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7番目の勇者  作者: モダろいしヒト
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『破門』

「状況は理解した。」

「要はモンスターからこの街を守れば良いんだな?」

アッシュはドウズから受けた説明の中から自分の役割を見つけ出す。


「そりゃそうなんだが……まだ第二波、第三波が来るハズだ……まだまだ激化するぜ?」

「まぁ、かと言ってお前程の戦力を眠らせておく訳にもいかねぇよな……行ってくれるか?」


「あぁ、任せてくれ。不思議なマッサージのお陰でスゲー体調が良いんだ。やれるだけやってやるさ。」

アッシュはそう言って颯爽さっそうとドラゴンキラーを背負う。


……………………までは良かったが、


「しまった。空螺旋で部屋ごと吹き飛ばしたせいで置いてあった盾を失った……どうしよ。」


「アンタ、やっぱりここ一番がキマらないわね。」

と耳元でリリアが呟く。


「わ、分かったぜ……余裕があれば後で俺が探しといてやる。だがぁ………かなり吹き飛んだからなぁ……あまり期待はすんなよ。」

と、ドウズは『やっちまったな』みたいな表情で壁の無くなった部屋から外を見ながら言う。


「お願いします。」



ドォォン…………

と遠くから衝撃音が聞こえた。


アッシュとドウズが音のする方を見ると街の外壁から煙が上がっているのが見えた。



カーン!カーン!カーン!カーン!!!

続いて鐘の音が響く。



「あれは……、3号門が破られたな。」

「地上からもモンスターが侵入して来るぞ。」



「どうやら俺の派遣先が決まったようですね。」

とアッシュはグローブをキツめに装着し直す。


「行くのか?激戦区だぜ?」


「だからですよ。俺の親父なら行くハズです。」


(ザウスよ、お前の息子は頼もしくなってるぜ。)

とドウズはアッシュにその父親の姿を重ねる。



「リリア、俺に空を飛ばす事は出来るか?」

「飛ばすのはちょっと無理ね。」

「じゃあ、着地の際に空気で衝撃吸収は?」

「それなら出来るわ。」


「おい、アッシュ……誰と喋ってんだ??」


「あぁ……気にしないで下さい。…………何て言うか、考えを整理する時の癖みたいなものです。」

とアッシュは愛想笑いで答える。


「ところでドウズさん、俺はこっから飛び降りて3号門に向かいますが、一緒に下まで行きますか?」

アッシュは壁の無い部屋の外を指差して言う。


「お前、正気か?こんな階から飛び降りたら死ぬぜ??」


「あぁ……まぁ、そうなんですが、大丈夫なんですよ。あの……ホラ、アレですよ。親父から色々鍛えられてるんで……ハハハ…………。」

と苦笑いしながら答える。


「そ、そうか……。だが俺は遠慮しておくよ、階段で降りるぜ。」

とドウズも苦笑いしながら答える。


「分かりました。では、俺は先に行きます。お互い来魔戦を無事乗り切ったらまたご飯誘って下さい!!」

そう言うとアッシュは勢いよくダッシュして寝室から屋外へ飛び出した。


「ちょ、マジかよ……!!?」

ドウズは8階から飛び出すアッシュを目で追う。

(チッ、分かったぜ。無事に戻って来たら飯ぐらい奢ってやるぜ。)



ヒョォォォォ……………………

バサバサバサ…………


アッシュは身体を大の字に広げ、マントをはためかせながら落下してゆく。


隣ではリリアが飛びながら質問してくる

「アンタ高い所、苦手じゃなかったの?」


「高い所がって言うか、高い場所から落ちたら死ぬっていうイメージが怖いだけさ。」

「今はリリアが何とかしてくれるから大丈夫さ。」


「ちょっ……アンタ、そんな簡単にアタシに命預けて良いわけ??」


アッシュは黙って頷いた。


「もうッ……死んでも知らないから。」

リリアは右頬みぎほほふくらませてあきれてはいたが、そのほおは紅く染まっていた。



バフゥワァ…………

リリアはアッシュの着地範囲を予測し、周辺の空気の密度を凝縮して見えないクッションを作り出す。



ボフゥ……ン…………ッ…………

アッシュは実体の無い布団にくるまれるように徐々に減速しながら柔らかに着地した。





ガキン………キンッ!カキンッ!!……………………

街中では住民達が侵入を許した『泳砂型えいさがたモンスター』と戦闘している。


外壁を飛び越えて侵入して来る『飛行型』の次に襲って来るのがドーサへの到着時間が速い『泳砂型』である。

街の各門が突破されると侵入して来る。



〜〜 『泳砂型モンスター』 〜〜

【サンドシャーク】

【デザートオルカ】

魚型さかながたモンスター。

砂漠を泳ぐのが得意。

肉や骨を食いちぎる噛み付き攻撃を仕掛けてくる。

しかし、ドーサの街中に侵入すると砂地が無くなる為地面を這いずって移動するしかなくなる。

噛み付きにさえ注意していればいずれ弱り簡単に倒す事ができる為、住民達には『生きたジェム』扱いされている。


【デザートサハギン】

半魚人型モンスター。

魚型と同じく砂の中を泳ぐ事が可能な上、地上では二足歩行が可能。

武器を使用して戦う程度の知能をゆうし、動植物の骨や幹から削り出した槍を武器として使う。


ドーサへ侵入した後の『先遣隊せんけんたい』的な働きをする。



【サンドヴァイパー】

蛇型モンスター。

砂上、地上の移動が可能。

神経毒をゆうし、噛まれると痛みや腫れのほか、麻痺、呼吸困難、意識障害を引き起こす。

但し、その毒を使用してつくられる酒は絶品。

その為、殺してジェム化するよりりにして売買する商人も多い。




「ぐぐ……ギギギ………クソッ!!」

サハギンとの鍔迫り合いで力負けする住民。


ドスッ!!

「ギィエェッ!!」

突然サハギンの腹から刃物が突き出てジェム化する。


助かった住民の目に映るは、黒マントに大剣を装備した青年が走り去る後ろ姿だった。

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