『クローするウォリアーの男』
3号門が突破され、モンスターが街へ流れ込んで来る。
住民達もネットの罠でモンスターを複数匹まとめて捕縛し、一気に袋叩きにして応戦する。
撃ち漏らしたモンスターは1対3の陣形に持ち込み、一匹ずつ確実に対してゆく。
それでもモンスターの数は多く、少しずつ戦線を街中へと押される。
そんな中、一人で何体ものモンスターを蹴散らす男が一人。
褐色の肌でガタイの良い長身の男。
「あたぁッ!……セイッ、セイッ!………ドリャァ!!」
両手には手甲鈎、両肘に肘刃、両膝には膝棘という異様な出で立ち。
「ダッシャッ!!」
ズシャァァッ!
「クェェ………ェ……」
クローで引き裂かれたニワトリスがジェムと化す。
「シァァァァッ…………!!」
ザシュゥッ!!
ズバァ…………
エルボブレードで真っ二つのサンドヴァイパーがジェムと化す。
「ウォリアーッ!!!」
後頭部に両手を廻し、膝に引き付けながら下からニースパイクを突き上げ、デザートサハギンを串刺しにする。
「ギィエェッ…………」
頭蓋骨粉砕により、サハギンがジェムと化す。
全身を刃物と化した長身の男の周りには次々とジェムが散らばる。
住民達のチームワークと長身の男の獅子奮迅の闘いぶりで雑魚モンスターは何とか喰い止めているものの、
門に体当たりして閂を破壊した張本人、『サンドワーム』の巨体の侵入を防げない。
〜〜 『サンドワーム』 〜〜
砂漠に生息する巨大なミミズ型のモンスター。
体の前面が無数の歯を持つ口になっている。
体長、高さ直径3m〜6m、長さ約20m〜300m
(3号門を破壊したのは中サイズの体がギリギリ門を通るサイズ)
その巨体と重量から移動や暴れるだけで人間には脅威となる。
来魔戦では、ドーサの門はこのサンドワームの体当たりにより突破される事が多い。
侵入されると建物への被害が甚大な為、住民達は何としてでも街へは入れたくない。
その暴れ具合が高水圧のホースが跳ね上がる様子に似ている事から、
別名:『暴れホース』と呼ばれている。……因みに『暴れ馬(horse)』とのダブルミーニングらしい。
長身の男は雑魚処理を一旦切り上げ、サンドワームへと標的を移行し飛びかかる。
「うぉりぁぁぁっ!!」
「セイッ、どりゃぁッ!!」
「ダァッ!…………ぜりゃ、ウォリアーッ!!!」
クローからエルボブレード、ニースパイクの流れるような連続攻撃。
攻撃はサンドワームの体を傷付け、ダメージは与えている…………が、何せ巨大な為全体の体積におけるダメージ部位が少なく利いている感が無い。
「ちぃッ、ならば!」
長身の男はクローの爪を付け替える。
「うぉりァーーッッ!!」
ドスッ!
バキンッ!!!
クローの爪を突き刺し、わざと体内でへし折った。
「爆破属性ジェムの特殊爪、持って行きやがれ!」
ボボボンッッ…………!!
ビチャビチャ…………
サンドワームの体内で爪が爆発し、肉が飛び散る。
「ズギァァァァ…………!」
ドォォン…………ンンン……………………
サンドワームは鳴き声をあげ、倒れ込んだ。
「ワァァァァ!!」
周囲から住民達の歓声が上がる。
しかし、ジェム化はしていないのでまだ息はあるようだ。
サンドワームが倒れる様子を見た住民達は小型の爆杭砲として開発された『爆杭弓』をかき集め地上から、2階のベランダから集中砲火を浴びせた。
ドス、ドス、ドス、ドス……………………
サンドワームの体中に爆発属性の矢が刺さる。
一瞬の間があった後、
ボボボボボボボンンン…………ッッ!!!
連続爆発。
サンドワームの体中の肉が削れる。
「ギョワァァアアァアァ…………ッッ!」
バーーン、バリバリバリバリィィィッッ!!
大きな咆哮と同時にサンドワームは体から放電した。
ドガァッ…………
周囲の建物、住民、長身の男、そしてモンスターも巻き込んで一気に吹き飛ぶ。
ザリザリザリザリ…………
更にサンドワームは放電しながら体を回転させ、まるでドリルのように門から体をねじ込んで来る。
(マズイ、このままでは街に甚大な被害が。)
何とか侵入を食い止めようと、長身の男がサンドワームに近づくが、
バリバリィィィ……!
バチィッ……………………ドォォン!!
サンドワームに攻撃が当たる前に、電撃で吹き飛ばされ建物の壁に叩きつけられる。
「ぐはっ…………」
ちょうどその時、
ザザザザ………ッッ
路地裏から3号門へと続く大通りに出て来た大剣を携えた黒マントの男、現る。
放電スクリュー中のサンドワームと対峙。
「そんなにその門くぐりたきゃ、通行料を置いてってもらうぜ。」
ジャギッ!!
剣を構えた。




