痛いよぉ……ッ!! 助けて、お兄ちゃん……ッ!!」

龍魔呂の心臓が、早鐘のように激しく打った。

(……ユウ……!?)

幻影ホログラムだと、頭では分かっている。これは神のシステムが見せている悪趣味な映像だ。

だが、その泣き声は。その悲鳴は。

かつて彼が自分の無力さゆえに守りきれず、腕の中で冷たくなっていった弟の最期の声、そのものだった。

「あ……ああ……ッ」

龍魔呂の顔から、完全に血の気が引いた。

190cmの巨体が、ガクガクと小刻みに震え始める。

『対象の機能停止を確認。……処理を実行せよ』

現実世界。

完全に動きを止め、虚空を見つめて立ち尽くす龍魔呂の背後に、生き残っていた近衛兵たちが光の刃を振り上げて迫っていた。

「龍魔呂さんッ!! 避けて!!」

キャルルの悲鳴が響く。

だが、龍魔呂はピクリとも動けない。

ナイフを握る左手も、Korthの引き金に掛かった右指も、鉛のように重く、完全に凍りついていた。

無敵の処刑人が、最も残酷な『過去トラウマ』の前に、完全に無力化された瞬間だった。

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