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ポリリズム  作者: 十万ポテト
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タイトルに特に意味はない

携帯が鳴りだし、目を覚ますと外はすっかり晴れ渡っていて朝であることを認識させられる。枕元の携帯を見ると不在着信が何件か入っていて昨日の事を思い出す。


今日は、佐江川千夏と買い出し(デート)を約束していて、学校の正門にAM10:00に待ち合わせをしていた。携帯のカレンダーにもハートマークで佐江川千夏とデートと書かれていたから間違いない。


つまり、完全に寝坊してしまった。昨日楽しみにするあまり全然寝付けず、日頃心掛けている携帯のアラームを設定し忘れてしまったのが原因である。慌てて電話をかけなおした。


「もしもし?畑山健二さんでいらしゃいますか?」


「あっもしもし!ごめん今起きたばかりですぐ向かうから!」


「わかりましたわ。お待ちしておりますね」


「うん。ほんとごめん!」


通話を切って急いで支度をして走って学校に向かった。正直、怒られるかと思った。いや、普通の人なら怒って帰ってしまってもおかしくない。俺もその立場だったら怒っていたのかもしれない。



そこが佐江川千夏のいい所なのか解らない、正門に着くと最初寒そうに手をこすっていた彼女がこっちに気づくと、笑顔で手を振ってきてくれた。なんだか胸が苦しくなる。


「おはようございます!畑野健二さん!」


「おはよう。ほんとごめんね」


「そうやって謝っていただくだけで十分ですわ。」


そして、彼女と買い出しをするために学校から電車で二駅離れた所にある商店街でにぎわう街に降りた。その向かっている間、何か話さなきゃと思って話そうとしたが、出てくる言葉は「ごめん」ばっかりだった。


その度に笑って「もうお気になさらないでください」と言われる。しかし、この罪悪感というものが会話の邪魔をしてくる。


平日ということもあって普段より人が少ないように感じる。佐江川千夏は佐江川財閥のお嬢様だ。電車の時もそうだったが、町全体がファンタジー世界のように映っているんだろうか?目をキラキラさせて無邪気にはしゃいでいる。


昨日メモを取っておいたメモを頼りに商店街をぶらつく。すると前に歩いていた彼女の足が止まる。その目の前にはゲームセンターがあった。


「興味あるの?ちょっと寄ってみる?」


と聞くと彼女は恥ずかしそうにうなずく。なんだかんだゲームセンターに行くのは久しぶりだ。


中に入るとUFOキャッチャーが目の前にあり、そこから奥に広がっている。彼女は、というとゲームセンター独特の世界観に翻弄されていた。


「秘密基地みたいでかっこいいですわね!」


そう言って、目の前にあるUFOキャッチャーに目を向ける。目の前にあるのは、女子の中で莫大な人気をもつぴぐっまのぬいぐるみだ。どうやらそれが欲しいみたいで何度もあたりを見回している。


「取ってあげようか?」と声をかけたら「ひやぁっ」と何ともかわいらしい声を出して驚いている。


まるで知らないおじさんに声をかけられたような反応だ。そんなに俺の顔がキモかったのかと若干凹んだが「お願いしますわ」と恥ずかしそうに言った彼女を見たらどうでもよくなった。


「STEP1・まず百円をここに入れます!STEP 2・アームを目標物まで横にずらします!STEP3・目標物の近くまでアームを運びます!STEP 4・取れますようにと願掛けをします!以上、UFOキャッチャー四ヶ条」


そして、アームがうまいことぬいぐるみの体を支えて運ばれていく。その間、彼女は俺の隣で「がんばれ」と大きいおっぱいを揺らしながら応援していた。そして、そのまま景品ゲットの穴へと落っこちた。



「やりましたわね!」と俺の手を握ってくる。そのあまりの距離の近さに思わず告白してしまいそうになる。そのことに気づいた彼女は、握っていた手を放し、恥ずかしくなったのかトイレに行った。


「あのままだったら間違いなく理性が持たないぞ。」そんな気持ちを押し殺すべく近くにあった自販機で飲み物を買って一息つく。


しばらくすると、彼女がトイレから戻ってきた。さっき買っておいた飲み物を彼女に渡す。


「さっきは取り乱してしまい申し訳ございませんわ。」


「いいよ。それより買い出しの続き行こうか」


クールにふるまったが、実際うれしかった気持ちで埋め尽くされていた。しかも後々から恥ずかしさで死にたくなった。



「追撃してくんなよ・・・」


ゲームセンターを後にして買い物の続きをしていると辺りはすっかり暗くなっていた。街灯の明かりがつきはじめて街を彩りだした。


あちらこちらでカップルたちがデートをしている。とりあえず一言「リア充爆ぜろ」。


隣にいるお嬢様はどうかというと、カップルたちを見るたびに恥ずかしそうに下を向いている。これは手をつなぐチャンスなのでは?と一瞬考えたがそれをしてしまったらすべてが終わる気がしてやめた。


無事に買い出しも終わり帰宅することになった。彼女はお向かいが来て車で帰っていった。


その帰り際に「今日はありがとうございました。本当に楽しかったですわ。また学校でお会いしましょ。健二さん。」と言われた気がした。彼女のその一言になんか救われた気がした。


まぁ、気のせいだろう。「またね。」と言って自宅に帰った。家に帰ってゲーセンで取っておいたピッグマのぬいぐるみを妹の部屋の前に置いておいた。


今日はなんだかいろいろあった気がする。疲れきった体を癒すべくお風呂場に向かった。


お風呂場を開けると幼気な体つきの少女が上半身裸でいた。すぐに状況を把握できた俺は、その幼気な少女に一言「Happy Birthday」と親指を突き立てた。


そこからの記憶はない。いよいよ文化祭まであと1日。明日はクラスのみんなと最終準備に取り掛かる。





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