↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7番目の勇者  作者: モダろいしヒト
PR
63/76

『半魔(ハンマ)の男』

アッシュは2号門へ向かいながらある事を思い出す。

「あ!さっきの男の人、ドウズさんの仲間の一人だ!!」


「何よ、今思い出したの?」

とリリアが呆れ顔で言う。


「何だよ、知ってたなら教えてくれよ。」


「ハァ……、アタシはそもそもアンタが覚えて無かった事を知らないわよ。」

と溜め息交じりに答えた。


「なぁリリア、上から2号門への最短ルートを案内してくれ。」


「はいな。お任せあれ。」

とリリアは上空へと飛翔する。


アッシュはリリアの指差し案内を頼りに遭遇したモンスターを薙(な)ぎ払(はら)いながら路地を突っ走る。



ワァァァァ…………!

ガキン……ギャリンッ!!…………

ドンッ…………ドンッ……………………


次第に戦闘音が耳に激しく入ってくる。


「この路地を抜ければ、2号門正面の通りに出るわ。」

リリアが情報を伝達する。


「了解ッ!」

ジャリンッ…………ズバァ!!

ザザザザッ…………

襲い来るモンスターを真っ二つにし、その勢いのままアッシュは路地裏から大通りに飛び出した。


大通りでは住民達が2号門から侵入して来たデザートリザードと交戦していた。



〜〜 『デザートリザード』 〜〜

砂漠地帯に生息する二足歩行のトカゲ型モンスター。

身体能力が高く、鱗による高い防御力も併(あわ)せ持つ。

種族間では社会や文化を築き短剣等の武器を使用する事もできる。

闘いの中では時折、仲間との連携攻撃を見せる等の知性も見せる。

別名:『砂漠の斬り込み隊長』




「ダァリャッ!!」

ザシュ…………

「セイッ!」

ズバァッ…………

「たぁっ、ソイッ、セァッ!!」

ギャリンッ、ザス……ズシャァァ…………

アッシュは道中にデザートリザードを数匹倒しながら2号門前へと駆け付けた。



「おおぉ…………」

その圧倒的強さに周りの住民達からどよめきの声が上がる。



ザザ…………、

アッシュは2号門前に立ちその異様さに気付く。


閂(かんぬき)をへし折られて開門された3号門とは様子が違う。


…………………門扉(もんぴ)ごと吹き飛んでいる。

(……何だ?何の力だ??)

(リザードごときの所業(しょぎょう)では無いのは明らか。)

(もっと強大な……………………)

アッシュは周囲に警戒しながら門扉を破壊した力の根源を探る。


しかし周囲にはリザードと他の雑魚モンスターしか見当たらない。



「アッシュ、上ッ!!」

リリアの声に反応し、アッシュは天に視線を向ける。


リリアが飛んでいる更に上空、

何やら人の形をした影が杖を掲げている。


その杖の先には…………

(……太陽?)

アッシュには巨大な火の玉がまるで太陽のように見えた。



次の瞬間杖が振り下ろされ、杖の先から太陽の如(ごと)き火の玉が発射される。


ゴァォォォォォオオオオ……………………


ドゥォォオオォオォンンンンンン……………………


火球は2号門跡へと直撃し、門が据(す)え付(つ)けられていた外壁を半壊させた。


アッシュは直感する。

(間違い無い、2号門をブチ破ったのはアレだ。)


火の玉の光源が無くなった事でアッシュには人型(ひとがた)の影の姿がハッキリ見えた。


左半身は女性、右半身が男性。

その印象的な見た目はアッシュの記憶に強く残っていた。


アッシュは直(す)ぐ様(さま)脳内のモンスター図鑑に検索をかける。



〜〜〜 『サンド ウィッチマン』 〜〜〜

砂漠の魔道家(まどうか)『Sand(砂) Witch(魔女) Man(男)』

左半身は魔女、右半身は武道家という魔闘(まとう)両道の人型モンスター。

人語を解(かい)し、話す事も出来る。




(チィッ、魔法を使うのか。)

