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【日本最強の裏方4人組、無能と捨てられた先で『地球ショッピング』を解禁する~善行を積むほど現代兵器も肥料も買い放題。  作者: 月神世一


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EP 4

経済封鎖と、天才のティータイム

「お、終わりだぁぁぁっ!!」

ポポロ村の広場に、ゴルド商会のバルド支店長の悲鳴が響き渡った。

「落ち着け。何があった」

義正が、眉一つ動かさずにコーヒーカップを置く。

「口座が……我々のメイン取引口座が、帝国によって完全凍結されました!」

「おまけに、各都市との魔導通信石も一切繋がりません!」

バルドは滝のように汗を流し、絶望に顔を歪めていた。

「帝国の内務省が動いたんです! 完全に目をつけられた!」

「このままでは商会は倒産、ポポロ村の流通も完全にストップします!」

資金が引き出せず、連絡も取れない。

商人にとって、それは「死」を意味する。

「なるほど。武力ではなく、兵糧攻めか」

義正は小さく舌打ちをした。

このままインフラ維持費の10,000ptが稼げなくなれば、村の設備はすべて停止する。

「どうしよう、義正君。これじゃあ、帝国の困っている人たちに薬が届けられないわ」

私が心配そうに呟いた、その時だった。

『カチャッ』

銀のフォークが、白い陶器の皿に当たる軽い音がした。

「ふーん。帝国のお偉いさん、意外とやるじゃん」

声の主は、早乙女蘭。

彼女はタブレットを片手に、地球ショッピングで取り寄せた『苺のショートケーキ』を口に運んでいた。

「ら、蘭様!? なにを呑気にケーキなど……!」

「脳の糖分補給。これがないと良いコードが書けないから」

蘭は指先についた生クリームを舐めとり、不敵に笑った。

「魔導通信って、要するに特定波長の魔力を飛ばす無線ネットワークでしょ」

「さっきから傍受スニッフィングしてたけど、暗号化のレベルが低すぎるよ」

蘭の指が、タブレットの画面を恐ろしい速度で叩き始める。

画面上に、見たこともない緑色の文字列が滝のように流れていく。

「何をしているんだ……?」

「物理層のファイアウォールをバイパス中」

バルドには、彼女が何を言っているのか全く理解できていない。

「口座の凍結? 通信の遮断?」

蘭は鼻で笑った。

「そんなの、管理者の権限ルートを奪えば全部解決するよ」

「それどころか、帝国のシステム、全部私のオモチャになるけど」

月給三億円。

日本が誇る特A級AIエンジニアにして、世界を解けるパズルだと豪語する天才。

彼女にとって、魔法世界のセキュリティなど、穴だらけのザルに等しかった。

「よし、バックドア開通。侵入成功」

蘭が、エンターキーをターンッ!と叩く。

その瞬間、動かなくなっていたバルドの魔導通信石が、ピカピカと激しく発光し始めた。

「な、繋がった!? 凍結も……解除されている!?」

バルドが腰を抜かしてへたり込む。

「蘭ちゃん、すごい!」

「えへへ、輝夜に褒められちゃった」

蘭は照れたように笑い、残りのケーキを一口で放り込んだ。

「さて、と。売られた喧嘩は買わないとね」

「義正。帝国のメインサーバー、どう料理する?」

蘭の問いかけに、義正がポケットから飴玉を取り出す。

『ガリッ』

飴玉を噛み砕く、残酷な音が響いた。

「徹底的にやれ。帝国の民衆全員に、誰が本当の支配者か教えてやれ」

魔法使いも騎士も介入できない、電脳の領域。

圧倒的な技術格差による、一方的なサイバーテロの準備が完了した。

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