目指せ恋のキューピッド!
結局、昨日は雨が止むことなく降り続けていた。
そして今日の空は、一変していい天気。
(今日は元気に1日を過ごそう!)
そう思いながら教室のドアを開ける。
しかしそこには、いつも座っているはずの桐生くんの姿がなかった。
(あれ? 今日、休みなのかな……?)
「ねぇ、上田くん」
「どうしたん?」
「桐生くんって、今日休みなの?」
「どうなんやろな。まぁ、体調崩して休みなんちゃう?だって昨日、あんなに大雨やったんやしな……ほんまに家遠いのに、傘持たずにってあほすぎるよな」
「えっ! 桐生くんって家遠いの?」
「歩いてやったら、40分ぐらいはかかるんちゃう? でも、そんなに意外なことやったん?」
「いや、ちょっとびっくりしちゃって……もっと近いものだと思ってたから」
(昨日、桐生くん「家近いからここでいい」って言ってたのに、あれ嘘だったんじゃん……!)
「じゃあ、今日の勉強会は中止になるんか……?」
(そっか桐生くん安身だったらできないかもじゃん)
「まぁ、それは北川さんも呼んで一緒に考えようよ」
(あ、いいこと思いついた……!)
「上田くんさ、今日このまま2人で勉強してきなよ!」
「いや、そんな急に……それに、2人って沙耶がいいって言わんくないか?」
「そんな弱気じゃだめだよ! それに、北川さんならいいって言ってくれるって。わたしもうまいことやるから、任せて!」
「それじゃあ、北川のこと呼んできて」
「うーん……わかった」
丈瑠くんを送り出し、私は作戦を実行に移す。
「なぁ、沙耶、ちょっと来て」
「OK!」
そう言って、軽やかに近づいてくる北川さん。
「どうしたん?」
「今日、琉弥が学校来てなくてさ。休みっぽいやんか。だから、予定してた勉強会をどうしようかと思って」
「あー、そうやな。この時間まで来てないし、休みなんやろな。じゃあ、今日このまま3人でやっちゃうか?」
「ごめん、2人とも! 実はちょっと予定入ってたこと忘れてたんだよね……悪いんだけど、2人で行って来てくれるかな? 」
(上田くん、がんばってよ!)
その思いが通じたのか、丈瑠くんはなにか決心したような目をしていた。
「まぁ、せっかくやし行こうや。2人にはなってもうたけどな」
「そうやな、じゃあ今日は2人でやろか。でも、次は柚葉もちゃんと来てな!」
「わかってるよ!」
「じゃあ、そろそろチャイムなるし、座っとこか」
「そうやな」
そんな流れで、各々が自分の席に戻っていく。
(上田くん、うまく距離を縮められるようにやるんだよ……!)
そう心の中で呟きながら、今日も1日を過ごしていくのだった。