(厄介な事だぜ。)

アッシュは魔法の存在を知ってはいたが、今までに魔法を使う相手とは闘った事が無かった。


(取り敢えずは空中から引きずり下ろさないと手が出せねぇ。)

アッシュはサッと剣を振りかざす。


それはアッシュからの無言の『カマイタチ』の動作合図だった。


アッシュとリリアの視線が一瞬 絡(から)む。

リリアは振りかざされた大剣に風の妖力を注ぎ、アッシュがそれを増幅させる。


サンドウィッチマンもその動作を察知し、魔法を詠唱し始めた。


アッシュはサンドウィッチマンの口の動きから魔法を詠唱している様子が分かったが、

距離が離れている為、ちょっと何を言っているのかまでは分からない。


アッシュが練り上げたカマイタチを放つ!


サンドウィッチマンも同時に魔法を発動!!


上空のサンドウィッチマンと地上のアッシュとの間の空間に30枚の分厚い氷の板が出現。


バリン……バリン……バリン……バリン……バリン……バリン……バリン……バリン……………………


カマイタチが氷の板を割りながら進む。


バリン……バリン……バリン……バリン……パリンッ!!


パァンッ!!


真空の刃(やいば)は27枚目の氷の板と相殺(そうさい)して消えた。

「何ッ!?撃ち負けた!」


ヒゥゥゥゥ…………ドン、ドン、ドォォン!!!

サンドウィッチマンが魔力を解除すると、残り3枚の氷の板が地上へと落下し砕け散る。



カマイタチは撃ち負けはしたが、アッシュに収穫有り。

とある予感。

(アイツ、何故(なぜ)防御魔法を?)

(防御魔法より、横移動して避(よ)けた方が簡単 且(か)つ、魔力を温存できるハズ。)


そして、予想。

(奴が空中に居るのは『飛行魔法』ではなく、『浮遊魔法』)

(その場に浮いているだけで、移動は出来ないのでは??)



アッシュはドラゴンキラーを正眼に構える。

「ならば、空螺旋(くうらせん)で検証して予想を定理にしてやる。」


アッシュの意図を理解したリリアはすかさずドラゴンキラーに大気を集め、ゆっくりと回転させて空気の渦(うず)を纏(まと)わせる。



またしてもアッシュの動きを察知したサンドウィッチマンは魔法詠唱に入る。


サンドウィッチマンの掲げる杖全体にアッシュと似たような空気の渦が発生。



「喰ぅらえぁぁッ!くぅ……ら、せぇぇぇん!!」

バグォォオオオオォォム……………………

ドラゴンキラーから猛烈な竜巻がサンドウィッチマンを目がけて一気に延びる。


それを受け、サンドウィッチマンも杖を前に突き出し同じく竜巻の魔法を繰り出した。

ビュゥゴゥアァァァッ…………


空中で互いの竜巻が激突し混ざり合う。

妖力と魔力のぶつかり合い!

ボゴゴゴゴォォムムム……………………


「ぉるぁぁぁあッ!!」

圧(お)し負けんとスタンスを広げ、足に力を入れ直すアッシュ。


少しずつではあるが、竜巻の激突点がサンドウィッチマンの方へと押し上がってゆく。


するとサンドウィッチマンが杖の先端を『グググ』と右へスライドさせ始めた。


その動きに合わせて空螺旋(くうらせん)の軌道が曲がり始める。


そして遂にはそのまま軌道を逸(そ)らされ、サンドウィッチマンを捕らえる事なく虚空(こくう)へと放り出されて互いの竜巻は消滅した。



地上から睨(にら)み見つけるアッシュ。


上空から見下ろすサンドウィッチマン。

「……………………。」

杖をアッシュの方向へと向けて何かを言っている。


しかし、やはり距離が遠くてアッシュには口の動きだけではちょっと何を言っているのか分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。