『グレイシア級』
蒸気と砂埃の中、アッシュは視線でペネルタの状況を確認する。
ペネルタはアッシュの視線に頷いて応えた。
「リリア!!」
アッシュの合図。
リリアは風の力全開で砂埃を吹き飛ばした。
視界が晴れた瞬間、アッシュはペネルタの元からサンドウィッチマンに対して右回りに飛び出す。
サンドウィッチマンの準備した魔法は…………
雷撃!!
バリバリバリバリバリバリィッッ!!
そして、ペネルタの出した答えは…………
防御魔法!
バリバリ、バチィッ、パチュン!ピチュンッ!!バチバチ…………
青白い閃光が瞬く。
ペネルタは防御魔法ごと雷撃に包まれた。
「くっ……、」
(大丈夫よペネルタ・アストレーヌ、私の魔力なら耐え得るわ。)
「るぁぁぁぁあああああッ!!!」
アッシュはサンドウィッチマンの左半身、
魔女側に斬りかかった。
サンドウィッチマンがペネルタに『対面』して魔法を放つなら、必然、アッシュから見て右側が魔女。
〜〜 『アッシュ感じた違和感と伝えた作戦』 〜〜
アッシュの感じた違和感。
サンドウィッチマンは半身が魔女で半身が武道家なのは何故か…………
魔女は魔法の詠唱時間を稼ぐ為、武道家の回避能力と防御力、攻撃力が必要。
武道家は肉弾戦の相手には遠距離魔法が有利。
互いの弱点を補い、常に有利に闘う為…………。
それ即ち反転させればそっくりそのまま弱点。
アッシュに衝撃 奔る!!
魔法vs魔法 格闘vs格闘…………
では無く、魔法vs格闘 格闘vs魔法の構図。
アッシュはあの煙幕の中、ペネルタに対戦相手の交換を指示していた。
ガギィィィ…………!!
サンドウィッチマンはアッシュの一撃を杖で受ける。
同時に雷撃魔法が解除された。
パリンッ!!
ペネルタも防御魔法を解除。
と同時にペネルタの杖に嵌め込まれた魔導石が色を失う。
その瞬間をサンドウィッチマンも見逃さない。
(奴の魔法は打ち止め、あとはコッチを!!)
サンドウィッチマンはアッシュに武道家側を向けようと抵抗するが、アッシュがそうはさせない。
片手握りのドラゴンキラーでサンドウィッチマンの杖を抑えつつボディブローをお見舞いする。
ドフッ、ドフッ、ドフッ!!
「グハッ、カフッ、ゲフッ…………」
魔女、悶絶。
その隙にペネルタは武道家側へ回り込む。
武道家と距離を取って睨み合うペネルタ。
(魔導石が色を失った今、魔法は使えまい。)
(それとも、素手で私とやるつもりか?)
サンドウィッチマンはペネルタの視線から思考を読み取ろうとする。
……………………スッ。
ペネルタはローブの中から小さな杖を取り出す。
「い゛ッ!!!」
サンドウィッチマンは息を飲む。
「アッシュ!!」
ペネルタは脱出の合図を出す。
アッシュはサンドウィッチマンの胴体を蹴った反動で後ろへ飛び上がると同時に、
「リリア!空螺旋だ!!」
「任せて!」
ドラゴンキラーに妖力で竜巻を纏わせる。
「空螺旋ッ!!」
竜巻の反動を利用し、アッシュは彼方へ飛び去り、離脱する。
残るはペネルタとサンドウィッチマンの1対1。
「レェグナァァァム!!!」
ペネルタが特大火球を放つ。
防御魔法の詠唱も回避行動も間に合わない。
「ぐわああぁぁぁぁぁ!!」
燃え盛る火の玉の中央にサンドウィッチマンの黒い影が踊る。
やがて炎は消え、そこには赤色と青色のジェムが残った。




