↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死者の町人生活  作者: 旬のからくり
37/209

入居します⑦

「誰かこいつに薬でも塗ってやれ、喉が渇いたから俺の酒も頼む。」

「ココノエ!?」

 ハバキ様が目の前の老人の……、死体? じゃないか。薬を塗ってやれと言うくらいだから生きてるのは間違いないだろう、多分。それを見て信じられないといった声を上げる。


「ふ……、ふふふ……、あはははははははは! 昨日のアレン様も本当に面白かったのに今日はシヴ様にまで笑わせていただけるなんて……。師匠弱っわ!」

 ローランのどこがツボなのか全く分からないが、とにかくこのココノエという老人がぼろ雑巾のようにされているのが面白くて仕方ないらしい。


「おいおい、ちょっと酷過ぎないか放っといたら死ぬぞこれ。」

「だってアレン様聞いてくださいよ、師匠昨日の夜私に何て言ったと思います? あ、この人が私の師匠なんですけど。『また一人、私の優越感を満たす為だけに、命を散らす者が出るかもしれん。どれだけ誓いを立てようと……、この業だけは未だ断ち切れん。私の領域に不用意に近付く獣とそれを狩る事、どちらが罪か……。』とか真顔で言っちゃうんですよ? シヴ様見た所無傷ですし、これだけボッコスコにされてるんですから笑いますよ!」

「わかった、わかったからとにかくココノエさん? を治療してあげて。」

 ローランは感情が昂りきっているようだ。ココノエさんを軽々担ぐと、ハバキ様に会釈をして小躍りしながら出て行った。


「どうかなハーちゃん、ハーちゃん以外が心配してない理由がわかったかな?」

 二枚の窓ガラスに挟まれたピンクの何かが得意気な顔をする。

「いったいどうやって……、強いとは聞いていたが限度があるだろう、他に仲間が居たとかじゃないと説明がつかない……。」

「いや? 一対一で正々堂々正面からやりあったぞ。」

 ハバキ様の独り言に近い質問に答えるシヴ。


「し、しかしココノエの技が通用しない者が居るとは思えない、魔法の使える魔族ですら依頼すれば始末してくる男なのだぞ……、教えてくれ、何を使ったのだ?」

「何って、そこそこ本気でぶん殴っただけだ。何ならギルドマスターに聞いてくれや、見物してたからよ。」

「ナインハルトが……。」

 まあシヴの事だから嘘じゃないんだろうな、ただ単に殴ったんだろう。

 未だに納得のいっていない様子のハバキ様だが、ナインハルトにでも聞き取って貰うか、ピンクのおっさんに後で説明してもらうといいさ。


「ところで話を戻しても構わんかの、先のアサシンには悪いがシヴに本気で喧嘩を売った自業自得じゃ。」 

 そうだった。キイは火龍の牙の話を早く知りたいとピンクの汚物を急かす。この話の内容によっては人間に昇格してやってもいい。


「そうだったそうだった、火龍の牙というものはね、鉱物の類じゃないんだよね~、火龍にお願いして直接貰うのさ。」

「牙を一本下さいって言うのか?」

「ノンノン、牙というのは人間が勝手に付けた呼び名で、本来は火龍の体内の器官なんだよ。」

 ……それ下さいって言ってくれるもんなのか?


「くれるんだよ。」

「読むなよ、約束だろ。」

「ノンノンノン、今のは心を読んだわけじゃないよ、顔に書いてあっただけさ。器官と言ってもね、火龍の成長によって入れ替わる物なんだ、体が自分の高熱に耐えられないんじゃ仕方ないからね、若い火龍の火龍の牙は発する熱も弱いのさ。」

 なるほど、それで物によって温度に差があるとローランは言っていたのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。