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【日本最強の裏方4人組、無能と捨てられた先で『地球ショッピング』を解禁する~善行を積むほど現代兵器も肥料も買い放題。  作者: 月神世一


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EP 4

運命の神引きと、練馬の狂犬

頭上から、腐った泥と鉄錆のような血の匂いが降ってきた。

ロックバイソンの巨大な蹄が、私の頭蓋を砕こうと持ち上がる。

心臓が警鐘のように暴れ打ち、肺が凍りついたように酸素の供給を拒絶した。

腕の中にある小さな体は、ガタガタと小刻みに震えている。

私はその温もりを覆い隠すように、自分の体を丸め、目を強く閉じた。

奥歯を噛み締め、筋肉を石のように硬直させる。

(大丈夫。この子だけは、絶対に)

私の骨が砕ける音を覚悟した、その刹那だった。

『ピロンッ!!』

死の静寂を切り裂くように、鼓膜の奥で強烈な電子音が鳴り響いた。

【特大の善行を確認:究極の自己犠牲】

【運命値の変動を検知】

【ボーナスポイント:1000pt 獲得】

「――輝夜! 己のカルマ、信じるけぇの!!」

背後から、信長の咆哮が轟いた。

直後、夜闇を真昼のように染め上げる黄金の光が、私の背後で爆発する。

【地球ランダムガチャ:運命要素(SSR)確定】

【排出結果:対物狙撃銃(12.7mm口径)および専用徹甲弾】

光が収束するよりも早く、重厚な金属音が鳴る。

獣の悪臭を上書きするように、ツンと鼻を突く真新しいガンオイルの匂いが風に乗って漂ってきた。

「ようこそ、練馬の地獄へ」

信長の声は、氷のように冷たかった。

振り返る余裕はない。だが、背後の気配だけでわかる。

彼は今、完全に膝を落とし、冷たい黒鋼の銃床を肩に押し当てている。

スコープの十字線が、獣の眉間を捉えた、絶対的な死の気配。

『ドゴォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!』

雷鳴。

いや、大気が物理的に引き裂かれるような、暴力的な轟音だった。

私の頭上スレスレを、マッハを越える速度で『鉛の塊』が通過する。

その衝撃波だけで、周囲の瓦礫が粉々に吹き飛んだ。

「ギョべ、ぁ……?」

ロックバイソンが、間抜けな声を漏らす。

分厚い岩で覆われた強靭な頭部。それが、まるで熟れたトマトのように内側から弾け飛んでいた。

ドスゥン、と。

頭部を失った巨大な胴体が、私の目の前で力なく崩れ落ちる。

静寂が、戻ってきた。

「……輝夜。怪我はねぇか」

硝煙の匂いの中、信長が歩み寄ってくる。

その手には、全長140センチを超える巨大な黒いスナイパーライフルが握られていた。

「っ……、信長、くん」

「おどれ、無茶しやがって。寿命が縮んだわ」

信長は大きくため息をつくと、私の腕の中にいる女の子の頭を、大きな手でポンポンと撫でた。

「義正! 蘭! 状況を整理しろ!」

信長の鋭い声に、遠くでへたり込んでいた二人が弾かれたように走り寄ってくる。

「バカな……一撃だと? あの岩の装甲を貫通するなんて、どれだけの運動エネルギーだ……!」

「M82バレット、12.7ミリ対物ライフル。装甲車すら撃ち抜く現代兵器だよ。……輝夜の自己犠牲が、システム側の『運命要素』を強制起動させたんだ」

義正が算盤を落として震え、蘭が興奮したようにタブレットのログを読み上げる。

「えっ、と……」

私は腰が抜けそうになりながらも、ゆっくりと立ち上がった。

村人たちが、おそるおそる家々の陰から顔を出し始めている。

誰もが、頭の消し飛んだ巨大な魔獣と、私たちが持つ見慣れぬ黒い筒を、信じられないものを見るような目で見つめていた。

「あ、あの……」

助けた女の子の母親らしき女性が、震える足で駆け寄り、地面にひれ伏した。

「あ、ありがとうございます……! 娘を、村を救ってくださって……!」

その言葉を皮切りに、村人たちが次々と膝をつき、私たちに向かって拝み始めたのだ。

『ピロンッ!』

『ピロンッ!』

『ピロロロロロロロロロンッ!!!』

その瞬間、私たちの視界を埋め尽くすように、無数のホログラム画面が展開された。

【善行を確認:人命救助】

【善行を確認:村の防衛】

【善行を確認:希望の付与】

【ボーナスポイント:2500pt 獲得】

【現在の累計ポイント:3400pt】

「な、なんだこの桁は……!?」

義正が目ん玉を飛び出させる。

私は、光り輝くポイント残高と、泣いて感謝する村人たちを交互に見つめた。

ガチャではない。

今の私たちには、このポイントを使って『地球の物資』を自由に選んで買うだけの資金ポイントがある。

「……輝夜」

蘭が、ニヤリと悪戯っぽく笑って私の袖を引いた。

「この村、完全にリソース不足みたいだけど。どうする?」

私は、村を見渡した。

壊れた家。痩せた大地。飢えた人々。

そして、私たちの手の中にある『3400ポイント』と『地球ショッピング』の画面。

「決まってるじゃない」

私はパンッと両手で頬を叩き、気合を入れる。

「明日から、大忙しになるわよ。まずはこの村の人たちに、美味しい朝ごはんを食べてもらいましょう!」

無能と蔑まれ、追放された辺境の村。

そこは今、日本最強の裏方四人組による『地球のチート物資』を使った、前代未聞の国家改造の実験場へと変わろうとしていた。

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